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「よし、そうと決まれば支度が必要だ」
智代は、自分に言い聞かせるようにそう言った。
「そうだ、お弁当を作らなくちゃ!」
それから、慌てたように部屋を出て行った。
それで、智代の部屋にはぼくとエミ子が残った。ぼくは、大変なことになったと思いながら、エミ子に何かを言おうとした。しかしその前に、エミ子がぼくの方を振り返った。彼女は、彼女にしては珍しく、ぼくの顔を真っ直ぐに見つめた。
それで、ぼくは何も言えなくなってしまった。なぜなら、彼女のその目が、こう問いかけていたからだ。
「圭輔くんは、どうするの?」
おかげでぼくは、(困ったことになった)と思った。
ぼくは、確かにトモである。ヲキをサポートするという、大切な役割が課せられている。
それに、冒険だって嫌いじゃない。エミ子と知り合ってからの四ヶ月は、驚きと発見の連続だった。
エミ子と会うまで、ぼくは比較的地味な暮らしをして
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