この原稿はケビン・ランデルマンさんが2016年に亡くなったときに掲載されたものです(文・ジャン斉藤)

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・“奇人”朝日昇の「本当に恐ろしい昭和格闘技」

・暗黒・新日本の象徴「アルティメット・ロワイヤル」の裏側■長井満也




宿泊先のホテルから試合会場へ移動するために、付近を走るタクシーを見つけたら、猛ダッシュして確保する。ホテルのロビーからゆっくりと姿を現した藤原喜明を誘導しながら、自らもタクシーに乗り込む。ベテランと新人レスラーの巡業中のありふれた風景に、何か違和感があるとすれば、グリーンボーイにしては筋骨隆々すぎる肉体、髪の色は付き人には不相応な金髪。巡業中の集団の中で誰よりも強そうな風貌である。

「センセー・フジワラは強い。そしてハードボイルドだ」

ニヤリと笑った男は、かつてミルコ・クロコップを絶望の淵に突き落として、エメリヤーエンコ・ヒョードルを脳天からマットに叩きつけた元UFCヘビー級チャンピオンだった。オクタゴンの頂点に立ったこともある男が、日本のサブミッションマスターから、格闘技と人生の教えを請う。プロレスと格闘技がまだらに絡み合っていた時代のことだった。


2016年2月12日、UFCやPRIDEで活躍したケビン・ランデルマンが心不全で亡くなった。44歳の早すぎる死だった。


・ヒョードル「ミルコが本当に負けたのか?嘘つくなよ!」
・アイドルはジミー・スヌーカだった
・居酒屋の藤原教室
・薬物検査「これは人間の尿ではない」
・ランデルマンの最後……続きは会員ページへ

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