森田芳光監督の「(ハル)」という映画を久しぶりに見た。
この映画は1995年に制作されたのだが、興味深いのは登場人物の一人がストーカーであるということである。それだけなら何と言うことはないが、この映画はまだ「ストーカー」という言葉が一般的になる前に作られたのだ。「ストーカー」というのがそのままドラマのタイトルにもなるなど社会的な話題となったのは1997年のことである。だから、ブームになる直前のストーカーをキャラクターとして取り入れたのだ。

このストーカーが、実に秀逸な人物造形なのだ。そこではストーカーのまさに本質がえぐり出されている。