第167号 2016.2.23発行
「小林よしのりライジング」
『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりが、Webマガジンを通して新たな表現に挑戦します。
毎週、気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてクリ!」、著名なる言論人の方々が出版なさった、きちんとした書籍を読みましょう!「御意見拝聴・よいしょでいこう!」、漫画家キャリア30年以上で描いてきた膨大な作品群を一作品ごと紹介する「よしりん漫画宝庫」、読者との「Q&Aコーナー」、作家・泉美木蘭さんが無限に想像をふくらませ、とことん自由に笑える「日本神話」の世界を語る「もくれんの『ザ・神様!』」等々、盛り沢山でお送りします。(毎週火曜日発行)
【今週のお知らせ】
※「ゴーマニズム宣言」…引き続き慰安婦問題について、今週はその「解決」はありうるのかということを掘り下げて考える。慰安婦を「性奴隷」と見做している国際社会をどう説得するのか?日韓関係を改善させるためには何が必要か?反日感情を軟化させることは可能か?日本人はどのような振る舞いをするべきなのか?
※「ザ・神様!」…ご夫婦そろってはじめての共同作業でオノゴロ島をお造りになったイザナギとイザナミ。国生みの誓いを立てたご夫婦は、お互いの“出っ張った部分”と“へこんだ部分”をぴったり組み合わせて、今日もびしばし営みます♥
※よしりんが読者からの質問に直接回答「Q&Aコーナー」!ヴァイオリニスト・高嶋ちさ子の「息子のゲーム機破壊」の件をどう思う?先生の思う「人類の究極の幸福」とは何?パパが100㎏近くまで太り、お腹も出て来た!先生から痩せるよう厳しく怒って!!私が最近見た悪夢を分析してください!新しい大河ドラマ『真田丸』をどう見てる?何歳まで生きたい?…等々、よしりんの回答や如何に!?
【今週の目次】
1. ゴーマニズム宣言・第163回「慰安婦問題『解決』への道」
2. しゃべらせてクリ!・第127回「百発百中?茶魔台国の茶魔呼の亀甲占いぶぁ~い!の巻〈前編〉」
3. もくれんの「ザ・神様!」・第75回「どんな家に暮らしたい?神の生んだ日本の住宅第一号」
4. Q&Aコーナー
5. 新刊案内&メディア情報(連載、インタビューなど)
6. 読者から寄せられた感想・ご要望など
7. 編集後記
第163回「慰安婦問題『解決』への道」 引き続き慰安婦問題について、今週はその「解決」はありうるのかということをもう少し考えてみたい。
先週号で論点整理したとおり、慰安婦問題の「解決」とは決して韓国の納得を得ることではなく、「日本の父祖の歴史の名誉を、国際社会の中で日本人が取り戻し、未来の日本の歴史を作っていく新しい世代に、正しい歴史を受け継ぐことができるようにすること」である。
そこで、どう国際社会を説得するかが問題になってくる。
今や国際社会の中では強制連行の有無は問題にされず、前借金に縛られて強制的に性を売らざるを得なかったとなれば、性奴隷「sex slaves」と見なされるようになっている。
このことに対して藤岡信勝氏は、前借金に縛られるというのはあくまでも雇用契約の一種であり、「身売り」という言葉が使われているとはいえ決して人身売買ではなく、欧米でも徒弟制度の雇用関係などに、普通に例はあると言った。
それは確かにそうだろう。考えてみれば、ドラマの『おしん』を欧米人が見ても、主人公のおしんが米俵一俵で子守奉公に出されるのを「子守奴隷」だとはいくらなんでも言わないはずだ。
だが、労働の内容が売春だったら「性奴隷」になってしまう。そこが本質なのだ。日本人は、特に公娼制度があった時代においては、売春も職業の一種だという認識があるのに対して、キリスト教文化圏では決して売春を職業とは認めない。だから「奴隷」に結びつけてしまうのである。
これはもう捕鯨の問題と全く同じで、今現在の価値観から過去を断罪してしまう。過去は今の価値観とは違うとか、民族によって違うという、「文化相対主義」をキリスト教文化圏の者にも、主張し続ける必要があるだろう。
とはいえ、国連人権委の「クマラスワミ報告書」に書かれた「慰安婦の総数は20万人で、その大部分は殺された」などといった全くのデマは厳重抗議していくしかないし、クマラスワミ報告書も取り下げさせなければならない。
報告書を書いたスリランカ人の女性人権活動家、ラディカ・クマラスワミは当初、慰安婦の何が問題なのか全然わからなかったという。やはり、キリスト教文化の影響が薄い人が見れば、これはどこの国にもある戦場の娼婦じゃないかと思うものなのだろう。
ところが報告書の作成過程で、「強制連行」の吉田清治証言やら、シナの古典の残酷話をそのまま写してきた北朝鮮の元慰安婦証言と称する文書やら、ありとあらゆるデマ話が寄せられた。そして一切検証もせずにそれを全部鵜呑みにしてしまったクマラスワミが、なるほどこれは一大事だと、報告書にまとめ上げてしまったのである。
だから、もしもクマラスワミ報告書がデマだということが国際社会に認められれば、キリスト教文化圏以外からは「じゃあ、何が問題だったんだ?」という疑問も出るようになり、慰安婦問題全体の見直しにつながることもあるかもしれない。
わずかな可能性かもしれないが、まずは事実に反することを訂正させるのが第一歩である。
だが今回安倍政権がやった「日韓合意」は、そのためによかったのだろうか?
