ハックルベリーに会いに行く
1994:その2(1,745字)
この連載を書くのにあたってなぜ「1994」年を選んだかというと、その次の「1995」年がなかなか印象深い年だからだ。阪神淡路大震災と地下鉄サリン事件があった。音楽では小室やミスチルがブームで、CDは史上空前の売上げを記録した。出版界も盛り上がり、やはり史上最高の売上げを記録する。テレビもまだまだ上り調子で、新聞は元気だった。
そんなふうにマスコミは隆盛を誇ったが、一方であの「Windows95」が発売された。今思うと、このOSの名前に「95」が入っているのも象徴的である。そんなふうに、1995年は世界中の人々にとって変わり目となった。
それに比べると1994年は地味である。大きな災害や事件はなく、ヒット商品も1995年と比べると見劣りする。時代を俯瞰したとき、ここに「変わり目」といえる大きな断層があるわけではない。
しかし、だからこそこの年は、重要なのではないかと考える。1995年という変
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