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2023/08/29
夏野剛メールマガジン 週刊『夏野総研』
vol.547
【ドンキ大躍進の裏にある「ジャングル戦略」】
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《目次》
01.時事ネタキュレーション
02.先週の出来事
03.Reading the world
04.Q&A
05.Product Lab
06.Good Food Good Life
07.ビジネスモデル分析のバックナンバーをピックアップしてみた
08.編集後記
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【01.時事ネタキュレーション】
未来を読むためのニュースを、私がキュレーターとなって解説していくものです。
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【国内ニュース】
◆性的同意アプリ「キロク」、予想超える反響で配信延期 社名&監修弁護士「非公表」に懸念の声も...運営実態は
https://bit.ly/45swvfJ
〈要約〉
性的同意アプリ「キロク」の配信発表が話題に。このアプリは不同意性交等罪の新設に伴い開発され、弁護士が監修。
しかし、公表されていない社名や弁護士の名前に疑問の声も。配信はセキュリティ強化のため23年内に延期。
〈コメント〉
ネットでは大不評のようだ。
これは男性側からの強い要望か、それとも女性側もこのような手段を求めていたのだろうか。
いずれにせよ、このアプリが扱うのは非常にデリケートな情報。
データの漏洩や不正利用が起きた際のリスクは計り知れない。開発側のセキュリティ対策はもちろん、ユーザーとしても十分な注意が求められる。
そういった意味でも、なかなか使う人はいなさそう。
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◆日本は「忙しそうに見せるだけの無駄な仕事」に時間を費やしている国トップ3に入ることがSlackのレポートで発覚
https://bit.ly/47SEvIs
〈要約〉
Slackの調査によれば、インド、日本、シンガポールの従業員は、生産的な仕事よりも「見た目だけ忙しそうに見せる仕事」に多くの時間を費やしていることが判明。
特にインドは43%と最も高く、日本は37%で続く。
〈コメント〉
日本の職場の特徴ともいえる「形の上の仕事」。これまでの感覚や経験からも何となく感じ取っていたことではあったが、今回のデータによってその現実が明確に浮き彫りとなった。
まさに日本の職場文化を象徴している。
ところで、驚いたのは、日本を上回る割合で「形の上の仕事」に時間を割いているインドがトップだったこと。多様な文化や背景を持つインドの職場環境は興味深い。
いずれにせよ、ただ「忙しそうに見せるためだけの仕事」に多くの時間を費やしている現状は、個々のキャリアアップや企業の持続的な成長に繋がらない。
このブロマガの読者さんが、そうではないことを祈る。
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◆アルゴリズム分析で「売れる本」量産、83億円調達のAI出版社日本上陸へ
https://bit.ly/45NOuNk
〈要約〉
Inkittはアマチュア作家が投稿する小説をAIで分析し、ヒット予測される作品を有料アプリGalateaで公開するスタートアップ。
コロナ禍での読者増を背景に約83億円を調達。創業動機は伝統的出版の失敗から。Sapir Englard氏はInkittでのデビュー後、約20億円を稼ぎ、日本進出も計画中。
〈コメント〉
こういうアプローチがあってもいいと思う。
伝統的な出版の持つ「勘」や「センス」の価値を過小評価してはならないが、データドリブンの手法を取り入れることでヒットする作品を事前に見極めるという試みはおもしろい。