進藤栄一氏は最近『アジア力の世紀』を出版された。その中のTPPに関する部分を紹介する。
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マイケル・ムーア監督は、映画「シッコ」で高額医療保険制度で崩壊した米国の医療制度の現実を描き出した。映画の冒頭は、事故で膝に大けがをした中年男が、無保険で医療費が払えないため、自分で傷口を縫う衝撃的シーンから始まる、続いて、テーブルソーで指を2本切った中年男が、接合手術に中指6万ドル、薬指1万2千ドルするといわれ、薬指だけを選ぶシーンが登場する。
この現実を見た上で、何故私達はTPPによる規制緩和によって、米国流医療保険制度を日本に移植すべきなのか。疑いもなく米国は、医療保険分野の規制緩和によって、混合診療制度と医療株式会社化とを認めさせようとしている。狙いは無論、豊かな消費人口を持つ日本だ。
ここで混合診療とは、保健医療と、全額自己負担となる
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米国は世界一の大国であり、平均的な国民生活レベルはダントツのレベルにあることは疑いようもないが、長らくそこに住んでみると、底辺に蠢く庶民の生活の低さは途上国の平均的生活レベルを下回ることがわかる。しかも一方では、コンピューター、インターネット、遺伝子科学、原子力発電、航空機等々の科学技術、商業映画における創造性など、文明の旗手的な存在である。(原発はマイナス面だけで解釈されるべきでなく、新たなエネルギー源の開発という偉大な業績である。)だからこそ、日本人はその総意としてアメリカに従っているのである。今の中国には日本人が新たに学ぶべきものは皆無であり、ヨーロッパ全体もその良いところを全部アメリカに吸い取られてしまっており、彼ら自身がアメリカを批判する一方で、アメリカから文明をおすそわけされている状態である。日本としては、アメリカに従い、協力し、しかも日本自身が持つユニークな長所を充分意識して失わないように心掛け、アメリカ社会の持つ負の部分からはできるだけ身を引くように心がけるべきである。なぜデトロイト市が破産するまで放っておいたか、そこには様々な社会構成要素の身勝手な企みが存在したからであり、明らかに米国社会の失敗以外の何物でもなく、日本国民にとっては反面教師の役しか果たしていない。学ぶべきものを学び、毒物にはさわらないようにしよう。日本の国民健康保険制度は断固としてまもらなければならないのは当然である。
TPPは、米国が豊富な金融資産等を喰いものにしようとしているだけのこと。日本の医療制度、農業、金融資産等々・・・。騙されるな日本人。
原発再稼働反対・憲法96条改定反対・TPP参加反対・消費税大増税反対・沖縄基地建設反対
1.棄権しない
2.自公みんな維新に投票しない
3.民主に投票しない
参院選三原則
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2013/07/post-ab36.html 植草一秀の『知られざる真実』
「これまでの」日本の論理→共同体内部の平等重視。年金、医療、生活保護を整備して「可哀そうな」人も維持。合理的じゃないから心情(ムード)次第。しかし一応は存在する社会保障。
「これからの」日本の論理→共同体外部への無関心と米国信仰。上流、下流のムラで断絶。上流のムラ連中は好き放題に川(国富)から水を引き肥え太るが、下流は飢餓に陥る。エリツィン時代のロシアを髣髴とさせるディストピアであるな。
今のラテンアメリカ諸国がどうして軒並み反米政権になっているのかといえば、すでに90年代、まさにTPPと同じようなやり口で米国らの外資に自国の資産がペンペン草も生えなくなるほど好き放題に食い荒らされ、ついに大衆が怒りの狼煙をあげたからだ。そして、ラ米で通用しなくなったから、米国は餌場を日本に求めて同じことをやろうとしている。
戦争にしても、ベトナムでも懲りずにイラクへ。イラクでも懲りずにアフガンへと、愚直に同じ誤りを繰り返す米国。頭が悪いんじゃないのか。
TPPについて、せっかくだからラ米諸国の政治家/識者でも取材して自国で起きたことを基に日本への助言などを求めてもよさそうなものだが、米国ベッタリのメディアにそんな器量は毛頭ないだろう。
「上流、下流のムラで断絶」なんてことが簡単に起きるはずがない。現実はもっと複雑だ。「米国信仰。上流、下流のムラで断絶。上流のムラ連中は好き放題に川(国富)から水を引き肥え水を引き肥え太る」なんてことも起きるわけがない。被害妄想にすぎない。まあ、自分で自分を不幸だと思っている連中はいつの時代、どんな人間社会にもいる連中で、絶えることがないのは真実だから、相手にはできないが。