ハックルベリーに会いに行く
子供と教育の連れない関係(2,110字)
養老孟司さんという人がいて、2000年代の前半に『バカの壁』という本がベストセラーになった。ただ、ベストセラーになったにもかかわらず(あるいは、だからこそ)、その意味を理解しなかった人は多い。
「バカの壁」とはどういう意味かというと、例えば、世の中には「数学が苦手」という人がいる。数学が苦手というのは、言い換えると「概念的な話が苦手」ということだ。数学はほとんど概念でできており、概念化するセンスがないと、そもそも数学と上手くつき合えない。
「概念」の対義語は「感覚」である。概念的な話が苦手な人は、感覚的な話が得意で、だいたい自分の五感を信じている。自分の五感を疑わない。そういう人は、数学が苦手になる。
なぜなら、数学はすぐに「非感覚的」な命題に辿り着くからだ。例えばA=3などとなる。感覚的な人は、これを受け付けない。「AはAだし、3は3だろ!」となる。だから、理系と文系という区分けがされる
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