※Dropkickニコ生で配信されたものを再構成した記事です
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――RIZINファンのあいだで物議を醸している「ジモキック」。大会が開催される地元のキック選手が組まれることを指しています。議論の火付け役ではないですが、キック側から「ジモキック」に関してツイートされているサーバルさんをお呼びしまして、お話を伺います。サーバルさん、今日はよろしくお願いします。
サーバル よろしくお願いします。本当に単なるイチ格闘技ファンなので、こういうものに出ていいのかなっていうのが本音のところなんですけど。
サーバル 多いときで年間170程度ですね。
サーバル 最近は150ぐらいはキープしてる感じです。
サーバル ほぼ見てないですね。ボクシングとキック半々ですけど、ややキックのほうが多いです。
サーバル 時々遠征もしますけど、おおむね都内ですね。ディファ有明がなくなって以降は後楽園ホールが基本で、たまに新宿フェイスもある感じですかね。
サーバル 1988年にマイク・タイソンvsトニー・タッブスのボクシング世界戦を東京ドームで観戦してからですね。
サーバル 全日本キックが再建してロブ・カーマンを呼んでる時代からなので。それこそドン・中矢・ニールセンやカーマンの人気で活気づいていたというか。立嶋篤史含めて盛り上がりつつあった……いまの盛り上がりとはまた違いますけども、そういう時代のキックを見ながら、現在まで歩んできた感じですね。
サーバル はい。たいした戦績じゃないですけど、当時はマイナーなキック団体で試合をしてました。
サーバル それプラス、私は92年前後の2年半ほど、後楽園ホールでアルバイトをしていたので。その時期のキックボクシングはバイトをしながら全部見てます。
サーバル 私レベルの人はそれなりにいたとは思うんですよね。ただまあ、徐々に疎遠になったりして、日本で10人いるかどうかくらいかもしれないんですけど、キックの場合はどこかでひと段落ついて見なくなる人が多いかな。たとえば旧K-1がなくなったりとか。そういった節目があるのかなって気はするんですけども。私も後楽園から足が遠のくというか、完全には遠のかないんですけど、月に2〜3回しか後楽園に行かない時期もあったんですね。年間でいえば30回くらい。
サーバル 2000年頃に年間100回を超えたことが記憶にあります。ツイッターもやり始めて、私が行かず誰も発信しない大会が出てくると、「興行自体がなかったみたいだ」という人も出てきたもので。後楽園でやる以上は行くと決めてから年間150回を超えたっていう感じです。身銭を切ってツイッターで報告することが仕事化しちゃったってのが(笑)、ここ5~6年ですね。
サーバル 各団体ほぼすべて観戦している私からすれば、RIZINキックは既存のキック団体の流れと別で、どちらかというとボーナスステージが続いてるようなイメージですね。ちょっと驚くようなカードもポロポロとは入ってますけども、「そこから次に何かが……」っていう興味の惹かせ方ができてないのがちょっと残念かなということで。
サーバル そこはちょっと感じますね。私なんかはRIZINはMMAの会社だと思ってますんで。その中で那須川天心という大物がいたことで、キックの試合がだんだんと広がってきたのかなと考えてるんですけど。ただ、多くのファンはやっぱり総合の試合を見ようと思ってるところに、私自身もそこまで知らないような無名な選手たちのキックが何試合も組まれるのは、たしかにお金を払う側は納得いかないでしょうね。私はどちらかというと「それでもキックを真剣に見ろ」と言いたいわけではなくて、「そこには同情します」っていう感じですかね。
サーバル 「紛い物」発言に関しては、もしかすると誤解があるかもしれないので言っておきますと、ネットだとUFCやONEなんかと横並びにされる中で、レベルの高い試合を引き合いに出して、上から比較することに関してですよね。デビューしたてで、まだレベルの低い選手であろうと、チャンピオンクラスの試合であろうとも、それこそ命を懸けて真剣にやっていることに差はないんじゃないの?ってことを言いたかっただけです。どういうレベルかはさておき、レベルが低いから紛い物だっていうのは、それはちょっとリスペクトが足りなすぎるなと。でも、それは昔とは時代が違うことも影響があるんでしょうね。いまの格闘技ファンはネットで見るのが中心だし、ネットでコーナー・マクレガーから格闘技を見始めた人たちは、ガラガラの後楽園ホールで4回戦のボクシングの試合を見るという段階を踏んできてないわけですから。
