第175号 2016.4.26発行
「小林よしのりライジング」
『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりが、Webマガジンを通して新たな表現に挑戦します。
毎週、気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてクリ!」、著名なる言論人の方々が出版なさった、きちんとした書籍を読みましょう!「御意見拝聴・よいしょでいこう!」、漫画家キャリア30年以上で描いてきた膨大な作品群を一作品ごと紹介する「よしりん漫画宝庫」、読者との「Q&Aコーナー」、作家・泉美木蘭さんが無限に想像をふくらませ、とことん自由に笑える「日本神話」の世界を語る「もくれんの『ザ・神様!』」等々、盛り沢山でお送りします。(毎週火曜日発行)
【今週のお知らせ】
※「ゴーマニズム宣言」…熊本地震の発生後、「不謹慎狩り」と呼ばれる震災パニックの一現象が起こっている。とにかく何をやってもバッシングされる、特に人気商売の芸能人はその対象になりやすい。小林よしのりが書いたブログ「非常時に配布すべきもの」にも、誤読・曲解した者からネット内で批判が集中した。「不謹慎狩り」が横行する背景には何があるのか?
※「泉美木蘭のトンデモ見聞録」…精子バンクや卵子バンク、代理母出産が当たり前に行われている米国では、様々なトラブルが相次いでいる。しかし日本もアメリカの実態を笑ってはいられない。厚労省や日本産婦人科学会のガイドラインをはみ出し“何でもアリ”状態の医師がいる。それだけではなく、なんとネット上には「個人精子バンク」なるものが多数存在する。想像を遥かに超えた、不気味すぎるトンデモな実態とは!?
※よしりんが読者からの質問に直接回答「Q&Aコーナー」!誰にも話せない悩みを抱えている時はどうしたら良い?女優木村多江は先生の好み?そもそも地震予知は必要だと思う?齢四十の男から「性愛の伝道師よしりん」への切実なる質問!非常時に芸能人などをバッシングする人の心理状態とは?アントニオ猪木の「全盛期」はいつ頃?「地震が怖い」ため、大地震の確率が低そうな地域に妻子を引っ越させるのはアリ?…等々、よしりんの回答や如何に!?
【今週の目次】
1. ゴーマニズム宣言・第169回「不謹慎狩りする幼稚な人々」
2. しゃべらせてクリ!・第135回「雲より高い鯉のぼりで一騎打ちぶぁ~い!の巻〈前編〉」
3. 泉美木蘭のトンデモ見聞録・第4回「『日本全国OK! ボクの精子、無償で提供します』不気味すぎる“個人精子バンク”の実態」
4. Q&Aコーナー
5. 新刊案内&メディア情報(連載、インタビューなど)
6. 読者から寄せられた感想・ご要望など
7. 編集後記
第169回「不謹慎狩りする幼稚な人々」 熊本地震の発生後、「不謹慎狩り」と呼ばれる震災パニックの一現象が起こっている。
とにかく何をやってもバッシングされる、特に人気商売の芸能人はその対象になりやすい。ネットの中で罵詈雑言を吐き散らすのはリスクがないから、いくらでも言える。面と向かっては言えないのだから卑怯なんだが、卑怯は弱虫の特技なんだからどうしようもない。
以下、報じられているものを列挙しておこう。
◆井上晴美(女優・熊本在住)
自宅全壊の被害に遭い、自身のブログで現地情報などを発信したところ、ネット上で「愚痴りたいのはお前だけではない」「可哀想な私アピールがイラつく」といった批判を受け、「ただ私が感じてること書いてることがなぜそんな風になるのかよくわかりません残念です」「これで発信やめます これ以上の辛さは今はごめんなさい 必死です」として、ブログを閉鎖。
◆長澤まさみ(女優)
女優・りょうらと一緒に撮った写真をインスタグラムに掲載、満面の笑顔で本来なら何気ないショットだが、投稿時刻がたまたま地震発生直後だったということだけで「え?不謹慎すぎ」「ニュース見てますか?」「タイミングが悪い、テレビ見よう」などとコメント欄に書き込まれ、投稿を削除。
◆西内まりや(女優・歌手)
