孫崎享のつぶやき
物価高、岸田政権は支持率上昇(NHK).英国激しいスト。英国で33年ぶり大規模ストライキ、スナク政権の火種に(日経)。10月に労働争議により失われた労働日数が過去10年以上で最も多かった。民間争議は相当解決。公務員賃上げがば少なく、政府妥協に消極的
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数百万人の英国人が生活水準の低下に直面している-調査
https://www.rt.com/business/568167-uk-falling-living-standards/
物価の高騰、インフレ、失業が貧困レベルを押し上げている、と新経済財団は述べている-
新経済財団(NEF)の報告書によると、英国は現代で最大の生活費危機に瀕しており、貧困ライン以下の人々の数が増加している。
月曜日に発表された調査の中で、シンクタンクは、2024年に現国会が終了するまでに、英国では3000万人が一般にまともな生活水準とみなされる金額を支払うことができなくなるだろうと述べている。
物価の上昇、収入がインフレ率に追いつかない世帯の増加、失業率の上昇が予測されることから、43%の世帯が十分な食料を食卓に並べたり、新しい衣服を購入したりするための資金を欠くことになる、と報告されている。
NEFの計算によると、2024年までに、ひとり親のほぼ9割、子どものいる労働者の5割が最低所得基準を下回ることになるという。平均して、まともな生活水準の基準を下回る人々は、年間10,000ポンド(12,422ドル≒168万円)不足することになる、と調査結果は示している。
NEFのエコノミスト、サム・ティムズ氏は、「10年にわたる削減、凍結、上限設定、行き当たりばったりの制度変更により、英国は、世界的にも、英国の歴史においても、先進国の中で最も弱いセーフティネットのひとつとなった」と書いている。「何百万もの家庭が、避けられるはずの困窮と苦難の中に すでにあったが、...低所得家庭の日々の暮らしはさらに絶望的なものになるだろう」
公式発表によると、英国人の22%が現在、世帯収入の中央値の60%以下で生活しており、貧困ライン以下であるという。
これからが本番です。ドル離れ、ポンド離れ、ユーロ離れ、円離れが非米グループ諸国で進んで行くので、G7は深刻なスタグフレーションに覆われるでしょう。
深刻なスタグフレーションを避けるには露中との敵対関係を解消することなんですが、G7の大衆がそのことに気付くことは無いでしょう。何故なら、G7の言論空間は米情報部によって厳しくセンサーされているからです。
日本人は特に大メデイアに騙されやすい。「欲しがりません勝つまでは」が懐かしく思い出されます。
ところで米情報部の上部構造は軍産複合体、その又上にFRBがあります。私の推測ですが、FRBは自分らの取った金融政策のシクジリを何とか乗り越えるには新しいドル体制に移行させることが不可欠だと確信するに至り、来るべきスタグフレーションを移行のための千載一遇のチャンス到来だと見ているようです。因みに、米国から私のところにやってくるメールの約半分は新しいドル体制についてですから、米国の中流の人々が資産の目減り対策に追われて大変なことが推察されます。
RT 13 Dec, 2022
英国の政治家は「プーチン恐怖症」を使って反対意見を退けている
https://www.rt.com/news/567835-uk-nurses-message-putin/
「プーチンにメッセージを送る」ために、英国の看護師は、賃金改善の要求を取り下げなければならないと、ある大臣が発言した-
政治アナリスト ティムール・フォメンコ記
英国の看護師は間もなくストライキに入る。この予定された(公共サービスの)途絶は、この国を覆っている労働者の不安の波の一つに過ぎない。賃金の減少、GDPの停滞、高いインフレに悩まされる英国の労働者は、当然のことながら不満を持っている。