むしろ、デマに反論しようとしたら「問題を蒸し返すな」と発言を封じ込まれ、デマが事実として流通していく事態になってしまうのではないだろうか?
今回の「合意」では、それが一番懸念される問題である。
いくら慰安婦問題の解決と日韓関係は別問題とは言っても、わしとて日韓関係は改善した方がいいとは思っている。だが今回の「日韓合意」はどう考えてもその役には立たず、到底評価はできない。
コメント
コメントを書く「よしりんに、きいてみよっ!」の「国会児戯堂で遊ぶ大人たち」面白かったです。
政治家の言動が幼稚化した原因として「自民党若手議員の2012年問題」が挙げられてましたが、僕は最近新聞で読んだ、候補者公募制度も挙げたいと思います。
自民党では2004年から導入され、今は現職が引退した選挙区や空白区では原則公募で、公募議員は全体の4割を占めるそうです。
公募は数週間の書類審査や面接等で選考しますが、公募者の中には複数の政党に応募したり、世論の追い風に乗って「勝てる党」を選ぶ人がいるとの事です。ちなみに育休議員・宮崎謙介や武藤貴也も公募組です。
この公募組が増えたせいで「昔よりハズレが増えた」「公募は失敗だ。一流大を出て海外留学していてハンサムだとか、頭でっかちで現実がわからない人が増えた」と党幹部は嘆いているそうです。
挙げ句の果てに今自民党では、面接等で絞った10人の公募者候補をネット投票にかけ、1位になった人を今夏の参議院選挙の比例代表候補にするプロジェクトを進めています。
党は芸能人のオーディション感覚で選ぼうとし、公募者は一般企業の就活や公務員にでもなる感覚で政治家になりたがる。これじゃ庶民感覚のわからない政治家が大量生産されるのも、無理ないですよね。
僕は政治家が幼稚化したのは2012年問題ではなく、2004年問題と言いたいです。
来週は早々にゴー宣を号外として配信してくださいるとのこと。よしりん先生の書かれたブログが炎上していることは知りませんでしたが、サヨクが叫ぼうがわめこうが、現在あちこちで問題になっている話ですから、先生のさらに踏み込んだ論考を拝読できることがとても楽しみです。
ライジングが始まった頃は、ゴー宣を毎週読めるなんていいのかな?と思ったこともありましたが、これだけいろいろな問題が次から次へとおこるので、リアルタイムで配信されるゴー宣を読み、その都度考えておくことが、何より重要になっている時代なんだと実感します。
連載の締め切りや、ゴー宣道場と重なることもあり、毎週の配信がどれだけ大変なものか、読者としては想像するしかないのですが、どうかこれからもよろしくお願いいたします。
続けてのコメントで申しわけないです。
今日、週刊新潮や文春に目を通したところ、いずれにも今井絵里子のパートナーの話が載っていて、あまりの内容の酷さに驚きました。風俗店を経営していたというだけでなく、未成年者(女性中学生もいたとか)に性的サービスをさせていたことにより、1度ならず2度の逮捕歴があるとのことでした。そういう男を内縁の夫に持つ今井絵理子を公認候補として擁立した仕掛け人の山東昭子に、
「問題はないのか?」
と記者が質問したら、山東議員の答えは、
「彼を更生させた美しい話」
とのこと。一般人レベルの話なら、ふ~ん、そういう男を選ぶもの好きな女もいるんだな、と思うだけですが、参院選、しかも政権与党の公認候補者がそれでいいのでしょうか?
