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孫崎先生がおっしゃる<ゾルゲ事件は東条陸相の近衞首相追い落としと深く関係している>がまぎれることない真実だと私も固く思料いたします。ネトウヨはそれを認めたくないので訳の分からない論点ずらしや無意味な不協和音を鳴らして憂さを晴らすでしょう。
当時の東条氏にとっては米国との戦争を回避したいと動く近衞氏は邪魔な存在であったし、だからと言ってあからさまに失脚させるわけには行かず、ゾルゲとの関係を悪用したということでしょう。東条氏は晴れて首相になったあとすかさず刺客を放ち暗殺を策したが、失敗に終わってます。1945年8月15日深夜、刺客が箱根の山荘を襲ったが、近衞氏は不在で不首尾に終わったと戦後その刺客が回顧してます。
東条内閣で商工大臣だった岸氏はウオール街のモーガン財閥と深い関係が在り、A級戦犯でありながら、無罪釈放されてます。近衞氏は対米開戦に反対だったが、自死に追い込まれてます。政治の世界ではよくあることだということでしょうか。
今、中露との関係が超緊張状態です。民主主義のこの国家で自民党の中に近衛的な人物が皆無なのが実に情けないと私は思いますね。ネトウヨはそのことについてどう言うのでしょうかね。
日本にはスパイ防止法がないので、ゾルゲ事件からスパイ事件に関連する間文化的現代の意義を見出そうとし、中国の動向を調べてみた。
①公民挙法危害国家安全行為奨励法は
2014年反スパイ防止法、2015年国家安全法の両方で成り立っており「大衆と路線一体化」を図っている。
貢献度によって4つのクラスに分けた奨励金を支払う。
2015年以降日本人16人を拘束し、9人に3~15年の実刑判決を下した
②2017年北京市国家安全局スパイ通報規制を施行し、10~50万元の報奨金目当てに同年中に5,000件の通報があった。
③2020年香港安全法が施行され民主活動家が逮捕された。
④2022年6月6日には中国国家安全省が国家の安全を脅かす行為を通報する市民を奨励し、最高10万元(約200万円)の報奨金を与える新法「密告奨励法」を交付した
日本には「スパイ防止法」がなく、日本人が一方的に中国で拘束される事態が今後増えていくのでしょう。日本から情報が中国に流れても罰せないが、日本人は中国でかなり厳しい詰問を受けるようになると、国民から不公平感を指摘する声が大きくなっていくのでしょう。どのように解消するか。外交的解決が可能か。ゾルゲ事件を間文化的に考えると、相手が中国であるが、難しい問題を抱えている。
東条が望む対米開戦には、近衛は邪魔だった。
そこで、近衛の追い落としのため、ゾルゲ事件をデッチ上げた。
首尾よく近衛を退陣させ、東條は開戦に突き進む。
しかし、元々勝算など無く、日本人ウン百万人が犠牲となる。
最後は原爆2発落とされ、全面降伏。東條死刑。
ここでゾルゲ事件が無かったとしても、東條側は手段を選ばず、結局 開戦だったのかもしれない。
だが、肝心なことは、国/国民をどん底に突き落とすキッカケとなったゾルゲ事件が、「権力側の陰謀である」と正しく認識されずに今日に至っていることだ。だから、日航123便撃墜事件、小沢事件、カルロス・ゴーン事件、等々、日本の権力による陰謀も後を絶たないのだろう。共通するのは、大方の日本人に事の背景を丁寧に見極めようとする意識/姿勢が無いことだ。一億総「ロシア批判」「ロシア糾弾」「ロシア制裁」、一億総「ウクライナ支援」も その延長線上でしかない。
>>3
なるほど。中国ですか。