令和になって初めての文化レクリエーションは、劇団四季(以下、四季)のミュージカル鑑賞です。昨年度から開催を検討していた企画が実現し、上半期の文化レクの目玉行事となりました。実施にあたって様々なご配慮を賜りました関係者の方々に改めてお礼申し上げます。 

 今回観た『パリのアメリカ人(以下、パリアメ)』は、1951年公開のアメリカ映画『An American in Paris(邦題:巴里のアメリカ人)』をベースとして2014年にパリで舞台化、ブロードウェイを経て2019年の今年、四季によって日本で上演されることになった作品です。 
 四季というとロングラン中の『キャッツ』や『ライオンキング』を思い浮かべる方が多いかもしれません。そのため、関係者の方が『パリアメ』を薦めてくださったと聞いたとき実は少し意外な気がしました。でも、それ以前から電車内の動画広告で毎日のように目にして気になっていた演目でもあったので開催当日がとても楽しみでした。私はレクに参加するとき何かしらその回のテーマに関するアイテムを持ち物や服装に取り入れることにしているのですが、ハイヒールで軽やかに踊る動画広告のワンシーンを思い出しながら、いつもより5センチ高い靴で出かけることにしました。会場は横浜市にあるKAAT神奈川芸術劇場。晴れ女が多いMAAにしては珍しく小雨まじりの空模様でした(『パリアメ』だけに、やっ ぱり 雨…なんて言ってませんよ…)が、灰色の雲の下、入口の大きな青いポスターの鮮やかさが映えていました。

- MAAのコーポレートカラーと同じ黄色のドレスが眩しく -
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 ホールに入ると上階の両サイドにはバルコニー席があり、観劇の期待感を高める独特の雰囲気を生み出しています。客席がやや急な傾斜になっているのは舞台で踊る人の足元がよく見えるようにするためだそうで、座席は前列と半分ずつずらして配置されており背の高い方が前の席に座っても気になりません。ミュージカルや演劇公演に特化して造られたホールというだけあって、とても心地よく過ごせる空間でした。 

 『パリアメ』は、第二次世界大戦直後のパリでヒロインと3人の若者がそれぞれの夢に向かって懸命に生きる姿を中心に物語が展開します。開演前の舞台上には1台のピアノがぽつんと置かれているだけでしたが始まってしばらくすると、まずプロジェクションマッピングによる背景演出の素晴らしさに息をのみました。そして、物語が進むにつれて繰り広げられる歌とダンスに手や足が自然にリズムをとっています。台詞や仕草、華やかな衣装にも引き込まれながら、その途中でふと気づいて驚かされたのはどんなに飛んだり跳ねたりしても靴音が響かない軽やかさと、息ひとつあがっていない安定感。第一幕が終わったあとの休憩時間にそれがどんなにすごいことなのか、会員の方々と語り合ったりしました。 

 第二幕では、その「靴音がしなかった」第一幕と好対照を成すようなタップシーンが圧巻です。一糸乱れぬラインダンスは四季の主要作品の一つである『コーラスライン』を想起させ、長年日本のミュージカル文化を培ってきた劇団の真骨頂を感じることができました。主要部分を占めるクラシックバレエ。劇中で“上演”される新作バレエと、その背景にある絵画。喜怒哀楽を伝える丁寧な台詞や、ウイットに富んだ言葉遊び。そして今なお色褪せないガーシュウィンの音楽。作中に散りばめられた大小すべての要素はさまざまな分野の芸術文化にかかわるもので登場人物も各々の道を目指す、あるいは支援し理解する人たちです。それらが物語に奥行きと輝きを生んでいることを感じながら気が付きました。あ、音楽や美術が有機的に交差する『パリアメ』は、「Music, Museum, Art」を結び付けた「Musiumart」という名で活動を続けている私たちにぴったりの演目ではないか、と。この作品を推薦してくださった関係者の方にそんな感謝の気持ちを抱きつつ、舞台は幕となりました。 

 そして、ここからが舞台芸術のもう一つの魅力。そう、カーテンコールですね。俳優の皆さんが役のままのようでいて、でも素の表情も覗かせながら客席の拍手に応えてくれる、みんなが笑顔に包まれるひと時。この一瞬の笑顔の向こう側にどれだけの努力と鍛錬の日々があるのだろうと想像すると、拍手にも思わず熱が入ります。ちゃんと数えはしなかったのですがこの日のアンコールは5、6回は続いたでしょうか。最後は私たちもスタンディングオベーションで、素晴らしい時間への感激を伝えることができました。いつもより少しだけ高い靴を履いて新しいステップを踏み出してみよう、そんな思いにさせてもらえた舞台でした。 

 『パリアメ』は今後も全国各地での上演が決まっています。四季のサイトではいろいろな関連情報が公開されていますが読んでから観ても、観てから読んでも、その感動は変わらないでしょう。四季にはほかにも数々の素晴らしいナンバーがあるので、MAAでは今後もミュージカル鑑賞を定番のレクにしていければと考えています。(記:パピルス)

公演日ごとにキャスト発表 -0b713da6018c80227ba3f88eeff1ef25c19e496e

- グッズなど -
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- 返金式ロッカー -
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- MAA集合写真 -
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- 横浜中華街を練り歩く -
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- 食事会場(重慶飯店) -
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