それに今井絵里子ってシングルマザーで小さい子供がいるんですよね?私もシングルマザーですが、小さい子供がいるにもかかわらず、女子中学生含む未成年者に猥褻行為をさせていた逮捕歴のある男を次のパートナーに選ぶなんて、いったいどういう了見の母親なんだ?って思います。同じ立場として本当に考えられません。
そんな鈍感で常識知らず(としか思えない)の女性を参院選の比例候補として擁立する党も吃驚だし、それにホイホイのっかり喜々として立候補しようと思ってしまう本人にも吃驚です。
トロです。失礼します。
時間が経ちましたが、前回&今回のライジング。インフルエンザに罹患されながらも編集長の根性の配信!!そのプロ意識に敬服致します。(でも、ムリし過ぎはいかんですよー。)
あと、こちらも時間が経ちましたが、
2月23日のよしりん先生ブログ『「ゴー宣道場」現実と野望の考察』拝見しました。
「金銭面では「ゴー宣道場チャンネル」の会員が増えてきて、わしの身銭を切る部分がどんどん減ってきている。うまくいっているので、今年も大阪での開催が出来るという見通しがついているのだ。」との事。
実は私は、昨年後半に「ゴー宣道場チャンネル」に入会した者です(汗。
昨年の関西ゴー宣道場の後と思いますが、よしりん先生が道場の運営等についてブログに書かれていたのを見て、「公論の場を無くしてはいかん」と思い、微力ながら遅まきながら加入させて頂きました。
で、入ってみれば色々動画が見られて勉強出来て、良かったなと思っています。それまでの、いちいちチマチマ購入していたのは何だったのかと(笑
話は変わりますが、前回道場の「語らいタイム」拝見しました。「慰安婦問題」についての、よしりん先生ブログの取りまとめページ。ご紹介頂いた「村山談話・河野談話・ゴー宣ネット道場」で検索したら、たどり着けました。私も質問者の方同様、遡ってみて途中で断念していたので。教えて頂いて有難うございました。改めて読み直したいと思います。
【国会児戯堂で遊ぶ大人たち】をタイムシフトで拝見しました!
まずタイトルが秀逸です。
内容も濃密で面白かったです!
ただ個人的には、『天皇論の作者による不敬なギャグ』に大爆笑しました!!
今、思い出しても、もう笑いがとまりません(爆笑)
これだけ爆笑しておいて卑怯千万ですが、よしりん先生、あれはアウトです。
私は笑わされただけ、無罪です(*^O^*)
木蘭さんの「外国人観光客お断り張り紙の経緯」他人事では無くて、興味深く拝読しました。
実は私のお店も、某巨大グルメサイトにエントリーして居ります、
私は今の所、無料会員のままですが、正直有料会員用のカタログ取り寄せて、ゲンナリしました。
何せ、「外国人観光客に如何に来店して貰うか?」がかなりのウェイトを占めている内容だったのですね。
リピーターを増やすや、新メニュー・新サービスを設ける、は、まあ、分かりますが、
見開き何ページにも渡って「外国人観光客!」と書いてあるのには正直びっくりしました、
しかも、其処に付箋まで貼り付けて有りますからね…
あと、情報掲載の仕方にも寄るのかも知れませんが、まだウチの店には来ては居ませんが、
半ばクレーマー気味なお客さんが来店するお店も有るようですね、
このグルメサイトにエントリーする迄は、一度も来た事がなかったようです、しかし一時の売り上げばかりに拘ると、
結果的に質の良いお客さんを失う事に繋がるパターンは多々有るようですね。
ネットでの情報発信はあくまで付録と考え、口コミでの集客を地道に積み重ねる方が、
時間は掛かりますが、確実だと思う今日この頃です。
そう言えばですが、高浜原発が自動(緊急)停止しましたね。
「頑張って動かしたい動かしたい詐欺」が破綻するのは良い事?では有りますが、逆に言えば不安でも有りますからね。
フクイチはどうなってるのか?再稼働した原発はどうなるのか?
未だ福島に置きっ放しの放射性物資汚染廃棄物は今後どう処理されていくのか?などなどふと考えてしまいます。
しかし、人で無しな書き方には成りますが、原発擁護派推進派は、風評被害は早く日本国民全体で払拭だ!
などと言ってますが、その廃棄物を全国で処理されるのは絶対にNO!ですね。
これこそ放射性物資汚染が全国に拡散されるだけです、こんなのを推進・擁護する輩が、
実は非常に沢山居ることにも嫌悪感を抱かざるを得ないのですよね。
強者のふるまい、勉強になりました。
武士的個人主義の人間が、明治政府や軍の主要な部分を占めて居れば、韓国に対してもフィリピンに対しても、道義的な強者のふるまいを出来たのじゃないかと思うと、非常に悔しいです。
立派な人の背中を見ようとする人間って、少ないのでしょうね。でも日本には、その土台がありますよね。天皇と武士の文化が。
先生のブログ、「適菜収の主張に同感〜」に、唸ってしまいましたね、成る程です。
「行動的なバカ」は、要は、デストロイヤー的な要素が多々あるように感じます。
不備は多々あれど、改悪手順しか踏めないので有れば、包丁する事も必要でしょうね、
結局安倍晋三率いる現政府与党は、今迄何とか稼動していたポンコツ車を更にポンコツにしただけでしょうね。
これをスクラップ推進と言わずしてなんとするんだ?と思わずにはいられませんね。
訂正、包丁では無く、放置でした。
なんにもしないバカで居たい、今日この頃です、あ、確定申告はしないとね。