農業には人生を変える力がある。

 『渋谷の農家』という本に書かれていたその1行は嫉妬するくらい適格な言葉で僕自身の思いを表現していた。まさしく僕が探し求めていた文章だった。

 先日「渋谷のラジオの学校」にも出演して下さった著者の小倉崇さんは『翼の王国』などで仕事をされている編集者であり作家だ。また、渋谷のライヴハウス「TSUTAYA O-EAST」の屋上で畑を営む農家でもある。つまりは農業以外に仕事を持つ兼業農家だ。年は僕よりもひとつ上の1968年生まれ。歩んで来た時代も世代感もほぼ同じだ。だからこその共感もあるのだろうか。