マル激!メールマガジン 2019年7月3日号
(発行者:ビデオニュース・ドットコム https://www.videonews.com/ )
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マル激トーク・オン・ディマンド 第951回(2019年6月29日)
山本太郎は何がしたいのか
ゲスト:山本太郎氏(参議院議員)
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 参議院選挙が7月21日に行われることが確定した。
 今一つ盛り上がりに欠ける感のある選挙を前に、台風の目となりそうなのが、山本太郎参議院議員率いる「れいわ新選組」だ。
 6年前の参院選で東京都選挙区から初当選し政治経験ゼロから出発した山本氏は、再度東京の選挙区から出馬すれば再選は確実と言われるまでに存在感を高めてきている。
 4月10日に起ち上げた「れいわ新選組」には、この2ヶ月あまりで2億円を超える寄付が集まったそうだ。しかもそのほとんどが数千円単位の小口の献金だという。
 また、山本氏の街頭演説には、若者を中心に多くの人々が集まり、氏の話に熱心に聞き入る。現時点で「れいわ新選組」は政党要件を満たしていないため、政党支持率調査の対象になっていないが、一部の報道では、れいわの支持率は立憲民主党を凌ぎ、野党第一党のレベルまで上がってきているとの調査結果も出ているという。
 なぜ政治経験も短く、永田町では異端の存在とされる山本氏のもとに、これだけの支持が集まるのか。山本氏の主張する政策リストには、「消費税の廃止」を筆頭に「政府による最低賃金1,500円の補償」、「奨学金徳政令」、「デフレ脱却まで一律で3万円の現金給付」等々、「今この瞬間に痛んでいる人々、苦しんでいる人々」を手当することを最優先するメニューが並んでいる。
 消費税を廃止しておきながら、弱者の救済のために躊躇することなくバラマキを優先する政策に対しては、「財源はどうする」とか「財政破綻への道だ」などといった批判が飛んできそうだが、山本氏は「インフレをしっかり監視すれば国の財政は破綻しない」と語り、財政緊縮派やプライマリーバランス派の主張を一蹴する。山本氏の主張する経済政策はこれまで日本にはいなかった「反緊縮左派」と呼ばれるもので、最近ではアメリカのアレクサンドリア・オカシオ=コルテス下院議員やイギリス労働党のジェレミー・コービン党首などに近いように見える。
 しかし、そうした個別の政策もさることながら、山本氏にとりわけ若者の支持が多く集まるもう一つの理由は、永田町では異端児扱いされる山本氏なら、もしかしたらこれまで既存政党の政治家が為し得なかった政策を実現してくれるのではないかという期待感があるからではないか。
 山本氏は園遊会で天皇陛下に直接手紙を渡してみたり、安保法制の国会採決で喪服を着て牛歩をした挙げ句、安倍首相に向かって手に数珠を巻いて拝む真似をするなど、既存の政治家が誰もやらなかったような型破りな行動を数多くとってきた。その手法の是非については様々な意見もあろうが、山本氏が政治家としてこの6年間、既存のルールやしきたりに囚われない行動をとってきたことだけは間違いない。
 これまで様々な勢力に期待を寄せながら、公約が実現されずに裏切られた感を持っていた有権者たちは、美辞麗句が並んだもっともらしい政策論よりも、その一つでもいいから本当にそれを実現してくれそうな迫力のある政治家を待ち望んでいるようにも見える。
 果たして山本氏がそのような存在になり得るのか。なぜ山本氏にこれだけの支持が集まるのか。山本氏に「山本太郎は何がしたいのか」を、ジャーナリストの神保哲生と社会学者の宮台真司が聞いた。

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今週の論点
・山本太郎が提起する「緊急政策」
・減税&財政出動でも「破綻」はありえないと考える理由
・明確な対立軸示すも、党首討論には名前なし
・あえてオーバーランを繰り返す、山本太郎への期待
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■山本太郎が提起する「緊急政策」

神保: 今回は戦争の火蓋が切って落とされた議員会館からお送りします。さっそくゲストを紹介しますが、山本太郎さんです。宮台さん、何か一言ありますか。

宮台: 以前から言っているように、僕はトランプ支持だし、安倍支持です。というのは、この両国においてますます国の馬脚が現れるからです。つまり加速主義の観点からすると、そうして国が行き着くところまで行き着いた感じ、ダメになった感じがすると、新しいものが出てくるということです。楽しくワクワクする感じで、今後政治にかかわれるのではないかと、みなさんも思っていらっしゃるのではないでしょうか。