トランプ政権においては、重要外交案件はホワイトハウス主導で行われている。例えばトランプの対外政策で最も関心を呼んでいるイスラム国家(当初7か国、現在6カ国)の査証発給の規制はバノン戦略担当顧問が主導とみられ、ティラーソン国務長官が決定に重要な役割を担っている可能性が低い。
かかる中ティラーソン国務長官の立場についての論評。
A:事実関係
「フォーリン・ポリシー」掲載「ティラーソン国務長官は最も弱体な国務長官になる可能性
(Rex Tillerson might be the weakest secretary of state ever)の主要論点
・現在重要なドラマが進行中であるが、それはティラーソン国務長官と彼が率いる国務省の影響力の減少であろう。通常内閣で最も重要なポジションである国務長官はトランプ政権ではほとんど影響を与えていない。
・国務長官の力は
この記事は過去記事の為、今入会しても読めません。ニコニコポイントでご購入下さい。
私は常々米国のメデイア、米国主流の政治家、米国の軍産複合体を世界の平和を脅かす邪悪な存在だと観ているものですから、テイラーソンがそういう邪悪な存在たちに対して不協和音となっており、米国外交全体の縮小に繋がっていること自体、世界の健全で平和的な発展にとって歓迎すべきことだと私は思っています。
過去を振り返って見ますと、パウウェルさんは実にノーマルだった。その後を継いだ女性国務長官はこちこちのネオコンで酷い人だった。余りにも酷くて名前を忘れました。その後を継いだヒラリー氏はこれまた狂信的な戦争好き、おいおい第三次世界大戦を起こすのか?と私は心配した。ケリーは可哀想にピエロを演じていた。ピエロを演じてプーチンとCIAの間で苦労させられていた。第三次大戦に発展しなかっただけでも功績大と評価すべきかも知れない。
テイラーソンに期待したいのは、ロシアと仲良くしてもらいたいということです。でも、難しいかも知れない。何故なら、米軍産複合体はロシア脅威を打ち鳴らすことによってライフラインが繋がっているわけですから。
ロシアと商売はともかくとして、外交的に親密な関係を疑われるティラーソン国務長官を歓迎する同盟国は、日本以外は見当たらないのでしょう。安倍首相と親密な関係が築かれるかもしれないが、米国自体は方向性が逆であり、さまざまな面で、日本は経済的にマイナス方向に向かうようになるのではないか。中国以上に警戒を要するロシア、利用しようとして逆利用され、ダレスの恫喝でなく、キッシンジャーの恫喝に苛まれる国になっていくことが心配される。