孫崎享のつぶやき
絵画と政治⑥ノーマン・ロックウェル「「我々すべてが共有すべき問題」
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コメント
コメントを書くノーマン・ロックウエルを私知りませんでした。
実を言いますと、前にも書いたことがありますが、米国人の小説が好きなんです。その中でも大衆に好かれたアーネスト・ヘミングウエイが大好きです。この作家はヤンキーの屈折したサイコロジーが好きになれなかったと私は診てます。だからか、彼はジョン・F・ケネデイーと同じくキューバ革命に理解を示してました。
ノーマン・ロックウエルにはアーネスト・ヘミングウエイが有する精神を感じます。私は米国のそういう人物、芸術家が大好きで、そういう人物を生む育てる社会をこよなく愛する者です。
係る画家も知らなかったが、ご解説から米国白人にとって黒人差別問題がタブーである様を改めて痛感させられる。ロックウェルの「我々すべてが共有すべき問題」「ミシシッピーでの殺人」には怒りもこめられているのでないか。歌ではビリー・ホリデイの代表曲「奇妙な果実」等もあるが、この「我々すべてが共有すべき問題」の解決には、歴史を遡らざるを得まい。黒人への偏見、差別、憎悪がどう始まったのかも十分知らねばなるまい。かつて藤永茂氏ブログで知った白人女性作家オリーブ・シュライナーは、小説「マショナランドの騎兵ピーター・ハルケット」(1897)で、当時 南アフリカを極悪非道で占領していた大英帝国 植民地政治家、セシル・ローズの「システム」を勇気を持って、公然と非難した。本の巻頭には まさに「奇妙な果実」の写真が載っている。今読んでいる「岸惠子自伝」にゴリ島/セネガルの「奴隷の館」前で聴かれたという、有名になる前のユッスー・ンドゥールが澄んだ声に怒りを込めた歌を記憶を辿って書き起こされていた-
「ブラック・アフリカには歴史がないなどと、白い人間が与太をほざく...おれらの血を、白人吸血鬼が吸いに来た...ポルトガルや英国から、オランダやフランスから。泣いても叫んでも足かせ手かせの鎖や拷問...ああアフリカよ、ああナイルよ...そしておわりに おれらを奴隷として白人社会へ連れ出す船を運んでいった...」
ルビー・ブリジスさんは超優秀で この小学校に通うことになったらしいが、白人達のデモ「帰れ!」「お前の来るところじゃない!」は1学期間続いたそうだ。時が経ってオバマの時代、大統領執務室の隣室に「我々すべてが共有すべき問題」を飾る際、ブリジス氏は「黒人の仮面を被った」大統領からホワイトハウスに招待されたとのこと。
初めてお聞きする名前なので、略歴などを紐解いた。
画家でイラストレーターであり、解説書によると、田舎町の庶民の哀歓や暖かな人間関係を描いたといっている。
一般的に軽いタッチの明るい市民生活が描かれているが、確かに、The Problem We All Live With(私たちすべての問題)は公民権運動の社会性の強い激しい一面を描き出している。「ミシシッピーの殺人」になると、別人格者が描いたのではないかと勘違いする。
この二面性に違和感があり、略歴を見ると
彼自身が育った家庭は暖かな家庭でなく、大都市の裕福な家庭に生まれた.両親に対して親愛の情を抱くことがなかった。
1953年マサチューセッツ州の牧歌的な田舎町に引っ越した。自然の美しさや穏やかさに惹かれたわけでなく、妻と自分が慢性的な鬱病治療を受けられる精神病院があったからである。
精神的二面性を理解するとき、彼の絵画を簡単に理解する困難さを実感する。
>>4
彼の絵が理解しにくいですか?
貴殿の文章を毎日熟読してます。自民党を否定しない人の心理を私なりに分析するのを趣味としてますからこのサイトは私にとっては貴重です。
ところで、偉大な芸術家には凡な精神の持ち主ではない人が多いように思います。画家ではモジリアニ、ゴッホ、ピカソですか。
日本では作家は普通じゃない人物が多い。芥川龍之介、太宰治、三島由紀夫。画家では裸の王様と国民に親しまれた山下清です。
一方、反戦や人種差別反対を匂わすものは芸術になり得るものが多いと私は観測してます。戦争奨励、革命礼賛では芸術にはなり得ないと私は思ってます。ピカソのゲルニカは筆頭です。何故か?それが分ればいいのですが、なかなか答えが得られてません。
貴殿はいかがお考えになるのでしょうか?
>>5
熟読ですか。
毎度必ず、一ことは言わなければ気が済まないこだわりのある方と見ていましたが、どのようにお答えしたらよいか戸惑ってしまう。
数字をもとにしてコメントする場合は、何を言おうか事前に考えてコメントしていますが、数字をもとにしない場合は、心に浮かんでくることをそのままコメントしています。本来は推敲すればいいのですが、推敲していると時間オーバーになるのかコメント内容がすべてカットされたものが表示されるので推敲していません。従って間違いが多いです。事実に反する場合は訂正するようにしていますが、基本的にそのままです。
偉大な芸術家は、「普通じゃない人物が多い」。しかし、普通ではないが、ひとくくりにくくれない。
同じように自民党支持者といっても、立憲に近いというより立憲より共産党に近い人がいれば、岩盤保守層まで幅が広い人たちが支持しているのです。
リベラルの方たちは、その点を理解しないから、団結というか、一緒に行動しようとしない。己中心の政治の芸術家なのでしょう。
>>6
丁寧なご回答ありがとうございます。