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(号外 2016.1.5発行)

ゴーマニズム宣言
「皇位継承は黄信号である」

 昨年12月に開催された宮内庁職員による文化祭に、秋篠宮家の長男・悠仁さまが作られた信号機の模型が出品された。
 その出来は9歳の子供の作品とはとても思えないもので、高さ3.3メートル、横2.4メートルのほぼ実物大で、精巧に模している。しかも実際に点灯し、点灯時間は青51秒、黄3秒、赤53秒と計算されているという。
 悠仁さまは幼稚園の頃、信号機が電球からLEDに切り替わることを聞いて以来、信号機に興味を持たれたという。文献なども参考にされたようで、製作された模型は今ではほとんど姿を消した、1970年前後の電球式信号機を再現したものだった。
 また「赤坂表町」という地名標識が添えられているが、これは秋篠宮邸近くにあった、50年前に廃止された地名だという。
 正確な模型を作る能力といい、今は失われた昔の機種や地名に目をつけるセンスといい、すごい才能である。

 この話題自体は素晴らしいことである。
 だが、これを紹介した週刊文春(2015.12.24)記事のタイトルを見て、途端に苦々しい気分になってしまった。
「悠仁さま9歳にしてこの大傑作
 皇室の未来も“青信号”!」

 ……皇室の未来が青信号だって!?
 まったく、無知は罪だ。せめて勉強する意欲があればいいのだが、その気もない輩が、無責任に脳天気な放言をしてくれるから落胆する。
 皇室の未来には、ずっと前から「黄信号」が点灯している。早急に手を打たなければ、じきに「赤信号」になり、取り返しのつかない事態になってしまうのだ!!
 女性が皇位に就けない現在の規定では、皇太子殿下、秋篠宮殿下よりも若い世代の皇位継承有資格者は、悠仁さまただ一人である。
 今のままでは、皇太子殿下の長女・愛子さまも、秋篠宮家の眞子さま、佳子さまも結婚したら皇室を離れることとなり、いずれは宮家がすべてなくなってしまう。
 そして、悠仁さまが結婚されて、男児が生まれない限り、そこで皇統は断絶!日本から皇室が消滅してしまうのである!!

 皇統断絶を防ぐには、女性皇族にも皇位継承資格を与え、ご結婚後も宮家を創設できるように皇室典範を改正するしかない。
 普通の常識からいっても、世界の趨勢からいっても、女性が元首になることには何の問題もない。
 しかも日本の場合は、歴史上にも女帝はおられた。そのうえ日本の皇室の祖先は「天照大神」という女神なのだ。
 だが、男尊女卑というシナの思想が日本に入り込んでいて、それが日本本来のものであるかのように思い込んでしまった自称保守どもが、皇位継承者は「男系男子」に限ると主張し、女帝にも女性宮家にも強硬に反対している。
 小泉政権下で進められていた、女帝を認める皇室典範改正を独断で潰したのが当時官房長官だった安倍晋三。野田政権下で進められていた、女性宮家創設を認める皇室典範改正を潰したのも、後任首相の安倍晋三である。
 それならば、「男系男子」限定でも安定して皇位継承が行われるように、早急に手を打たなければならないはずなのだが、安倍政権は発足後3年を経過しても、何一つやろうとしない。
 なぜ無為無策で通すかと言うと、もう安倍晋三自身も、「男系男子」限定の継承が無理だと分かっているからである。
 だが、安倍政権のコアな支持層が「男系固執主義者」だから、皇位継承問題に手を付けるのを止めているのだ。