本ブログは、『エコノミスト7・14』掲載「読書日記・暴君ネロに仕えた人物が“怒り”の処し方を語る」を基礎に、加筆、修正したもの。

 私は国際政治を学ぶのに最良の書はナイ著『国際紛争』と思っている。基本的に今日外交・安全保障で考えるべきことをほぼ網羅的に記載している。本書は基本的にハーバード大学での講義を基礎にしたものとみられ、高い水銃を保ちつつ、外交・安全保障を学んだことのない人への入門書ともいえる。彼はこの書の中で、「国家の行動で、20世紀の学者が知っていることで、ギリシア人が知らなかったことがあるか」と記述して、ギリシア古典の重要性を指摘した。それはローマ時代の古典にも通ずる。

セネカはユリウス・クラウディウス朝時代(紀元前27 - 紀元後68年)のローマ帝国の政治家、哲学者、詩人。第5代ローマ皇帝ネロの幼少期の家庭教師としても知られ、また治世初期にはブレーンとして支えた。ストア派