第246号 2017.11.7発行
「小林よしのりライジング」
『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりが、Webマガジンを通して新たな表現に挑戦します。
毎週、気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてクリ!」、著名なる言論人の方々が出版なさった、きちんとした書籍を読みましょう!「御意見拝聴・よいしょでいこう!」、読者との「Q&Aコーナー」、作家・泉美木蘭さんが現代社会を鋭く分析「トンデモ見聞録」や小説「わたくしの人たち」、漫画家キャリア30年以上で描いてきた膨大な作品群を一作品ごと紹介する「よしりん漫画宝庫」等々、盛り沢山でお送りします。(毎週火曜日発行)
【今週のお知らせ】
※「泉美木蘭のトンデモ見聞録」…元TBS記者で安倍首相と親交の深い山口敬之氏からのレイプ被害を告発した伊藤詩織さんの著書『Black Box』(文藝春秋)。被害を受けた詩織さんが、ジャーナリストとして世に問題提起しなければならないという使命感から必死の思いで行動し、書き上げたものだ。しかし、彼女に巧妙に寄り添ったふりをしながら同書を推薦しつつ、実は彼女の意志は全否定し政権擁護に利用する、姑息な女性論客がいる。その巧妙な言論を徹底解説!表面的な薄っぺらい言葉の数々に騙されるな!
※「ゴーマニズム宣言」…今回の衆院選でも若者の自民党支持率は高く、若者の「保守化」が進んでいると言われていたが、その若者の心理分析が少々違っていたらしい。読売新聞社と早稲田大学現代政治経済研究所が共同で行った調査では、若い世代ほど自民党を「リベラル」と認識しており、逆に民進党や共産党は保守政党、守旧派だと思っているという結果が出たという。若者は自民党をリベラルと思って支持し、年寄りは保守と思って支持している…なぜこんなヘンテコな現象が起きているのだろうか?
※よしりんが読者からの質問に直接回答「Q&Aコーナー」!煽り運転をする車に遭遇したらどうする?米大統領にゴルフ接待する意味とは?パソコンばっかりするパパを怒って!創作の原動力とは?古典の名作が著作権切れで無料で読めることは果たして正しいこと?偏食の女性と食事した事はある?チョコに合うのはピーナツとアーモンド、どっち?山尾議員が立憲民主党に入党されなかったのはなぜ?…等々、よしりんの回答や如何に!?
【今週の目次】
1. 泉美木蘭のトンデモ見聞録・第55回「伊藤詩織『Black Box』と三浦瑠麗」
2. ゴーマニズム宣言・第251回「若者は自民党をリベラルだって?」
3. しゃべらせてクリ!・第204回「必勝!ぽっくんの選挙演説大作戦ぶぁい!の巻の巻〈後編〉」
4. Q&Aコーナー
5. 新刊案内&メディア情報(連載、インタビューなど)
6. 編集後記
第55回「伊藤詩織『Black Box』と三浦瑠麗」 元TBS記者で安倍首相と親交の深い山口敬之氏からのレイプ被害を告発した伊藤詩織さんの著書『Black Box』(文藝春秋)を読んだ。
これまで『週刊新潮』の取材記事と、ご本人の記者会見によって、逮捕状が発布されていた山口氏による性犯罪が警察トップによって握りつぶされていたこと、さらに、山口氏本人が内閣情報調査室の人間に“事後処理”を依頼していたことなど、権力者と性犯罪者の卑劣すぎる共謀関係が報じられてきた。
この本では、被害を受けた詩織さんが、心の傷を負ってボロボロになりながらも、ジャーナリストとして、自身の身に降りかかったことから逃げることなく、世に問題提起しなければならないという使命感から必死の思いで行動し、書き上げたものだ。
「伝える」ことが強い目的になっており、事件の全容とその後の山口とのメールのやりとり全文、独自の調査、浮上する疑問点、デートレイプドラッグの実態、性犯罪被害者をめぐる現状、被害にあった時の対処法などが全体としてかなり精細に、丁寧に、冷静に、そして抑制的な筆致でつづられている。
被害者としての本音を吐露した部分は、本当はもっと痛々しく息苦しいほど濃密な表現を選んでもおかしくなかっただろう。けれど、自己憐憫に陥らないよう踏みとどまり、この事件を“公の問題”としてスポットを当てようとする姿勢は本当に立派だし、並みの勇気ではないと思う。
なかでも、詩織さんが一番かわいがり、この子の将来を守りたいと思い、記者会見の動機のひとつにもなった、年の離れた妹さんが、その記者会見とその後のネット上の中傷などによって傷つき、拒絶反応を示して連絡をとることすらできなくなったこと、そして、詩織さん本人が事件後の一連の経過のなかで、自死を思わせる心理状態を何度も何度も体験していたことは、読み手としてつらく、胸のつまる思いをした。
警察の捜査を経て裁判所から発布された逮捕状が、警察トップからの電話一本で執行中止になり、加害者は安倍政権の御用コメンテーターとして各局ワイドショーで大活躍、被害者本人が顔出しで記者会見を行って不公正を訴えているという大事件。
しかし、なぜメディアはほとんど後追い報道をしなかったのか? 八つ墓村の因習で、女性政治家のスキャンダルには執拗に食いつくのに、なぜ?