サーバル 私の時代は、試合からだいぶ経ってから発売された『ゴング格闘技』や『格闘技通信』の白黒写真のレポートでようやく結果や内容がわかりました。当時はたまにしか興行がないので、1興行あたりにすごくたくさん試合が詰められてたので、中には街の喧嘩みたいな試合もありましたけど「こういうものなんだ」って納得してたんですけど。いまの人たちは先にレベルの高いものから見てるわけなので、下に見る気持ちはもちろんわかるんですけど、「ちょっと失礼じゃないですか?」っていう感じですかね。
サーバル そうなんですよね。私は主催者側の事情を知って何かを話しているわけではないので、あくまで推測でしかないと断っておきますけども、チケットをさばくためにキックの試合が組まれていることは、場合によってはあるのかなとは思います。やっぱりキックの場合、ファイトマネーの代わりとしてチケットを売るっていう面が強いので。総合格闘技はプロレスからの流れがあるので、ファイトマネーは基本的に現金が出ると聞いてます。
――すべての国内MMAが全額ファイトマネーかというと、団体によって違ってくるでしょうし、それなりの報酬なのかはわかりません。キックの場合は昔からの慣習もあることで、MMAより手売りが強いところがあるんですね。
サーバル キックはボクシング興行をお手本にしてるので、ファイトマネーをチケットで払うという文化がそれなりに浸透している。もちろんすべてじゃないにしても、チケットを売るために頑張る選手が多いことはたしかです。じゃあ静岡のキックの選手ひとりひとりが何百枚も埋めるかっていうと、そういうレベルではないと思います。なので、目に見えてお客が入ってるという絵にはならなかったと私は思ったんですけど。
サーバル キックのジムはあるけど、MMAのジムはありませんっていう場所はいくらでもあると思いますし、RIZINが興行を分散化してる中で、全試合MMAで埋まるほど選手が余ってるようには見えないので。興行を作るうえでどうしても前座はキックのほうが組みやすいことで、キックが徐々に増えてる現状なのかなと。そういう大会にファンの人たちがPPVでお金を落とすときにちょっと抵抗があるっていう意見は私的にはよくわかります。
サーバル そうですね。私の現役時代の話でいえば、チケットがファイトマネーの代わりでした。現金ではなくすべてオールチケットです。後楽園での試合もそうでした。
サーバル 逆にいうと、昔のキックは地方興行が下火になったあとは、後楽園でしか試合はできなかったんですよ。水戸興行とかはありましたけどね。私はファイトマネーが現金で出るということを売りにしてる団体に移籍したことがあったんです。でも、その団体の中でも、それなりの選手には現金が出るけど、現金半分チケット半分とか、いろんなパターンがあって。私はその時は現金ではなく、額面として2倍のチケットでよろしく頼むってことで出ました。
サーバル ファイトマネーをチケット払いするときは、額面の2倍が相場ですね。いまの時代もキックでプロになった選手は、最初から現金が入ってくると思って試合をする人はあまりいないんじゃないのかなと思います。それなりに実績がある選手は、最終的には後援会がサポートするかたちで、チケットを販売するイメージはあります。私の現役時代はSNSはなかったですけど、いまはツイッターなどで選手自身が営業できますよね。キャラクターが強い選手は、デビューしたてでも売れるんだろうなって思います。昔よりはそういう選手は出やすくなってるイメージはありますね。誤解ないように言っておくと、団体によっては手売りの文化が残ってることは間違いないと思うんですけど、K-1グループさんやRISEさんもプロとしてのビジネスがしっかりできあがってきてる面もあるので。それなりの選手にはちゃんと現金でファイトマネーは出てると思います。「ファイトマネー=チケット」というシステムは改善されてると思うんですが、ファイトマネーが現金だとしても、それ以外に「自分は200枚売りますよ」ということになれば、マージンとして収入になりますから。
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コメント
コメントを書くロブカーマンやモーリススミスが出ていた頃の全日本キックも面白かった。
吉成騒動のときにBOMの集客面からのツイートをされていたのが非常に興味深かった。歴史で語れる人の視点に触れられるのは非常にありがたい。