お花の写真をX(旧ツイッター)にアップする。これが私の一日の始まりだ。
例によって走り過ぎで親指の付け根が通風状態になって痛くて走れなくなる。そして二―三週間ほどたって、歩き始める。こうした中で、家内と北の丸公園を歩いていた時に泰山木の白い花を見た。木は10メ―トル以上の大木である。そこに大きい白い花が「堂々と」咲いている。写真に撮ってXにアップした。この日以降、散歩の途中に見つけた花を毎日アップしている。
当然花への関心が始まる。本屋でこの本を手にして買った。本の宣伝を見てみよう。「24歳、ブラック企業勤務。身も心も疲れ果てていた紀久子が深夜のファミレスで出会ったのは、外島李多と名乗る女性だった。彼女は「川原崎花店」という花屋さんを駅前で営んでいるらしく、酔っぱらった勢いで働くことに。やたらカレー作りがうまい青年や、おしゃべり好きの元教師、全体的に適当な李多。バラエティに富んだ従業員と色とり
孫崎享のつぶやき
本・感想、山本幸久著『花屋さんが言うことには』人生を歩む中でひっそりと応援を欲しい人、その方々には「良かったよ」と」言ってもらえる本と思う。
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コメント
コメントを書く「花屋さんが言うことには」を不特定多数の人に置き換えても同じことが言える。
「夢をかなえる」ということにおいて、だれでも多くの人に生かされている。
取り巻く人と無関係に生きている人はない。人情あふれる人間関係の輪を広げて生きている。
今年の中学入試に出された本でもあり、人生において自分を見つめる教訓的色彩を持っている。
振り返ってみると、私は書物に助けられ、支えられてきたと思う。
応援というのは他者から受けるものだろうし、人は他者から支えられているものだ。だから、私も家族や先輩、有人、知人などにひとかたならぬ支えや応援を得て今日に至ると考えているが、言葉によるメッセージとか困難に立ち向かった際の声援、となると具体的にこの場面、みたいな鮮烈な思い出がない。
これはひとえに、私自身が高い目標設定を避け、身の丈にあった日々の積み重ねに明け暮れてきたからであろう、と思っている。要するに、平々凡々たる歩みを続けてきた。社会人になれば、求められる職責や社会的役割を一定の水準でこなしていれば、安定した生活は得られるものだ。「ほめられもせず、苦にもされず」ということを人生の指針にすれば、存外に荒波を回避できるものではないか、そんな人生訓めいた感慨すら覚える今日この頃である。
学生時代からサヨクを自認しつつも、「就職」せずに活動家を続ける先輩方を横目にアッサリ就職し、大組織に職を得て、冒険しないほどほど人生をモットーに生きてくれば、人から声援を受ける機会にも恵まれることはなくなるもの。
こう書くと自嘲っぽいが、単に客観的に書いてみただけで、正直、今が一番気楽でいいなぁ、というのがホンネである。
ほめられもせず、苦にもされず、そうであったなら、十分である。
といっても、小さな波やさざ波に足許を取られることもある。心身や環境の変化がメンタルに作用することもあるだろう。私も男の「更年期」だろうか、なんだかわらないが、鬱々とした気分が晴れない日々が続いたことはあった。
といって、夫・父親たるもの家族に悩みをぶちまけて、応援ヨロシク!みたいにスナオにジブンをさらけ出すことはムズカシイ。私は、家父長制や権威主義に反対するサヨクを自認してはいたが、さりとて己の弱さをさらけ出す率直さはなかった。陰々滅々とした複雑系の心理状態であったろう。
そんな時、書物は人生の伴走者。人生の応援団のようなもの。書物には本当に支えられ、助けられたと思い返している。私は、常々息子、娘には本を読むよう諭してきたが、それは私が確信を持って伝えられる人生訓の一つである。
記事タイトルから過日ご紹介の「とわの庭」が頭を過ぎった。あの本も良かったので、この本もそうでないかと期待できる。だが、どちらも、心に響くものを感じるのは、特に「希望がない人/逆境に置かれている人」だとすると、こうした本が売れてしまう日本社会は、やはりダメ社会なのだろう。日本の若い世代の「生きづらさ」が言われるようになって久しいが、2年前、とあるアンケートから「日本の若者がいかに将来を恐れているか、彼等がいかに将来の職場で悪い状況を予期しているかが分かる」と外国の友人から聞かされた。事態は今尚いくらも改善してはいまい。更に、事は今や若い世代に限った話でない。
> 望んでいた方向でなかったであろう。
才能、血統に恵まれた極一握りを除けば、皆、「望んでいた方向」から多かれ少なかれズレた仕事に甘んじる他ないのが現実だ。能力があっても、上と衝突すればカンタンに報復人事に遭うのも日本の特徴でないか。そうして「フツーの人間が、フツーに仕事して、フツーに遣り甲斐を感じることが、何故フツーに実現できないのか」というストレスが溜まってくる。しかし、「もう、やってられねーよッ!」と言ったところで、食い扶持を得るには諦めるしかない...そこへAIが出てきた。ついに働かなくても食べていける、好きなことができる時代が到来するのだ!―と思ったら、違うらしい。AIに仕事が奪われるのだという。そうしてスッテンテンになっちまうと。何かが間違ってる。