MMAデビュー3戦目でDEEP JEWELSストロー級王座奪取、大晦日に登場。いきなり浜崎朱加に挑む伊澤星花インタビュー(聞き手・松下ミワ)
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――RIZIN初参戦でいきなり大晦日の浜崎朱加戦なんて、大抜擢ですね!
――現DEEP JEWELSストロー級王者とはいえ、伊澤選手のMMAデビューは2020年10月と1年前です。そんな中での今回の起用は、やっぱり相当うれしかったですか。
伊澤 直近の10月末のDEEPでの試合後に「年末、オファーあるかな……」と思って準備はしていたので、やっと来たなという感じはありましたね。やっぱりRIZINには上がりたいと思っていました。憧れの舞台だったので。
――ああいう大きな記者会見の雰囲気も初めて味わう感覚ですよね?
伊澤 もう、テレビで観ている人がいっぱいいましたね(笑)。
――そういう感動が(笑)。誰と会えたのが一番うれしかったですか?
伊澤 斎藤裕選手です! 今回は控え室も一緒だったので「斎藤選手がいる! カッコいいなあ」みたいな。
――ハハハハハ! でも、浜崎選手はそうやって見ていた選手の一人ですよ。
伊澤 だから、冷静に考えると凄いことですよね。浜崎さんは自分が総合格闘技を始める前からRIZINで戦っている姿を見ていた選手なので。それこそ、テレビの中の人という印象なので「そんな人と戦うんだ」と。
――そんな、浜崎選手はどこが強い選手だと感じますか?
伊澤 やっぱり寝技は圧倒的にレベルが違うなと思います。その自信があるからこそ打撃も前に出られるし、ステップも使えるのかなって。
伊澤 だから、寝技の場面は絶対に来ると思いますね。ただ、浜崎さんは打撃でめっちゃくるだろうなとも思ってるんで。まあでも打撃は自分も練習してるから、たぶん「打撃は不利」と言われているとは思うんですけど、やってみなきゃわからないぞ、と。
――その中で、伊澤選手が一番勝機を見出している部分はどこなんですか?
伊澤 やっぱり、ひとつひとつの技でいうと浜崎さんは凄く上手なんですけど、私は総合格闘技は「際」が大事だなと思っているので。そういう細かい穴を埋めていけば、自分が勝てるチャンスはあると思いますね。
――たしかに、伊澤選手って試合中は動きまくりますもんね。
伊澤 もう、ひたすら動いてます。柔道時代は動くのがキライだったので、ドシンと構えて相手が動いてくれるのを待って技を仕掛けるというスタイルだったんですけど、やっぱり総合格闘技では魅せる試合をしたいな、と。そして、魅せるためには動いて展開をつくっていかないといけないので、試合中に動き続けるというのは凄く意識するようになりましたね。
伊澤 柔道はアマチュアスポーツなので勝てば正義ですけど、総合格闘技はお客さんがいてはじめて成り立つ世界なので。ファンの方が観て「凄いなあ」と心を動かせるような試合をしないといけないと思ってますね。
――そういう考えはどこから沸いてきたんですか?
伊澤 そこは観ている側として感じた部分です。「この試合は面白いけど、この試合はあんまり心が動かされないな」とか。普通に兄弟ともそういう話をしていて、やっぱり気持ちが出る選手のほうがカッコいいよね、と。
――伊澤選手はお兄さんと弟さんも総合格闘家ですもんね。いまは、横田一則さん率いるK-Clannでの練習が中心なんですか?
