ハックルベリーに会いに行く
石原莞爾と東條英機:その18(1,669字)
永田鉄山は1910年(明治43年)に陸大を卒業する。26歳のときである。そこからヨーロッパに留学し、ドイツ、デンマーク、スウェーデンなどに10年間駐在する。
そこで永田は、第一次世界大戦を目撃する。第一次世界大戦は、1914年から1918年にかけて行われた。だから、滞在期間の中にまるまるすっぽり納まるのだ。
永田は第一次世界大戦を開戦前から見、戦闘中も見、戦後の状況もつぶさに見た。そうした、日本人いや日本軍人の中でもかなり特殊、あるいは特権的な立場にいた。軍人としてまさに特等席から戦争を見る――いや経験することとなるのだ。
しかも永田は、敗戦国ドイツにいた。だから、その悲惨な有り様をなおさら直視することとなった。それが、軍人永田あるいは日本人永田の心に計り知れない衝撃と危機感とを植えつけたことは想像に難くない。「もし日本がドイツだったら」と想像し、「そうならないために自分には何ができるか」
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