波と波が衝突するとき、果たしてどんなことが起きるのだろうか。

 Aという波とBという波とが正対で衝突すると、そこに2つの波の力が合算されたCという高い波が立つ。その衝突によってA、Bの波は消滅してしまうと思うところだけれど、それぞれの波は力を落とすことなく、方向も変えることなく、またAという波とBという波として離れてゆく。これを「波の独自性」というのだそうだ。

「若干、事実とは違う点もございますが、確かに、そういった計画はございます」

 逗子市の小さな港で突如持ち上がった「高層ホテルの建設計画」に関して、当事企業の責任者Iさんに電話で伺った話をできるだけ忠実に書き起こすことにする。但し、会話は録音したものではない。要点をメモしながら記憶したものに過ぎない。それに、相手の表情を見ながら聴いた話ではないので、言葉のニュアンスには僕の主観的な印象も多分に盛り込まれてしまっていることをご了承願いたい。しかし、僕自身には、伺った事実をねじ曲げてまで、時間を取ってお話しして下さったIさんや、Iさんの会社を貶めようとする意図は微塵もない。そして、IさんにはBlogに書くことについて事前に許可も頂いている。