福岡出身で、被災地を気遣うツイートを頻繁に投稿。その中で、非常持ち出し袋の内容一覧のイラストに自撮り写真を添えて「頑張ろう。支え合おう。♡」とコメントしたところ、「自分に酔ってるだけ」「災害をアピールに使うな」「その自撮りいります?」などと批判が寄せられ、ツイートを削除。「今の状況で私が発する言葉、行動によって不快な気持ちにさせてしまっている方々ごめんなさい」と謝罪。その上で「私なりに、1人でも多くの方と共有したい。見守ってるよ。という気持ちで更新させてもらっています」として情報発信は継続。
◆市川海老蔵(歌舞伎俳優)
地震で電話がつながらない人のために、自身のブログのコメント欄を伝言板として解放。個人の安否連絡や具体的に足りない物資、現在利用可能なバスの運行状況など、2000件以上の伝言が書き込まれ活用されたが、これに対してネットに「自分のブログの閲覧数をアップさせれば収入になるもんな」「海老蔵は震災伝言詐欺だろ?」といった非難多数。
海老蔵は「ちなみにアクセス数見てるのかしら、日常と変わってないのに」と、閲覧数がこのことで増加したわけではないと説明し、「しかも緊急を要していたので、詐欺か…残念です」「まぁそんなもんだよね最近の世の中、涙」とコメント。
◆ダレノガレ明美(タレント)
ツイッターを被災者支援情報掲載に活用、必要な支援物資や給水できるポイント、義援金の受付機関など、さまざまな関連情報を拡散したところ、「ダレノガレの震災関連のリツイートすごいんだけどさ、指で操作するだけじゃなくてなんか行動すればいいのに」といった批判を受ける。
ダレノガレは「熊本に行きたくても、問い合わせをしたところ今は立ち入ることができません!っと言われました。なので記事を載せる事しかできません」と説明し、「なにを言われても私は発信していくので!」と表明。
◆紗栄子(タレント)
500万2000円(自身が500万円、二人の子供が1000円ずつ)の義援金を寄付、インスタグラムなどに金額入りの振込受付書を掲載したところ、「いちいち出すな」「好感度上げたいのか」「(前夫の)ダルビッシュ有からむしり取った養育費の一部だろ」などの非難を受ける。
紗栄子は「批判も覚悟の上、実名での振り込み明細を掲載しました」「信念を持っての行動なので、私は何を言われても大丈夫です」と表明。
◆川谷絵音(「ゲスの極み乙女。」ボーカル)
長崎県出身で、ツイッターに「九州にいる家族は無事でした。良かった」と報告しただけで「熊本っぽく言うな」「またゲス発言か」と批判される。
◆矢口真里(タレント)
ブログで「熊本の皆さん!! 大変心配です。。。 大丈夫なのでしょうか? どうかご無事で。。。」などと書いたところ、「でしゃばるな」などの非難を受け、「不快や偽善に思われた方。申し訳ありません」と謝罪。その上で「私は発信することは、ダメなことではないと思うのでこれからも発信し続けていきたいと思っています」と表明。
◆藤原紀香(女優)
ブログに「火の国の神様、どうかどうか もうやめてください。お願いします」と書いたところ、「なぜこんな時まで自分に酔ってるのか」「災害まで舞台ですか?」「いちいちカッコつけるな!」「地震は天罰だと言いたいのか」と非難殺到、当該箇所を削除。
◆堀江貴文(実業家)
出演予定だったインターネットテレビのバラエティ番組が放送延期になり、ツイッターで「熊本の地震への支援は粛々とすべきだが、バラエティ番組の放送延期は全く関係無い馬鹿げた行為。人のスケジュールを押さえといて勝手に何も言わずキャンセルするとはね。アホな放送局だ」「おめーらが自粛した所で被災者が助かる訳では無いんだがね」「俺たち地震の被害を受けてないものは出来るだけ普段通りの生活をしながら無理せず被災者支援を行うのが災害時の対応だろう」と発言し、批判を受ける。
大地震、大災害の直後や期間中は、人の気持ちが毛羽立つから炎上の危険性が高い。ゴー宣道場のブログでは、地震発生の直後、テレビを見ておらず地震発生を知らなかった笹幸恵さんが「たんたんめんうめえーーー」というブログを上げたものだから、わしは危ないんじゃないかと心配したほどである。
これを教訓にして、次に震災が起こった時にはまず、「不謹慎狩り、来るぞ――!」と警告ブログを上げたらどうだろう?「不謹慎狩り」を狩る「不謹慎狩り狩り」を流行させればいい。「狩り狩り君」(ガリガリ君)とか呼んで流行らす手もある。