「忖度という空気」の蔓延かと思っていたら、本の中で、政府から明らかな報道自粛要請があったと明かされており、驚愕した。
翌日、知人のジャーナリストからも連絡があった。
「政府サイドが各メディアに対し、あれは筋の悪いネタだから触れないほうが良いなどと、報道自粛を勧めている。各社がもともと及び腰なのは想像がつくが、これでは会見を報道する社があるかどうか……。
でも、会見はやるべきで、ただ、工夫が必要ですね。しかし、なぜ政府サイドがここまで本件に介入する必要があるのか、不可解」
矢継ぎ早の連絡に、気持ちが混乱した。
そんな時、「週刊新潮」の記者に、メディアに対して私の会見に関する報道自粛を求める動きが、水面下で拡がっているらしいと話すと、彼は軽い調子で、
「ああ、知ってますよ」
と言った。「だから何?」というようなその姿勢に、私はとても勇気づけられた。
(伊藤詩織『Black Box』より)
圧力に負けず、取材を断行したのは、「週刊新潮」の記者だけだったのだ。
メディア関係者のなかには「タクシーでホテルに到着した詩織さんには意識があり、自分で嘔吐物を処理しており、歩いてホテルに入っていった。だから合意のもとでの行為なんだ」というデマをばらまく者もいたという。
意識不明になった詩織さん(デートレイプドラッグを盛られた可能性がある)が、ぐらぐらのまま山口氏に担がれ、床に足もつかないままホテルに連れ込まれていく様子が防犯カメラの映像として残っており、タクシー運転手、ベルボーイにも目撃されているという事実があるのに、である。
証拠があるのに確かめもせず、デマを鵜呑みにして言いふらすなど、どこのメディアだ? 職務上もっともやってはならないことだろう。
■政府によるあきらかな被害者弾圧
記者会見を行うと、詩織さんが「共謀罪の審議が長引いて、刑法改正案の審議が遅れている」と発言したのを取り沙汰して、「共謀罪に言及した政治的な会見だ。バックには民進党がいるらしい」という憶測がネット上に流れた。その後は、詩織さんのもとに嫌がらせや脅し、誹謗中傷の嵐がやってきたという。
既に連載第40回
「内閣ぐるみ!強姦犯・山口敬之の無罪放免を許すな」で書いたが、詩織さんに対するネットの憶測と誹謗中傷の元凶は、内閣情報調査室が作り上げ、ばら撒いたデマだということが発覚している。政府は「民進党が党利党略のために告発を仕組んだ」というデマをでっち上げ、チャート図を作ってマスコミに配布していたのだ。
コメント
コメントを書くよしりん先生のブログ「狂気に走る週刊文春3」を読んで、なぜか目頭が熱くなりました。文春のおかげで散々心配させられたり、怒りでいっぱいになったりのここ数ヶ月だったので本当に胸のすく思いです。
文春!てめーはよしりんを怒らせた。その恐ろしさ、とくと味わうがよいですわ!!