しかし、この国を動かしている政治家たちは、別の考えを持っている。保守党の議長で内閣府大臣のナディーム・ザハウィは最近、ストライキに参加する人たちをロシアを助けることになると非難し、次のように述べた。「今こそ団結し、プーチン氏に我々はこのような形で分裂するつもりはないという明確なメッセージを送る時だ」と。
この発言は一過性のものではなく、実は政府の政治家たちが、国の生活水準の低下をロシア大統領のせいにして、ウクライナのために英国民に苦難に耐えることを要求するという日常的なことの一部であった。失脚したボリス・ジョンソン元首相が8月に述べたように。「ウラジーミル・プーチンの悪事のために我々がエネルギー料金を支払っているのなら、ウクライナの人々は血で償っているのだ」と。
パターンは非常に明確で、不満を示す人は誰でも、「我慢して黙れ」と言われる羽目になるのだ、ロシアに対抗するために。なぜなら、本当にすべてプーチンのせいだからだ━これは、政府の政策や国の経済状況に対する批判に対する主要な反論になっている。英国人は、自分たちと無関係の紛争のために恐ろしい犠牲を払うことを期待されている。この国のばかげたレベルのロシア恐怖症が、いかに政治家が国民を愚弄することを許しているかを示している。
英国では、ウクライナへの支持は旧ソ連圏以外の欧州で最も狂信的なものである。フランスやドイツなどの一般国民はそうでもないようだが、英国はイデオロギー的な動機からロシアとのゼロサム対決を受け入れ、その過程で米国の主要な後ろ盾となったのである。その際、英国政府は、ロシアのエネルギー供給に「直接」さらされることが少ないため、大陸国家と同じように紛争の影響を受けないという誤った仮定をいくつもした。
これが仇となった。市場は需要と供給に基づいて運営されている。したがって、ある供給源から製品Xを買わなくても、その製品全体の供給が縮小すれば、価格を押し上げるという影響を与える。つまり、ロシアのガスを買わなくても、英国はエネルギー危機に見舞われ、インフレ率が急上昇し、技術的不況に陥ったのである。このため、鉄道員、郵便配達員、看護婦など、次々とストライキが発生した。
そして、この状況に直面した英国の政治家たちの本能はどうなっているのか。そうだ、ロシアのせいにするのだ。さて、これは2016年に集約された、今回のロシアの軍事作戦の前に開発された政治戦略からきている。主流の政治家たちは、いわゆる「ロシアの干渉」という厄介者を使って、自分たちが不服とする政治的成果を悪質な外国からの影響の産物として退けることができることを学んだ(特に、ドナルド・トランプとBrexitについて)。このような物語は、指定された敵対勢力の範囲と能力を大幅に誇張するだけでなく、そもそもその政治的結果を招いた英国自身の社会経済的失敗と不平を意図的に塗り潰すものである。
そのため、英国の政治家にとっては、A)ロシアのせいだ、B)ロシアを助けることになる、と言って自分たちの嫌いな政治的発展を否定したり反対したりすることは、この機に便乗した、手が届く所に生った果実となっており、まるで統治政策に何の問題もないかのようだ。たまたまウクライナ紛争の出現によって、保守党政権がこれを行うのがこれまで以上に容易になったのである。英国民は、キエフ政権のために、自国の経済がその過程で崩壊しても、どんな請求にも応じ、どんな犠牲も払い、何にも文句を言わないことを期待されているだけである。
もし英国人がそのような結果を喜んで受け入れるとしたら、それは彼らがこの一方的で操作的なレトリックに騙されることを許したからである。ロシア恐怖症は、英国人の政治的盲点となっており、事あるごとにロシアを狂信的に敵視する指導者によって作り出されたものである。
物価高の影響は、英国だけでなく、米国もフランスなど多くの国の報道が伝えている。日本などは影響が緩和されており、NHKなどの調査では支持率が増えている。
世界経済への大きな影響は米国と中國である。米国は伝えられているように、金利利上げが続いており、消費動向は下がらない強さを示しており、円安が継続している。日本では輸入業者は影響が大きくなっているが、輸出業者とか、旅行、飲食などサービス業はコロナ前の6~7割に回復しており、海外各国のように大きな影響を回避できそうである。