とにかく、何が叩かれるか分かったものじゃないから、熊本出身の歌手・水前寺清子は、いま直ちに現地入りしない理由をテレビで釈明し、被災した友人から「今じゃないよ来るのは。大丈夫だよっていう時に来て」と言われているからだと涙ぐんでいたし、テレビ引退を宣言したタレントの岡本夏生は100万円を寄付しながら、ブログでは「売名上等!!」と題した上に、現在無収入で老後の貯えもないことまで示唆していたし、どうにも過剰反応としか言いようのないおかしな現象も起こっている。
コメント
コメントを書く先生のブログを読んで思いましたが
左翼系の学者は「憲法は国家権力を縛るもの」と解釈し、保守系の学者は「国民も縛られるもの」と解釈する人が多い気がします。
左翼から見たら国家権力は化け物であり、戦争をしたり人民を殺害する力を持ちます。だから憲法による制約は必要だになります。
しかし、保守系学者から見たら「これは国家を悪玉に考える左翼思想であり、だから国民は愛国心を持たなくなった」と解釈します。
だから自民党の憲法改正案のように「国民をさらに縛り付けて愛国心を植え付けよう」と考えるわけですが…
これはソ連が社会主義思想を強制的に植え付けようとしたスターリン憲法の発想じゃないかと感じてしまいます。
近代主義の原則にたてば、いままでの封建的な縛りから解放されて国民は自由にならなければなりません。しかし、その為には暴力装置を国家に全面委託するしかありません。となると国民は自由とは反対に国家の道具になるのではないか?になるわけです。それを防ぐ為に国家を縛り付ける為に憲法が必要だ!になるわけです。これは右翼、左翼関係なく近代国家に生きている人間としての基本原則と解釈しています。
保守は自由が大嫌いなんでしょう。自由があるから犯罪が起こり、愛国心がなくなった。だから国家の命令で愛国心を創造させなければならないという
考えに至るわけですな。
国民の自由意思に任せておいては愛国心は育たない!だから国家が作り出す!は前に書いた共産主義ナチズムに通じる危険思想だと感じますね。
保守が取り上げる明治憲法の条文について考察してみます。
伊藤博文が言ったように憲法を作る目的は君権を制限する為にありました。
だから表面上は膨大な大権を天皇が保有していますが、実際に行使するには輔弼、翼賛が必要であり
君主が恣意的に権力行使をするのを禁止させました。
臣民の権利については「法律に反しない限り」というカッコつきではありますが保障はしていました。
芦田均によると明治の指導者がこの制限を設けた理由は、国民の代表から成る立法府において「まさか
人民が不利になる法律規制がなされるはずがない」と考えていたからだと言っています。
実際は治安維持法、国家総動員法と人民の自由を縛る法律が人民の意思により成立したという皮肉がありました。
ともかく明治の藩閥指導者も人民を自由にしないという目的で憲法を制定したわけではありません。
人民を自由にし活動的にし、本人の能力によっては
どんな職業につくのも自由としたわけです。
左翼が批判するのは「教育勅語を通じて、天皇崇拝が強要された」と。教育勅語を朗読しようが帝大で社会主義は栄えたということを考えると天皇崇拝観念がない学生にはあまり効果はなかったのではないか?と思いますがね。
政府の目的としては教育勅語を通じて近代的な個人。国粋主義に走らず、社会主義思想に走らず
国家に忠誠を誓う国民を作りたかった面はあると思います。しかも、これは命令ではなく明治天皇の勅語ですからね。社会主義者とは逆に国粋主義者にはダメージがあったのではないか?と思います。
戦前において社会主義思想が禁止されたのは、社会主義思想が暴力的であり、革命思想だったからでしょう。社会主義思想以外にも暴力的な国粋主義にも適用されてましたから、政府としては暴力革命を防ぐことしか目的はなかったと思います。
また、戦時体制という異常な状態ではある程度は人民の自由が束縛されること、天皇崇拝が強要されるのは仕方ない面もあると思います。総力戦であるからなんでも動員しますからね。