よしりん
関西から狂気をお持ち帰り
やっぱ関西道場の前後は怒涛と展開ですねぇ。
ブログの破壊力が凄すぎる。
よしりん砲の方が強かったかあ(^ω^)
文春を訴えたり告発するよりネットで拡散の方が効果的ですね、ワシもやろう(^ω^)
決定的な証拠が出ないから自白強要させようとか、一番やってはいけない事ですよね。もし警察なんかがそんな事したら、それこそ文春等週刊誌の格好のネタになる訳ですし。
もうネタがないなら追及を止めればいいんです。涙目で「山尾氏は嘘をついている!自白して我々に謝罪しろ!」なんて週刊誌としては赤っ恥も良い所でしょう。記者の尾行写真晒されるという恥の上塗りというオマケも付きましたし。
AKBのメンバーを追い回していた頃から文春は嫌いでしたが、今回の件で見下げ果てました。最低です。
しかし、文春もアホですなあ
自分らがまさか監視されて、公表されるなんて夢にも思わなかったでしょうな。
先生たちの作戦勝ちですな。
山尾に拘りすぎ、とにかく不倫記事を書きたいが理性を失わせたんでしょうな。
妄想とデマとでっち上げでストーカー・迷惑行為を繰り返す文春に然るべき報いを食らわせてやらねばなりませんね。
放屁レベルの「文春砲」とやらに比べ、よしりん砲の威力は絶大です。
勿論、放屁レベルでも、それによって関係者や、山尾氏のお子さんを始めダンナさんの親御さんにまで御迷惑がかかっています。倉持氏についても同様です。
常軌を逸した行為は、文春側の誠意ある謝罪でもって償われるまで許されません。
焦った理由がネタがないからって酷すぎじゃないでしょうか。売上のためなら何をしてもいいということがまかり通ってしまったら、人権侵害し放題になってしまいます。また、今回の件が出版業界や報道業界に影響を及ぼす事態になってしまったら、今後、安倍政権の不祥事をスクープしても、でっち上げにされてしまう可能性もあります。週刊文春のしたことは許されざることだと思います。
週刊文春、なんて愚かでみっともなく有害な一味なのでしょうか。見下げ果てます。
よしりん先生に「姦通罪真理教」なんて命名されて、そのネーミングに笑いがこみ上げると同時に反吐が出るかと思いました。こんなやつらの家族じゃなくて本当によかった。恥ずかしすぎて外を歩けません。
こんな腐りきったマスコミや、たわけ者のコメンテーター、安倍政権のケツ舐めで生き残ろうとする乞食言論人、そしてそれにいとも簡単に躍らされる大衆にはもう怒りで動悸がします。
こんなにも民度の低い我々国民に散々足を引っ張られながらも、公のために戦って下さる山尾議員には心底頭が下がる思いです。
よしりん先生はじめ師範の方々、よしりん企画の皆さん、心から応援しています。
spa、噂の眞相、週刊誌と激闘してきたよしりん、文春が喧嘩に勝てるはずがない
>>247
やギさんの日頃のコメントを見れば(というか文体からして即座に目につく)俗に言う「夜のテンション」の至りであることは容易に分かりますが、変に抜粋してねじ曲げる輩が(ここにはいないでしょうが)後を絶たないので自己校閲を。勿論私も。
「産経なぞクソ食らえ!」と言っても「産経なぞ滅んでしまえ!」とは絶対に言わない。公を守る為に必要な心得です。
かくいう私も某総裁を「糞尿未満の塵芥ダニ」とか言ってますが…「私」の範疇で如何なる不埒をやらかしても「無様だな」で済むものを、「公」で散々やらかし大衆を陥れることしか考えてない病毒源は下手な創作のゲス悪役より憎悪を引き立てる。
皇統を守る、地方災害にいの一番に駆けつける、等があればでんでん言おうが芦部氏を知るまいがヒト扱いはするがなんせ地方災害中にゴルフだもんな…
それにしても(何度使ってんだ)文春も哀れですな。記者がストーカーするなら夜ひっそりと写真に納めてトンズラするだけ、撮れなかったら引き返してすみま千円で済むのに撮れないからわざわざ白昼の下追跡し本人に「浮気したよな?したよな?」と問い詰める愚かさ。
「自白は証拠にならない」「自白の強要はご法度」というのは義務教育で習った筈なんですが、彼らは義務教育レベルの基礎知識もすっぽぬけてしまったのでしょうか。
それとも「証拠撮れませんでしたorz」「じゃあ貴様クビな」「T^T」という圧力がかかっているのでしょうか?こればかりは量りかねますが、暗雲まみれなのは確かなようです。