8月5日(土)に第2回文化レクリエーション(以下、文化レク)を開催しました。浅草演芸ホールでの「寄席:夏休み特別公演」の鑑賞です。当日はどちらかと言うと曇天気味。東京らしい蒸し暑さは避けようもないですが、会場に向かうまでの間、雷門を通るとたくさんの外国人観光客に会いました。観光スポットとして完全に定着感があって、旅行者も物珍しさに楽しそうにシャッターを切っておりました。人力車も流行っているようで一度乗ってみたいなと思います。「お高いイメージ」もありますが、どうなんでしょうね。
 
 さて、文化レクについてですが、今回の鑑賞は「法人予約」で席を予め押さえておくことができました。会場を見渡すと予約(団体のみ可能)で仕切られている席も多く、法人のメリット(予約・割引)を感じられます。この日は特別興行ということもあってか、開場前から長蛇の列が出来ており人気の高さが窺えます。年齢層は高めということになるでしょうが、よく見ると万遍なく各世代が見に来ているようでした。外国人もいましたが、寄席独特の話法や言い回しまで理解できるのかなと気にもなったり。これは小学生等の子供にも言えることでしょうけれど、余計なお世話かもしれませんね。
 予約時にセットで注文できる明治屋さんのお弁当も込みで文化レクの設定とし、11時の入場で退場は16時30分でした。その間、基本的には会場の外に出ることはできません。お弁当は上品なお味で、世代を問わず楽しめる内容ではないかと思いました。入場時に人数分をまとめて渡されて、食べるタイミングは客の自由です。その間も噺はどんどんと進んでいきます。周りを見るとお酒やビールを飲んでいたりする人もいて、想像以上に自由度の高い空間なんだなと感心しきりでした。

 私自身は寄席に行くのは初めてで何もかもが新鮮。基本的に座りっぱなしで15分交代の噺家の言葉に耳を傾けるわけですが、噺が始まってからテーマに引き込まれるまでのスピード感には驚きました。寄席における「噺」は何も言葉だけのことではありません。ボディランゲージとでも言うのでしょうか、噺家の身振り手振りが語りに立体感を与えて迫ってくるのです。聴き手である私たちも耳目を集中させながら場を味わっていく。一人当たり15分という時間も間延びしない絶妙な設定であるように思われ、長年かけて培われた「落としどころ」でもあるのかなと感じもしました。
 寄席は単に伝統維持という面だけでなく、時代背景を背負いながら洗練されてきているとも考えられます。落語の他、漫才、漫談、マジック、バンド演奏などもあって客を飽きさせない工夫が随所に見られました。鑑賞前はもっと伝統的な手法で固められているイメージを抱いてましたが、しきたりよりも「客を喜ばせる」という原点を軸に多様な催しを取り込んでいて、古くから続く庶民の娯楽の担い手としての矜持を目の当たりにした気分でした。

 会場を出ても心地よい充足感みたいなものが心身を満たしているように感じられ、ちょうど本会のコンセプトでもある「未知に触れ、文化と呼吸する」というのを地で行ったなと思った次第です。またいつか寄席を文化レクとして設定して、より多くの会員さんと訪れてみようと考えながら浅草を後にしました。


※第2回文化レクリエーションのアセスメント結果は https://musiumart.or.jp/assess/3 で参照できます。



-浅草演芸ホール入口付近-
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-入場口正面案内-
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-窓口に鎮座する猫-(本会宛の領収書を受領)
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