北海道新聞9月1日社説「新安保法制 広がる反対運動 首相は民意受け止めよ」

安倍晋三首相の耳に、その声は届いただろうか。

 安全保障関連法案に反対する人々が8月30日、全国で一斉に声を上げた。

 国会周辺では、主催者発表で約12万人が参加した。関連法案反対のデモとしては、これまでで最大規模である。

 主催者によると、デモなどが行われたのは全国200カ所以上に上る。道内でも札幌や旭川、函館、帯広など30カ所以上で署名活動や抗議行動が行われた。

 関連法案反対の民意は地域や世代を超えて大きく広がっている。

 政府・与党は法案が「誤解されている」とし、あくまで9月中旬の成立を目指す構えだ。

 だが反対運動の広がりは、法案への誤解や無理解ではなく、むしろその危険な本質への理解が進んできたためだろう。

 各種世論調査でも反対が賛成を大きく上回っている。首相は民意を謙虚に受け止