伊澤 そうです。なので、横田さんにも「RIZIN決まりました」とLINEで報告したんですけど、「よかったです♪」と(笑)。普段はなかなか「♪」とかで返事は来ないんですけど、その「♪」から横田さんの喜びが伝わってきました。
伊澤 ウハウハですよね! だって、牛久選手が勝ったときも、横田さんすんごい“おしゃべり”になってましたから(笑)。
――あ、うれしすぎて話が止まらないパターン(笑)。
伊澤 もう、意気揚々と同じことを何回もしゃべってました。
伊澤 あと、練習場所としては、週1~2回ぐらい大原樹理さんや昇侍さんがいるKIBAマーシャルアーツに行ってますね。とくに打撃の練習を。
――バックボーンが寝技系だったから、打撃は集中的に強化しているんですね。
伊澤 もともとは、4歳から柔道を初めて、小学4年生から中学3年生まで並行してレスリングをやってたので。
――あ、両方の競技が被ってた時期もあったんですか。
伊澤 柔道は中学時代は部活でやっていて、レスリングはクラブチームに通ってました。もともと、先にはじめた柔道で寝技が弱かったので、お父さんがレスリングのクラブチームに連れて行ってくれたんですよ。それで、レスリングをやることによってバランスの取り方が柔道に活きたし、柔道の足技がレスリングにない技術だったので、それがレスリングに活きたりもしましたね。
伊澤 いやいや、両親はまったく格闘技はやってないです。
――じゃあ、ご兄弟3人が格闘技に入ったのは何かきっかけが?
伊澤 家で喧嘩ばっかりしてたんで、「どっかで発散しなさい」ということで、3人ともいっぺんに柔道場に放り込まれました(笑)。
――つまり、子育ての一貫だったんですか(笑)。
伊澤 まあ、私らを家にいさせたくないからですね(笑)。その中で、母としては個人競技が好きだったみたいで、たまたま近くにあった柔道場に入れられたという感じです。
――じゃあ、柔道のスタートは兄弟3人同時だった、と。
伊澤 みんなポンと置かれて、みんなで始めましたね。だから兄弟の中では凄くライバル意識はありました。しかも、私たちは年子なんで。兄に対しても「お兄ちゃん」とは思ってますけど、競技をやっているときはライバルだし、負けたくないしという思いがあるというか。
――その柔道ではどういった実績があるんですか?
伊澤 柔道は52キロ以下級だったんですけど、高校2年のときにインターハイ3位、高校3年のときに選手権5位という感じです。
――うわ、やっぱり凄いですねえ。
伊澤 結局、柔道は大学4年までやりましたけど、もう高校で燃え尽きてたので。大学ではそんなに柔道はやりたくなかったし、将来は教員になりたかったんですよ。
――となると現在、現役大学院生の伊澤選手は教育学部ということで?
伊澤 そうです。一応、免許を持っているのが中高の保健体育と、小学校の全科目ですね。
――え、そんなにどっちも取れるものなんですか?
伊澤 いや、普通だったら小学校の免許か中高の免許かどちらかなんですけど、私はどっちも取りたかったし、一番は小学校の先生になりたかったので。あとはスポーツ指導者の資格も取りたかったので、普通は150単位ぐらい取れば卒業できるんですけど、結局私は200単位取っちゃったみたいな(苦笑)。
――す、凄い!
伊澤 周りからバケモンだと言われています(笑)。
――でも、そこまでして教員を目指したかった理由とは?
伊澤 自分って、中学校のときは本当に柔道とレスリングしかしてなくて、勉強では落ちこぼれみたいな感じだったんですよ。学校生活はどうでもいいというか。でも、そのときの先生が懲りずにずっと怒ってくるんですよね。当時は「腹立つなあ」くらいにしか思ってなかったんですけど、そのときの教えもあったので高校では気が狂ったように勉強したんです。
――なんか、伊澤選手ってスイッチが入ったときの集中力が凄そうですよね。
伊澤 完全に没入型ですね。なので、高校の成績はオール「5」で、テストも80点以下を取ったことがなかったです。
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コメント
コメントを書くスゲーな。。新世代。。
浜崎選手応援だけど、伊沢選手に格闘技の未来と、可能性がある気もしてきた。。。
なんか大晦日、浜崎選手にあっさり勝ちそう。
松下さんのインタビュー記事はいつもイイなぁ
書かれた選手のこと好きになっちゃう