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死して斃れるとしても、なお。
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死して斃れるとしても、なお。

2014-12-19 08:40
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     ペトロニウスさんと話していると、時々、「海燕さんはひとの話を聞いてばかりいるのに、ひとに影響されないよね」といわれることがあります。

     まあ、たしかにLDさんとかペトロニウスさんが火砕流のごとく喋るのを始終聞いているわけですが、ぼくはぼくのままで、特に変わらないですね。

     いや、思想的に影響を受けた側面はもちろんあるのだろうけれど、ぼくの芯のところはそのままで、変わらない。

     そこはまあ、ぼくもいい歳ですからね。これがもっと若い子だったりすると破滅的な影響を受けたりするんだろうな、と思います。ものすごい影響力を持った人たちですからね……。

     そういう意味では、亀の甲より年の功というのも、まんざら嘘ではないのかもしれない。

     いまとなっては、小手先のところで影響されることはあっても、ぼくの価値観というかアイデンティティはもう確立されてしまっていて、あまり揺らがないんでしょう。

     それが思い切り揺らぎまくっていたのが思春期の頃で、この頃は色々な人から莫大な影響を受けています。

     ぼくの場合、主に読書の世界から影響を受けたのですが、そのなかでも最も大きく影響されたのが田中芳樹と栗本薫の作品です。

     ぼくの価値観は、ほぼこのふたりの作品からできている。というか、『銀河英雄伝説』と『グイン・サーガ』ですね。この二作でほぼぼくの考え方は決定されているといっても過言ではない。

     このふたりはいずれも幻の雑誌といわれる『幻影城』から出て来た作家で、古なじみのようです。『幻影城』とは、知る人ぞ知る伝説的な雑誌なのですが、田中さんや栗本さんのほかにも泡坂妻夫、竹本健治、連城三紀彦、友成純一といった才能を発掘していることで知られています。

     ここらへんの作家の文庫の解説を読んだりすると、お互いの作品の解説を引き受け合ったりしていて、とにかく仲は良かったようです。

     栗本さんは生前、田中さんのことを「田中くん」などと読んでいましたね。宇宙はどうも苦手だから田中くんに任せるとか書いていた(笑)。

     そもそも田中さんのほうが歳上なんだからさん付けしろよと思うのだけれど(笑)、まあ、それくらい親しい間柄だったらしい。

     数年前、栗本さんと泡坂さんが立て続けに亡くなられた時は、田中さんは落ち込んで体調を崩されたようです。最近、連城さんも若くして亡くなられて、田中さんは寂しいでしょうね。

     最近、連城さんの遺作『女王』の帯に惹句を書いたりしていますが、そういう関係らしいです。連城三紀彦という人も、ちょっと途方もない天才的な作家だったのですが、その話は長くなるのでまたいずれ。

    (ここまで1076文字/ここから988文字) 
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