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50歳にして娘が生まれたときに思ったのは、「人間というのは実に偶然に生まれる」ということだ。それは「運命」と呼ぶのに相応しい。ほんのちょっとタイミングが狂えば、生まれてこなかった。一億の精子の中から選ばれたたった一つが、その命だ。その意味で、命はどんなものでも奇跡であり、どんな命でも運命なのである。
アルフォンソ・キュアロン監督の『ROMA/ローマ』という映画が、今、Netflixで公開中だ。これはぜひみなさんにも見てほしい。命というものの偶然性について、深く考えさせられる。
この映画にはいろいろ印象的なシーンがあるが、取り分け深い感慨を覚えたのが出産シーンだ。同じキュロアン監督の『トゥモロー・ワールド』という映画にも出産シーンがあるから、監督にとっては出産は非常に重要なモチーフなのだろう。ぼくもつい先日、自分の娘の出産に立ち会ったばかりなので、その神秘性は確かに描くに値すると思った。特に
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