一番大きな経済的影響は中国であり、中国との取引が大きい国は、中国の影響をもろに受けてしまう。ゼロコロナ政策は放棄せず、様々な規制を解除しており、感染者数の把握ができないような状況下にあり、医薬品を求める人々の行列を見ると、医療施設などが不十分な状況下で、感染者数が多くなれば行政の再規制などできないのでしょう。不動産は大幅に価格が下がっており、消費が大きく減っているようであり、日本が長期わたって苦しんだ悪循環に見舞われるのでしょう。国内消費を不動産以外で上げるのは並大抵のことではなく、長期的不況の荒波に遭遇するとき、日本の企業は、数量は大きいが利益が薄利の中國ビジネスの在り方を見直す機会になっているとみるべきなのでしょう。
>政府は、要求された賃上げは手の届かないものであり、インフレに合わせて賃上げを行うことは問題を悪化させるだけだと述べている。
経済学的には、そのとおりかな、と・・・。
なに、貴様!労組役員だったとか、言っておったのに、何たるテイタラク!というお叱りが聞こえてきそう・・・。スミマセン。スミマセン。
私は堕落した労働貴族のダラカンなので、経済闘争にはあまり関わってきませんでした。
闘争といえば、専ら反戦平和、反差別人権でした。
その上で、なのですが、上記の記事には書かれていない重要なポイントがあると考えるのです。
>ストが多業種に連鎖しているのは、長引くインフレで食品などが値上がりし、国民生活が厳しくなっているためだ。ロシアによる2月のウクライナ侵攻でエネルギー価格は世界的に上昇した。
とするならば、これは政治闘争即ち反戦平和闘争と結合させるべき、ということが私のイメージです。
スローガンは、政府はウクライナに武器供給するな!ロシアに経済制裁するな!戦争やめろ!我々にパンと自由を!みたいなカンジはどうでしょうか?
自らの生活安定とロシアウクライナ戦争和平を結合させた時に、文字通り労働者に国境はないという国際連帯が立ち現れてくる。その時、私は、万国の労働者、団結せよ!と叫びたくなるでしょう。
最早、労組を歯牙にもかけない状況の極東の島国に於ける、「自嘲左翼」の夢想であります。
>>4
今日のテーマは物価高にどう立ち向かうかです。物価は貴殿もご存じのように財の供給とその需要でマッチするところで決定します。個別財の世界の需給、そしてその需給に影響されて日本の需給が構成され日本の物価が決まって来ます。
米国が仕掛けたウクライナ戦争はロシアの輸出品は買わない。つまりボイコット宣言です。ロシアの主要輸出品の代表格は天然ガス、金だと言われてます。米国の支配国であるG6はそのボイコットを強いられ、塗炭の苦しみに喘いでいるのです。当然日本も例外ではない。エネルギーは暖房用だけでなく生産コストを跳ね上げコストインフレの要因にもなるのです。
米国は更に中国にも経済締め付けを始めてます。でも、中国はロシアが輸出できない財を殆ど全て生産し世界中に供給されてます。それを輸入しないとなると、物価は更に急激に高騰するのです。半導体なんかでお茶を濁す程度だとまだ許されるかもしれませんが、一般財の輸入を規制するとなると日本は立ち行かなくなるし、中国市場に輸出するのを生業にする人々は食べていけなくなるんです。
中国とロシアを敵に回すことは米国にとっても日本にとっても西欧にとっても財の供給がストップすることを意味し勝ち目がないということです。1940年に食料品と石油が米国から日本に売られなくなり日本は配給制度に陥ってしまい、惨めな敗北を喫しました。中露VS米国の戦いは財の供給を中露によって絶たれてしまい米国の負けでしょう。実に簡単な数学だと思います。
自民党はそれを知っていて、日本の外務大臣が中国の王外交部長に会って話すらしいけど、その目的は表は親米、裏は親中露だということを暗に知らせる為だということでしょう。自民党は貴殿みたいな親米嫌中一色ではない。実態としては何でもありの鵺みたいな政党だと私はとらえてます。