「もしドラ」を書きあげたのは、2009年3月末のことだった。それを編集者の加藤貞顕さんにメールすると、程なくしてこんなメールが返ってきた。


読み終わりました。面白かったです。
こ れ は い け る と思いました。ありがとうございます。

これはたしかに、映画化できるかもしれませんね。
NHKでドラマ化というのがもっとふさわしい気もしますが。

ともかく、10万部とか20万部とかそういうラインをねらって仕上げたいですね。
来週、打ち合わせをお願いしたく存じます。
月、火あたりいかがでしょうか?
ご検討いただければ幸いです。
時間も長めに見ていただけると助かります(最低3時間以上)。

加藤


「こ れ は い け る」という言葉の文字の間にスペースを入れるところが2ちゃんねるふうで、ネット好きな加藤さんらしいと思ったが、文面は彼の率直な興奮が伝わってくるもので、ぼくとしては嬉しかったし、また大きな手応えを感じさせられた。

ところで、この「もしドラ」がなぜ売れたかということに関しては、加藤さんの力が最も大きかったと思っている。