今度の都知事選は、日本の政治的に――いや歴史のうえでも、重要な意味を持つだろう。

重要な意味を持つ理由は二つある。

一つは、東京オリンピックを六年後に控えていること。
東京オリンピックを開催するときに都知事でいることは、大変な名誉である。その役職は、世界中から注目される。またその肩書きは、世界中どこへ行っても通用する。だから、その役得の大きさは計り知れない。

これがポイントの一つになる。
新しい東京都知事は、オリンピックという世界的な祭事の主幹事になるのだ。それを誰にするかという眼差しが、都民には自ずから芽生えるのである。それが、今度の都知事選を、これまでの都知事選とは大きく異ならせている。

もう一つは、都知事選の結果如何が、日本の今後の「右傾化」を占うものになる――ということだ。

今、日本の政治は大きな曲がり角に来ている。
きっかけは、安倍首相が靖国神社に参拝したことだ。
都知事選は、賛否両論あったこの靖