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■久瀬太一/8月24日/15時45分
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
バスはまだ走り続けていた。 なにもない、まっ白な景色の中を、ひたすらに。「ここはどこなんだ?」 とオレは尋ねる。「まだどこでもない」 ときぐるみは答える。「そろそろオレは、目を覚まさないといけない」「どうして?」「みさきのところにいかなくちゃ」「でもさ、君が間に合ったとして、本当に彼女を救える...
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■佐倉みさき/8月24日/13時05分
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
数度のコールで、電話が繋がった。 私はスマートフォンに向かって、尋ねる。「あの、すみません。久瀬くんは、無事ですか?」 その時。 背後で、ドアが開く音が聞こえた。 思わず振り返る。 あのメガネだ。「なにをしているんだ」 と彼は叫ぶ。 そのお蔭で、少しだけ、意識がはっきりした。 なにか迷いのよう...
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■佐倉みさき/8月24日/13時
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
じっと、床をみていた。 なにをすればよいのかもわからなかったし、なにかをしようという気にもなれなかった。 ――と、ふと。 視界のすみに、白い、銀色の何かが落ちているのがひっかかる。 ――スマートフォン? あの眼鏡が、先ほど殴り倒されたときに落としたものだろうか。 少し、悩んだ。 私はどこかに電話を...
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■佐倉みさき/8月24日/12時45分
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
あまり時間の感覚がない。 胸がじくじくと痛くて、それをこらえようと目を閉じているあいだに、周囲の状況が変わっていた。 私はどこか、部屋のかたすみにいる。 隣でふたりの男が会話している。 一方はニールだ。 もうひとりは、久瀬くんを刺した、あの眼鏡の男だ。 ふたりは何か口論している。「悪魔をメリー...
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■佐倉みさき/8月24日/12時30分
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
手足をしばられ、黒い車に詰め込まれた。 後部座席だ。運転席には昨日、久瀬くんを刺した眼鏡がいた。 私はうつむく。その男が憎くて、どうしようもなく憎くて、なのに睨みつけることもできないで震える。 隣にニールが座った。 窓ガラスの暗い色合いで、外から車内の様子はみえないのだろうとわかった。 車で運...
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■佐倉みさき/8月24日/12時
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
何度もフラッシュバックする。 昨日の、久瀬くんの姿だ。 私は膝をかかえて震えている。 まるであの、クリスマスパーティの日みたいに。 ――助けて。 と誰かにすがる。 誰に? 久瀬くんに? まさか。 彼は私を助けるために血を流したのだ。 私がいけないのだ。私が彼を不幸にしたのだ。私が、悪魔だ。 悪魔...
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■久瀬太一/8月24日/11時
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
目を開くと、いくつものオレンジ色が、順にオレを照らしていた。 見慣れたトンネルだ。 バスの最後尾に、オレは座っていた。「よう」 ときぐるみが言う。「よう」 そう応えて、オレは尋ねる。「未来は変わったか?」 きぐるみは首をかしげた。「どうかな。トンネルを抜けるのを、楽しみにしてろよ」「昨夜、あの...
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■佐倉みさき/8月23日/24時20分
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
彼の血をみた。 その瞬間。 なにかもかもがわからなくなった。 その姿が脳裏に焼きついて、苦しくて、私は目を閉じる。 ※ ――またなの? と、声がきこえた気がした。 ――また、繰り返すの? 少女の声だ。 ――やっぱり、貴女が悪魔だ。 その声が奇妙に深く、胸に刺さる。 私が悪魔だ、と思った。 ...
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■久瀬太一/8月23日/24時10分
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
どきん、と胸が鳴った。 マンションの前に白い車が停まり、その直後、数人が現れた。 先頭は知っている。ファーブルだ。 でも、どうでもいいことだ。 彼のすぐ後ろに、みさきがいた。 どくん、と胸がなる。もう何年も、彼女を捜し続けていたような気がした。 ――飛び出すか? だが、みさきの両側には、体格のよ...
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■佐倉みさき/8月23日/24時05分
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
ここでのリーダーは、ファーブルと呼ばれる恰幅のよい聖夜協会員だ、ということは、なんとなくわかっていた。 そいつのことは、初めて会った時から、あまり好きではなかった。 知的にも冷静にもみえたけど、それでもどこか、子供っぽくも感じていた。こちらをみる目は昆虫を観察するようだった。その視線には子供じ...
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■久瀬太一/8月23日/24時
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
その路上でオレを降ろし、雪さんは走り去ってしまった。 オレはもちろん、すぐさま警察に電話を入れた。 ――誘拐されている女の子の居場所がわかったんです。すぐに来てください。 もちろん事情を尋ねられたし、オレはそれに、正直に答えることはできなかった。 たまたま彼女がマンションに連れ込まれるところをみ...