と見てみると、明治政府は教育勅語により国粋主義的に天皇崇拝を強要したわけではなく、暴力的集団に参加させないように一般人として勉強し、学校に行き、結婚して子供を持ち、国家に災難があれば命がけで戦ってくれと命令ではなくお願いしたのが教育勅語だと解釈します。
当時の日本は天皇の名を借りて暴力的集団、打倒藩閥を唱えるグループがいましたから、彼らの天皇崇拝を利用して、暴力的集団を解散させようとしようとしたものと思います。
国づくり、国家、国民観念のない時代から近代国家を作り出す過程が明治憲法時代でありますから
いろいろと問題点は出たと思いますが、政府の考えとしては決して人民に自由活動はさせないようにしたわけではないと思います。
と見てみると保守派がいう「戦前は明治憲法があったから愛国心はあったが、戦後は日本国憲法が出来たから愛国心はなくなった」は嘘であると思います。違憲ではありますが、自衛隊は存在してます。
自衛隊を支持する国民が多いのは愛国心ではないのかになりませんかね?憲法改正で軍隊にしても
自衛隊アレルギーが復活するとは考えにくいです。
戦後も陛下の誕生日には皇居に列を並べて、たくさんの国民が参列しています。尊皇心という面では戦後のほうが良くなったと解釈したほうが良いと思いますがね。
保守が問題にする愛国心を抹殺した歴史教科書ですが、明らかな捏造を是正するのは当たり前ですが
それで学んだ国民がみんな保守がいう愛国者になるのは分かりませんよ。やはり本人の自由意志に委ねることになります。
歴史教科書問題が解決するしない関係なく、保守は憲法のせいだ!にしています。愛国心を憲法に記入させ、洗脳を目論むのが保守であるならば、もはや廃業するしかないでしょう。北朝鮮や中国に行くべきですね。
結局はどんな憲法、制度であろうが愛国心があるかなしかは本人の自由意志に委ねるしかないが、僕の結論です。憲法に頼るのはお上に助けを求める
封建主義思想の残滓だと見ています。
場合によっては不謹慎でも役立つことはあるかもしれないってことわかりました・
先生のブログを拝読してつくづく思うのは、他人他者の影響を受けて無いぜ!って平然と語れる方は、
宇宙からやって来た侵略者なんだと思いますねえ〜。
犬や猫ですら、親兄弟や飼い主の影響を必ず受けるはずなんですから、
人間どころか地球上の生命体では無いのでしょう。
剽窃無くして自分無しでしょう、バクテリアやアメーバーの方がまだまだマトモかも?
政治の話国家の話など、男女の差異がある様な木はまるでしませんが、
自分らが生息する世界観だけで語るならば、その可能性も有るかも知れませんね、
所詮我々は「狭い世界観の中」で細々と生きているに過ぎません。
マイノリティーでしか有りませんし、天下国家を語る女性も沢山居るだろうとは思います。
まあ、但し、公共の電波に乗せる「女性だけの討論会」は、
結局の処は「ワイドショー・バラエティ」の一つにしか過ぎない様な気はしますね。
それを観て、「女性だけの朝ナマよ!」と悦に浸る方が居たら、
それは恐ろしい事には感じますが…まさかそんな方々は皆無だと私は思います。
私事になってしまいますが、録り貯めていた『とと姉ちゃん』をようやく見ました。3話ほど。めちゃくちゃ面白いですね♪ 傑作の香りがします。
前にも朝ドラを見て思ったのですが、改めて、家族で使う敬語っていいなあって思いました。何でいいと思うのか、今は言葉に出来ていないのですが…。美しいですね。
この家族の、ととが死んじゃったら…、泣くだろうなあ。
(TДT)
木蘭師匠のブログを拝読して、「酒屋のお兄さん」のようになりたいと思いました。
それとは逆に一方的に自分の主張に酔う輩の醜いこと・・・・
ところで、モップの柄で叩いてくれるサービスは、どのように注文したらいいのでしょうか?
>>93 ボンさん、ただいまです(笑)
病みあがり(笑)で、本調子ではないですが、頑張ります。
こんなに不謹慎狩りがあったのですね・・・。ライジング読んで初めて知りました。
叩けそうな人を選んでるんでやってるんでしょうね。
http://ameblo.jp/64152966/entry-12157410080.html