米国大統領選挙は、ペンシルバニア州での勝利が確定した段階で、トランプ獲得代議員数279、ヒラリー獲得数218となり、過半数の271を超え、トランプが勝利した。米国の多くのメディアは「歴史的ひっくり返し(historic upset)」との表現を使用しているがまさにその通り、大方の予想に反した大異変である。
選挙前の各種予測はヒラリー優位を示していた。リアル・クリアー・ポリティクスというサイトは各種世論調査平均を出しているが、選挙直前はヒラリー 46.8 %、トランプ43.6 %であった。更に英米では、競馬やサッカー等スポーツに賭けが行われ、米国大統領選挙も賭けの対象になっているが、ここで直前は、クリントン84.4%対 15.3%だった。今度の選挙は、ヒラリーを支援する既存勢力対経済状況の悪化を中心として現在の米国政治に強い不満を持つ層の戦いと言っていい。
ヒラリーの支持基
コメント
コメントを書く米国民の60%を占める白人を主体とする貧困層の体制への不満を、トランプ氏は、過激に発言してきた。言論の自由がある民主主義の国、米国と言えども体制に対する不満が押さえつけられ、多くの米国民の不満が鬱積している。この原因は、資本の横暴を際限なく許容してきたことにあり、実物経済から金融経済に置き換え、一部のものが富を独占する構造が、批判の的にされたとみなすべきでしょう。
日本は今、経済的に打開策がなく、TPPによる外圧によって打開しようとしてきたし、打開しようと国会議決を急いでいる。無策な政府の無策なTPPは、米国で米国民によって押しつぶされつつあるのに、このざまは、無能な米国依存の哀れな姿を露呈している。無能な政府に任せておいては、すべての機構が無能になり、国家が溶解していく。そろそろ日本人である我々も目を覚ますときでしょう。
当初から「泡沫候補」と報道されていたトランプだが、私は彼の当選を信じていた。
選挙で投票できるのは一人一票なのだから、1%の富裕層より、99%の一般庶民が勝つのは当然なのである。
それにしても、これ程の大接戦になったのは、自分の実感より、メディア報道を信じる人が多かったのだろう。
暴言王と批判されたトランプだが、勝利宣言の演説では、まともな次期大統領を感じさせられた。
日本では自民党がTPPの採決を強行するらしいが、自由貿易という名の「多国籍企業の横暴」を阻止することがトランプの基本理念だということを、まだ理解できていないのだろう。
トランプ大統領の誕生により、自民党政権の崩壊が近づいたのかも知れない。
田中宇は3日前の時点でトランプ勝利と分析していた。いよいよ田中の持論であるところの「世界の多極化」への流れが決定的になった。
米国の政界は日本と同じく腐敗していますからウオール街の思惑通り種々の奇怪な不正が実行されヒラリーがにんまりするのだろうと懸念していましたが、そういう不正も撥ね付けるくらい米国民が草の根のところでトランプを支援していたということでしょう。本当に良かった。
トランプは勝利宣言の中で「全ての国と仲良くしたい」と言っていたが、全くその通りで、安倍氏の日米(軍事)同盟しか強調できないボキャブラリーの決定的欠如は彼自身の指導者失格性を世界に印象付けました。又、安倍氏の支援者たちの中国人と朝鮮人を今も尚しつこく侮蔑する性癖はそろそろ封印しないと日本は世界で孤立し世界から侮蔑されることになるのではないでしょうか。
いずれにせよ、ナチズムが追った夢実現に勤しむ米国のネオコンシオニズムは当面逼塞するでしょう。悪名高いCIAをトランプがどう改革するか?見守りたい。ジョン・ケネデイみたいに長官を更迭するのか?等々興味が尽きない。
第三次世界大戦が遠のいたことだけは言えます。その意味で今回の米国のレジームチェンジは実に素晴らしいことだと思います。