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■久瀬太一/8月23日/22時55分
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
転送装置は白く輝いていた。「いよいよですね」 とサクラが言った。 オレは頷く。 ――でも、きっと彼女が考えていることとは、意味が違う。 ※ 「魔法陣の答えは『あすかやまこうえん』」 ※ とても現実的な答えだ。 このゲーム内の周囲に広がるといわれる異世界。 それはおそらく、現...
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■100番目の謎、公開(されず)
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
みかみ@3D小説準備用 @mikami_pro 8月23日@3d_bell ベル君引き続きごめん 「25-1久瀬君はみさきさんを助けたいと強く思ってるようだけれど、その気持ちの理由にクリスマスパーティーであっていた以外、以上の気持ちはあると想いますが?」と送ってくれる? 独断で25をふたつに分解してます。少年(ベルくん) @3d_b...
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■久瀬太一/8月22日/20時00分
コメ2 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
窓からみえたオレが、サクラに対してどことなくそっけなかった理由がわかった。 彼女には常に、言葉にし難い違和感があった。みさきに似ているから、それが際立った。言動のひとつひとつに、どこか作り物めいた嘘っぽさがあった。 オレはソルからのメッセージを読みながら、城の中を進む。 ※ ――自分の...
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■久瀬太一/8月22日/19時00分
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
オレはやがて、萎れた植物の生い茂る部屋に到達した。 攻略本では「地下菜園」となっている部屋だ。 ここに、「サクラ」と名乗る少女がいることを、オレは知っている。 佐倉みさきのようでも、佐倉ちえりのようでもある少女。 実物をみても、その呼吸を間近で感じても、そうだ。 やっぱり彼女が「どちら」なのか...
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■久瀬太一/8月22日/18時45分
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
そのウェブページ――「攻略本」には、ソルからのメッセージが、順序よく並んでいた。 オレは合間で、それを読んで心を落ち着かせた。 ――ノイマンからソルについて知ってることを聞いて!いざとなったらこっちのこと少しは伝えてもいいから。 とりあえず戻ったら訊いてみよう。思えばソルについて、多少なりとも理解...
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■久瀬太一/8月21日/21時30分
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
明かりをつけていないマンションの一室で、オレは5回、電話をかけた。 まずは八千代雄吾に。 だけど、彼は出なかった。 ※ 次にオレは、父親に電話をかける。 しつこくコールしていると、やがて父の、どこか間が抜けた声がきこえた。「どうした?」「訊きたいことがあるんだ」 ソルから尋ねるよう言...
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■久瀬太一/8月20日/23時45分
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
君はどうしたい? いつも、私たちから質問するばかりだ。久瀬くん、君のほうで何か気になること、私たちソルの力を借りたいことはないのかな? ※ ――というメールを読んで、それが思考するきっかけになった。 ソルたちに対して、気になることは無数にあった。 一体、どんな集団なんだ? どうしてオレ...
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■久瀬太一/8月19日/23時15分
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
ポケットの中で、スマートフォンが震えた。「お」 ときぐるみが、嬉しげな声を出す。「電波?」 この瞬間は、なかなかなれない。いつも胸がどきりとする。 オレはスマートフォンを引っ張り出す。 ――彼らからのメールだ。 オレは慌てて、メールを開く。「どんなメール?」 と隣のきぐるみが言ってくるが、かまっ...
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■ホールの電話
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
きのえとら(一時) @komattakotoni1 2014-08-17 17:40:18昨夜眼鏡の電話つながったみたいです、慌てて切っちゃったけど。ネット環境整わないので一言とりあえず報告。 KURAMOTO Itaru @a33_amimi 2014-08-17 18:11:09@ajumaro7956 眼鏡の電話は,25日ぐらいに新大阪家探しする直前に,生放送に電話番号が映っていた,...
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■久瀬太一/8月16日/16時40分
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
ソルたちから何通か、八千代にホールの特徴を尋ねるメールがきた。 オレは八千代のスマートフォンに電話をかける。「どうかしたかい?」 と八千代は言った。 ――こっちがききたい、どれだけ時間がかかってるんだ。 と、思ったけれど、言葉を呑み込む。言い争っている場合じゃない。「ホールの特徴を、知っているだ...
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■久瀬太一/8月15日/25時40分
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
「なるほど」 と、窓の向こうのオレは言った。「もう一体、ドッペルがでる可能性があるなら、サクラをつれていくわけにもいかないか」 それに、みさきとちえりによく似た少女――サクラが答える。「いえ。私は、お姉さまを捜すのは、私の目的ですから。すべてお任せするわけにはいきません」「でも危ないらしいぜ?」「...
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■久瀬太一/8月15日/25時
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
どうやらオレは、またソルたちへの返答を再会したようだ。重要なことだ。「オレ、プレゼントを貰うと記憶が欠落する可能性があるようだ。八千代もミュージックプレイヤーの件では記憶が欠落しているように思えるので、その辺りの話を突っ込んできいてみてもらいたい、だそうだ」 プレゼントと、記憶は関係しているの...
