「TPPに参加したい日本」はどのように生まれたか」(4420字)

 
TPPの問題は突然出て来た。菅首相は2011年1月世界経済フォーラム「ダボス会議」で「開国と絆」と題して次のように述べた。
「今、日本は改めて“開国の精神”が求められていると思います。私は今年を“第3の開国”を実現するという目標を掲げました。“包括的経済連携に関する基本方針」を閣議決定し、TPPについて昨年関係国との協議に入りました」
 大変興味ある演説である。TPPに入ることによって、“第3の開国”をしようとするものだ。
 菅首相は“第3の開国”を肯定的にとらえている。
 でも、それでいいのか。
 私は今年7月24日、『戦後史の正体』を出し、9月上旬で、14万部にきた。 
『戦後史の正体』の表紙は軍艦ミズリー号上での降伏文書の署名式である。『戦後史の正体』の表紙の左端に、かすかに星条旗がかかっているのが見える。星条旗の星の数を数えてい