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常に目標を持っている、常に挑戦する心を持っている。那須大亮は今、その時を大切にして戦っている。だから常に周囲への感謝を忘れず、常にいろいろなものを感じ取っている。だからチームのため、サポーターのため、仲間のために死力を振りしぼる。魂のディフェンダーが語るレッズでの日々──

[浦和レッズマガジン7月号掲載]

──現在の那須選手の体調はいかがでしょうか。

「コンディションは良いです。ケガもなくシーズンを過ごせています。浦和に加入してから大きなケガもないんです。2013シーズンに柏レイソルから浦和レッズへ移籍加入してから、とても充実した時を過ごせていますので、その点では精神的な落ち着きもケガの予防に繋がっているのではないかと思います」

──ミハイロ・ペトロヴィッチ監督のチーム構築、練習内容が那須選手に合っていたのですね。

「そうですね。ミシャの練習は特徴があって、プレー判断を求められるものが多いんです。その意味では、日々、今もそうですけども自分自身が成長できているという実感があるんです。ただ、その分、集中力は問われますけどもね」

──今の浦和レッズのチーム状態はいかがでしょうか。

「一人ひとりが緊張感を持って日々の練習に取り組んでいます。練習でやっているプレーが試合に出ている。それは良い緊張感を保って練習ができているからだと思うんです。チーム内では激しい競争がありますけども、それぞれの選手が自らの良い部分を出そうとしていて、その上でチームの共通認識を備えて戦えていると思います」

──今シーズンの中でもチーム状態の浮き沈みがあったかと思うのですが、まず始動時のキャンプでのチーム状況はいかがだったのでしょうか。

「今季のキャンプはトレーニングマッチが多かったですね。だから練習の中というよりも実戦のゲームの中でそれぞれの選手がチームに順応していくような状況でした。今季はリーグとACLの両立もあって序盤から過密日程が組まれていましたから、そのハードスケジュールに慣れる狙いもありました。その面ではキャンプは例年よりも厳しいスケジュールの中でゲームを数多くこなしたように思います。そして誰が試合に出場しても結果を残せるように、様々な選手がゲームに参加してチーム構築をしました。ミシャの中で様々な狙いがあったように感じました」

──バックラインや中盤はある程度固定化されたメンバーでしたが、前線、攻撃的ポジションの選手はかなりフレキシブルに入れ替えられて試合に臨んでいましたよね。

「おっしゃる通り、ディフェンスラインはそれほどメンバーが変わっていないので、お互いの特徴を知っている選手が多く、ディフェンスや中盤のコンビネーションについては初めからスムーズだったと思います。しかし前の選手に関しては今季からチームに加入した選手も多く、その特徴をまず掴まなければなりませんでした。特に今の浦和のサッカーは選手同士の距離感や連動性が重要ですから、その連係を確立させるのは大変でした。その中で様々な選手たちの組み合わせが試され、ゲームの中で連動性を合わせたので、特に今季新たにチームに加入した選手たちはチーム戦術に慣れるのに大変だったと思います。また、この浦和レッズというチームは常に上を目指し、タイトルを目指すチームでもありますから、ただチームに慣れるだけではダメで、質も求めなければなりません。その点も困難さを増した理由かもしれません」