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■久瀬太一/8月15日/24時25分
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
「おいオレ、隣のきぐるみに、次の質問をしろ!ひとつめ、本物のいい子について何か知っているか? ふたつめ、『ヨフカシはスイマの中にいる』と言ってたが、本当はプレゼントの壊れてしまったスイマがヨフカシと呼ばれているのではないか?」 オレはきぐるみに視線をむけて、尋ねる。「だってよ」 きぐるみは首をか...
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■佐倉みさき/8月14日/20時
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
スマートフォンをテーブルの上において、ノイマンは小さなため息を漏らした。「みつからないんですか?」 と私は尋ねる。ニールのことだ。 鹿児島の、あのカフェで姿を消してから、彼の行方はしれない。ノイマンは定期的に電話をかけているようだけど繋がらない。「だめね。面倒なタイミングで消えないでほしいわ」...
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■久瀬太一/8月11日/24時
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
2本の電話をかけた。 まずは父親に。佐倉家に何人の子供がいたのか確認しておいて欲しい、とソルに言われていた。 父もやはり、佐倉家の子供はみさきとちえりしか知らないようだった。ついでに聖夜協会についても尋ねてみたけれど、父の時代のそれは平和的で、ただ楽しげで、なにも影のない集まりにきこえた。 次...
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■佐倉みさき/8月11日/12時25分
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
――違う。 白いスクリーンに流れたエピソードは、きっと確かにニールのものだったけれど、タイムラインのストーリーとは結末の部分がまったく違う。 私がみたのは愛想笑いなんて少しも関係しないエピソードだった。 ただ暴力的で、傲慢な、今のニールに繋がる物語。 目をひらいて、私は彼に視線をむけた。 空調の...
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■佐倉みさき/8月11日/12時18分
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
1→22→40→38男は革靴に象徴される安定した人生に反発する→彼はスニーカーを履いていけるような冒険を求めていた→しかし大切なスニーカーを捨てられてしまう→彼は自分が鳥の籠と同じだと諦め愛想笑いしか浮かべられなくなったとか? ※ 意外だった。 きっと、今回のエピソードの「ある男」とは、ニー...
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■佐倉みさき/8月11日/12時13分
コメ1 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
38結局その男は愛想笑いしかできなくなった ※ 38番。困ったような顔で、笑みを浮かべる男性のイラスト。 まぶたの裏側で、光がはじけたような気がした。 ――愛想笑い? それは、少なくともニールには、似合わない言葉だった。 きっと彼がもっとも嫌うもののひとつだろう、と思った。 なのにまぶたの裏...
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■佐倉みさき/8月11日/12時04分
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
1→22→40→。離婚した両親。父親のもとで暮らした男は父が用意した革靴が嫌いだった。男はクリスマスに母親から履き潰すための靴を買ってもらったが、なかなか履けずに隠していた。しかし、通いの家政婦に見つかり捨てられてしまう。までは分かっている。 ※ はやい! ――どうして、わかるんだろう? 私は不...
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映画『進撃の巨人』出演決定の女優・水崎綾女 SNSでメイド、わがままビキニ姿を次々披露
コメ0 AOLニュース 125ヶ月前
Filed under: 国内, 芸能, 深夜グラビアアイドルとして2005年にデビューした後、女優として精力的に活動をはじめ、そのセクシーさを活かした役どころなどで映画やドラマに出演し、2015年公開予定の話題の映画『進撃の巨人』への出演も決定している期待の若手女優、水崎綾女(みさきあやめ、
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■佐倉みさき/8月11日/12時
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
まぶたの裏側には、やはり白いスクリーンが映っていた。 だが、そのスクリーンに表示される文字さえ、これまでとは違っていた。 ――これが、最後の儀式です。 明朝体の、綺麗な、温度を感じさせない文字が流れていく。 ――このエピソードは、彼のものではありません。 彼。久瀬くん? 久瀬くんではないの? ――こ...
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■佐倉みさき/8月11日/11時50分
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
鹿児島での私たちは、いままでとは雰囲気が違っていた。 まずひとつに、ニールがいつも以上に、機嫌が悪そうだったこと。「こんな街の、どこに行けってんだ?」 と彼はなかばケンカ腰に言った。 ふたつ目はノイマンの返答だ。「どこにも行かなくていいわよ」「ああん?」「うるさいわね、ニール」「どういうことだ...
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■佐倉みさき/8月10日/19時
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
ノイマンが、一昨日の夜にあげたデータを少し急いで修正したいということで、私たちは尾道に留まっていた。 彼女は宿でノートPCを叩いていて、ニールはどこかに姿を消していた。「形式的な問題で」 とノイマンは言った。「貴女は私と同じ部屋にいてちょうだい」 形式ってなんだ、と思ったけれど、誘拐のことだろ...