
韓国格闘技事情通PKヤドランさんが語るRIZIN韓国大会です!(聞き手/ジャン斉藤)
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──本日は韓国格闘技事情通のPKヤドランさんをお呼びしまして、韓国から見たRIZIN韓国大会を語っていただきたいと思っております。
──じつはヤドランさんは韓国大会を当日に見られなかったんですよね。
ヤドラン LEGENDというキックボクシングの興行が北海道であったんですけど、そこでオファーをもらったので当日は北海道にいました(笑)。
──それはヤドランさんがその大会に韓国人選手をブッキングしたわけですね。
ヤドラン そのオファーがあったときは、RIZIN韓国大会に行きたかったので、ちょっと待ってもらったんですよ。でも、あまりにも韓国大会のチケット情報が出ないから、さすがにLEGENDを待たせるわけにもいかないので、オファーを受けました。結果的に受けてよかったです。
──今回のRIZIN韓国大会は、韓国のカジノのサポートを受けた興行という事情もあって、チケットが流通しなかったんですよね。
ヤドラン それに一番安いチケットが5万円なので、さすがに買えないですね(苦笑)。
──今回のRIZIN韓国大会には、現地からどんな声が上がってるんでしょうか。
ヤドラン やっぱりRIZINの演出や映像はすごいという声が多かったんですね。
──RIZINにしてはスケールが小さい感じでしたけど、それでも評価はあるんですね。
──韓国の団体とはどう違ったりするんですか?
ヤドラン たとえば、ROAD FCはケーブルテレビで流れてるんですけど、放送時間が決まってるんですよ。ROAD FCは試合数が多いので、ライブでやると巻き巻きで早めにやるしかないんです。なので、あまり華麗な演出はできなくて。
──いままで放送時間内に終わらなかったことってあるんですか? 昭和の新日本プロレス中継じゃないですけど(笑)。
ヤドラン まだないんですけど、終了時間に合わせるために前座の試合は5分2ラウンドでやって、メインのカードは5分3ラウンドだったり。だから、煽り映像も本当に短めで入場も早め早めですね。
ヤドラン いや、それは関係ないです。あれはスーチョル選手のトレードマークですね(笑)。
──BLACK COMBATは選手の売り方がいままでの韓国団体とは違うという話ですよね。
ヤドラン そうですね。BLACK COMBATは選手のストーリーラインを重視していて、選手1人の煽り映像的なものを20~30分に収めてYouTubeに出しますね。やっぱり選手が誰かわからないとあんまり興味が沸かないですけど、そういう映像があることで選手に見入っちゃうファンは多いですね。
──それは大会当日の煽りVやライブ演出とはまた違うというか。
ヤドラン そうですね。BLACK COMBATは事前に出す映像で、RIZINのように試合当日に出す映像ではないですね。
──たとえばしっかりと作られた煽りVが事前に流れたり、入場の派手なパフォーマンスは韓国の団体からすると特殊だったりすると。
ヤドラン ただ、韓国で普段からRIZINを見ているのはマニアしかいなくて。一般の方は今回の韓国大会で「これがRIZINなんだ」と認識している方が多かったですね。
──よくよく考えると、韓国の方がRIZINを見るきっかけってあんまりないですよね。
ヤドラン スーチョル選手がRIZINで活躍する前は、韓国ではRIZINの人気がまったくなかったですね。RIZIN自体を知らない人が多かったです。パク・シウ選手がコロナの時期にRENA選手に勝ったこともほとんど知られてないですよ。
──という中で、今回RIZINがはじめて韓国で興行をやったわけですね。
ヤドラン 今回は榊原社長がおっしゃったように、韓国でRIZINを知らせるためのプロモーションみたいな大会ですね。私からしたら100%の成功ではないと思うんですが、それでも「これがRIZINだ」と認識された大会にはなったと思います。
──もしかしたら第1回大会というよりも、「プレ旗揚げ戦」みたいな感じだったのかもしれないですね。とりあえずやってみて……。
ヤドラン そうですね。一旦様子見っていうか、韓国のスポンサーなんかがもし集まったら次の大会があるみたいな感じだと思います。
──韓国に住んでいて「RIZINが韓国に来る!」という情報は出回ってくるもんなんですか?
ヤドラン いや、それがまったくなんですよ。頑張って宣伝した団体はROAD FCと、あとはMAXFCっていうキックボクシング団体が「ウチの選手出ます」って宣伝だけして。BLACK COMBATやAFCなんかはまったくRIZINの宣伝はしてないですね。たとえばBLACK COMBATの代表は会場には来てなかったです。ナンバー2と呼ばれる方が1人来てましたけど。
──選手は派遣するけど、RIZINはいろんな団体と向き合ってるから、ちょっと警戒してるんですかね。
ヤドラン そうですね。やっぱりRIZINってアジアでは大きな団体ですので、とりあえずは協力しようと。
ヤドラン 正直、私もそう思います。今回はパラダイスシティ(統合型リゾート)の全面スポンサーで、RIZIN側はお金は絶対にマイナスにはならないから、プロモーション的にやってみたんだと思いますね。
ヤドラン そうですね。会場に来たのは、カジノ客、韓国の格闘技関係者、あるいは各団体から事前にチケットを買った選手の知り合い。韓国の一般客はほぼいなかったですね。逆に日本人の一般客がいたみたいです。
──日本人の観光客ってことですね。カジノ側には旨味があったからまたやるかもしれないけど、今回のような小規模だとRIZINが納得してまたやるかはわからない。
ヤドラン 今回、韓国で宣伝があまりなかったのは、韓国内でチケットを売る必要がなかったからですよね。ちゃんと会場を借りて、チケットを売って、お客さんを呼ぶ興行にするとしたら、RIZINを見るために何人集まるかはわからないです。
──RIZINがソウルの体育館を借りて、何千人も集めるとなったら、またやり方を変えなきゃならないと。
ヤドラン そういう意味でも三浦孝太選手は絶対に勝たなきゃいけなかったです(苦笑)。三浦孝太選手が負けた瞬間に「RIZIN、次の韓国大会はないな……」って思いました。

──三浦孝太選手はそんな大きな荷物を背負ってましたか(笑)。孝太選手ってそんなに韓国で大人気なんですね?
ヤドラン 「めちゃめちゃイケメンの格闘技選手がいる」ってことでインスタのストーリーが韓国でバズったんですよ。韓国の女性たちは三浦孝太がめちゃめちゃ好きで。三浦孝太のインスタを上げるたびにリプがすごくついてるんです。今回、三浦孝太選手が韓国入りしたときに何人か女性の方が出待ちしたって話も聞きましたし、あと韓国のファッション誌のメディアからも取材に来たりとか。格闘技をまったく知らない人たちが三浦孝太選手目当てでRIZINを見たと思うんですよ。
──そうすると第2回大会のためにも「三浦孝太選手は絶対に勝たなきゃいけない」はあながち大げさではなく、一般層にもリーチできる存在。
ヤドラン だから今回、負けたとしてもRIZINは三浦孝太を捨てることはできないと思いますよ。
──海外にも「イケメンファイター」ってけっこういるじゃないですか。三浦孝太とは何が違うんですかね。
ヤドラン 韓国は格闘技に対して基本的にイメージがそんなによくないんですよ。
ヤドラン イメージがよくない中で、イケメンが過激な格闘技をやることにギャップがあるってことで人気なんですね。韓国でも、あんなイケメンが格闘技をやる前例がなかったので、それで人気が出たんじゃないですかね。タイで人気なのも同じ理由だと思います。
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