第二次世界大戦後、核兵器の使用の危機は二回あった。一つは朝鮮戦争時。今一つはベトナム戦争時。通常戦で劣勢にあった米軍は、核兵器の使用を欲した。しかし、国際世論、米国国内の世論におされて、核兵器使用はできなかった。
しばしば、「抑止」と言われるが、厳密な意味で、核保有国の先制核攻撃を止めるための抑止ではない。
今日、米国は依然、核兵器の使用を前提とする軍事戦略を有している。それは、まだ核兵器を使用できない国を対象としてである。
本来なら、被爆国の日本が「核兵器禁止条約」の旗振りでいいはずだ。
米国と言えども、唯一の被爆国である日本が、この条約の旗振りであることに文句は言えない。ここでも日本の対米追随外交が濃厚に出ている。
A:事実関係
核兵器禁止条約、採択 。日本や5核保有国は不参加(7月8日朝日新聞)
核兵器の使用や保有などを法的に禁ずる核兵器禁止条約が7日午前(日本時間7日深夜)、
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世界で唯一の核兵器被害国が、核兵器禁止条約の話し合いにも参加しない。
こんな「あり得ない自体」に世界が呆れている。
今や日本は「世界で最も軽蔑されている国家」に成り下がったのである。
冷戦後といっても、ロシア47%、米国45%、両国で92%独占保有している。終わったというのは、表面的なことに過ぎない。
日本は、核を保有せず、日米同盟、安保条約で深く結ばれている。表面上は、米国の傘の下にあり、守られていることになっている。日本人は、皆、信じて疑わない。ありえないことであるが、日本に核が落とされた場合どう言うことになるのであろうか。米国が、相手国に核を落とすであろうか。ありえないことである。ただ、日本に核を落とした国が、長崎、広島の再現に対し、国際的に非難されることは間違いない。しかし、相手国は、日本に謝罪することがあるだろうか。絶対にありえない。核の傘があるように錯覚させる日米同盟が根本的問題であるが、憲法さえ守ればなんとかなるという能天気な人間が多すぎる。日米同盟に手を付けなければ、結局米国の傘の下で、核におびえなければならないことになるのです。
核兵器で隣国から恫喝される恐れのない小国があつまって、あらたな国連利権をつくりあげたということでしょう。それに、「正しいこと」をいうのは気持ちいいものです。ただし、その費用は日本も高額の国連分担金というかたちで拠出しています。
それら小国も、隣国と通常兵器による恫喝や紛争はおこりうるとわかっているため、「あらゆる兵器」禁止条約を結ぼうという発想にはならないのです。小国の小狡さも垣間見える条約ですね。
ところで、ひどい目にあった場合、人がとりうる道はふたつあります。
1,ひどい目にあわせること自体に反対すること
2,二度とひどい目にあわないために報復できるチカラをつけること
通常はその両者を追求します。大虐殺の被害にあったユダヤ人は、1はもちろんですが、2のために、アラブ人を非難を浴びる方法で追い出し強い国を建国しました。その国は核保有国であるとされているばかりか、サイバー戦争でも最強国だとされています。もちろんドイツがユダヤ人を今後大虐殺することは、米国が日本にまた核攻撃するよりもっと、可能性が少ないことでしょう。それでもイスラエルは2をやめないし、それはおおむね受け入れられています。
日本ももちろん1も2も追求してきました。今後もそれはかわりません。ただし、日本は米国に敗戦したために、2が歪んだ形になっています。その歪みを歪んでいないと信じたふりをすることで、日本の2はなりたってきました。
今回日本が核兵器禁止条約に賛成しないのは、その条約があまりに理想的すぎて、歪んだ2にすら直接抵触するからです。
しかしそれでも核兵器禁止条約に日本を参加させたい人は現時点において、とりあえずは北朝鮮の核保有に強く反対すべきです(もちろんすべての核保有国の核保有に反対すべきですが、現時点で日本を直接ことばで核恫喝しているのは北朝鮮です)。
それが論理的であり、ま、マトモなアタマの持ち主ならそうするでしょう。この基準からすると、いま日本で核兵器禁止条約に賛成している人たちのほとんどがマトモなアタマでないように私にはみえるのです。
孫崎先生がおっしゃる通り被爆国の日本が率先して取り組むべき条約です。本当に日本はつまらん国です。日本の一部の支配層は米国の怖い存在である国家内国家(米国の知識人はDEEP STATEと呼んでいる暗黒集団)から恫喝されるのを恐れて居るのでしょうか?それとも米国の経済制裁を恐れているのでしょうか?或いは日本も北朝鮮みたいに核ミサイル強国になりたいからなんでしょうか?いずれも正当な理由にはならない。繰り返しますが、日本は本当につまらん国です。日本は世界で唯一の核による地獄を経験した被爆国なんです。この自己矛盾は一体何なんです。倒錯いやサイコパスと言った方が正しいと私は思います。
唯一の被爆国で、一瞬にして数十万人の犠牲者をだした日本。核兵器禁止条約の締結に向けて、先頭に立って推進するのが、日本の素直な姿。それも日本政府が率先して活動するのが当たり前。そうなっていないのが腹立たしい! また、この不都合な事実を国民にキチンと伝えていないメデイアも腹立たしい。
米国追従と言いながらでも、民族的な矜持からも、「核兵器禁止条約推進は国是」で済むはずでは。以前の気骨のある首相なら、キチンと主張し貫いていた気がする。いつから、ここまで腑抜けになったのだろうか?安倍からかな?
