ハックルベリーに会いに行く
本質的に生きる方法:その6(1,775字)
AIは愚者に似ている。どこが似ているかというと、誰かが発明したものを利用することで成果を上げる――というところだ。与えられた道具の最適な使い方を考えること。あるいはそれを再編集すること。これこそ愚者の最も得意なことである。
いわゆる1を10にするというものである。反面、発明やイノベーションつまり0を1にするということには向いていない。なにしろAIは大規模データを学習することによって成果を上げるわけだから、既存の知見の枠組みを出ることはないのだ。
イノベーションとは既存の枠組みをはみ出ることである。あるとき、アメリカのダイナーで文句ばかり言う常連客がいた。彼は、薄くスライスしたポテトのフライが好きだった。それでいつも、店主に「もっと薄くできないのか?」と文句を言っていた。
そこで怒った店主は、あるとき限界まで薄くしてやろうと考えて、既存の枠組みを大きくはみ出して、それまで7ミリほどあった厚み
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