ロシアの巨匠ニキータ・ミハルコフ監督による、『太陽に灼かれて』『戦火のナージャ』に続く大河ドラマ3部作の最終章「遥かなる勝利へ」が今、東京の映画館にかかっている。
結論を言う。「私はとても好きだ」
でも「日本ではヒットしないだろう」。
多分この映画を見るには、『戦火のナージャ』をみておく必要があるのでないか。あくまでも三部作の完結編である。理解する度合いが違う。
『戦火のナージャ』は一作目の『太陽に灼かれて』を知らなくても十分感激できる。何故これが日本でヒットしなかったかが不思議なくらいだ。
主人公は国民の英雄となっていた将軍がスターリン下の粛清で殺されかける。これをかいくぐり生き残った。生き残る様を描いたのが『戦火のナージャ』である。
この第3部では、かつて殺すことを命じたこの男をスターリンが呼び出し、新たな任務を与える。政治家スターリンの凄さを描
コメント
コメントを書く「私はソ連で生活した。ソ連社会で息してきた。」この文章に感動してぐっとこみあげてくるものをこらえています。
息してきた・・・ソ連社会が近くに感じるから不思議です。ソ連社会、孫崎さんが息していた場所として映画をみてみます。
勧善懲悪は、体制の理念。
敵味方の峻別は、体制維持装置。
変わらないのは、どこの国に生まれようとも、同じ人間であり、同じ様に年を取り、同じ様に食事をし、同じ様に恋愛をし、同じ様に結婚し、同じ様に病気もし、同じ様に時が来れば死んでしまう。
同じ「苦」を背負った人間であるのに、何故、私達は、体制のいうままに信じ、近隣の文化の先人である中国、韓国を毛嫌いするのであろうか。彼らが、私達にどのような悪いことをしたというのでしょうか。私には全く分からない。体制の口車に乗せられてはいないか、自己問答しています。
権力=殺人機構という等式を発見したのはカフカとアガンベン。先日、若い時に観た「灰とダイヤモンド」を懐かしく思い出し、原作を読みました。ソビエート権力のいかがわしさ、恐怖、属国ポーランドの権力のいやらしさ、恐怖、を改めて知ったところなので、是非ご推薦のロシア映画を観てみます。
今月から参加の新参者です。よろしくお願いします。
政治的な視点だけじゃなく、文学的な素養がある人間を尊敬しています。いろいろとこれからも教えてください。
外出できない私は映画をみられませんがDVDがでたら、買ってみましょう。背骨のとおった人たちの行動をみたい。日本の軟体動物にはウンザリ。