米国は日本を無差別に爆撃して、大量の(広島長崎の犠牲者よりも多い)非戦闘員の犠牲者を出しました。
そして、原爆はなかなか使われることはありませんが、空襲は今後もさまざまなかたちで犠牲者を出すことでしょう。
いっそ、(自衛隊ももっている)爆撃機を禁止する条約を提案したらどうでしょう。なぜオーストリア等はそう提案しないのでしょうか。
原爆被害はつねに情緒とともに語られます。それに表だって抵抗できる人はなかなかいません。
しかしウラで偽善を偽善と見抜けない為政者は、国民を危険にさらします。今の為政者がそういう愚か者でなくて、本当に良かったと思います。
本来どうあるべきか。我々は突き詰めることをしないで、皆が納得できるところで解決しようとする。巨大な赤字なども典型的な例である。みんなが犠牲を払わず、納得できるところは、赤字を続けることであり、国家が赤字を続けていてもだれも問題視することはない。赤字が続くのです。日銀が国債を買い続けるのです。少し金利が上がりそうになると、国債の購入額を増やして、金利上昇を止める。最近も、数日前に起きたことです。「核」と違った「モラルハザード経済」の脅威を意識せざるを得ない。「核」は国際的な問題であるが、「モラルハザード経済」は無能な総裁でかたずけられる問題ではないし、我々が止められることであるが、だれも声をあげない。恐ろしいことです。
日米同盟も同じである。米国の掌の上にあって、米国が何でも面倒を目てくれると信じて疑わないから、日米同盟に胡坐をかき、核の脅威が迫っているが、右左関係なく、米国を信じて疑わない。米国が面倒を看てくれるから、また、米国が戦争してくれるから、憲法改正などする必要がないと、達観している。
経済の赤字も他人任せ、軍事も他人任せ、当事者意識のかけらも見られない。徹底して他人任せ、ここまで達観していればいうことなしか。個人としての大問題は大騒ぎするが、全体の大問題は、見て見ぬふり、個人が意識することがないともいえる。
>>7
情緒ではありませんよ。あなたはとことん倒錯している。サイコパスだ。
>>8
言いたいことをひとつぐらいに絞って主張してもらいたいのですが、「ほっといてくれ」と言われるんでしょうね。それでもりゃんさんだけは分かっておられるみたいに私には感じられます。
オランダが反対、シンガポールが棄権したそうですね。
この二国が(ハナから参加しないのではなく)わざわざ投票に出席して反対したり、棄権したりした理由の詳細を、私はまだ知らないのですが、そのうち詳報されれば、いろいろと参考になることがあるかもとおもいます。両方とも、戦略観のある、立派な国で、豊かで幸福で常識のある国民が多く、国の存立を必死で考えています。
私は今回の件で、「米国追随」との非難を日本が受ける点があるとすれば、「投票に出席して堂々と反対票を投じなかった」ところだと思います。
堂々と反対して、「われわれは二度と核兵器の被害を受けるわけにはいかないのだ。この条約はわが国に対する核の脅威を増すから反対だ」と説明すれば良かったと思います。オーストリアなんぞと違って、われわれは文字通り生存がかかっているのだと言えば良かったのです。これが言えなかったのは、米国への遠慮があったといわれてもしょうがないですね。
オーストリアの外交官の写真があがってましたが、余裕綽々な感じでしたね。彼が悩んで血を吐くくらいには、日本も真剣にこの件でたたかわなければなりません。それができないのは、日本の弱さであり、弱さを直視できないのが他人任せということなのでしょう。