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小飼弾の論弾 #136 「クラウド前提社会の落とし穴と、「要らない」という言葉のヤバさ」
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小飼弾の論弾 #136 「クラウド前提社会の落とし穴と、「要らない」という言葉のヤバさ」

2019-10-26 07:00

     「小飼弾の論弾」で進行を務める、編集者の山路達也です。
     無料公開部分の生配信およびアーカイブ公開はニコ生・ニコ動のほか、YouTube Liveでも行っておりますので、よろしければこちらもぜひチャンネル登録をお願いいたします!

     今回は、2019年9月3日(火)配信その1をお届けします。

     次回は、2019年10月29日(火)20:00の配信です。

     お楽しみに!

    2019/09/03配信のハイライト(その1)

    • クラウドを前提にした社会とオフライン
    • リムーバブルメディア用ファイルシステムの標準について
    • PowerPCのオープンソース化とRISCとCISCの違い
    • 「reliableでなくなった」SMS認証とAMラジオ廃止
    • ブラジルの火災と「脳と腸の神経はあまり変わらない」
    • 週刊ポストの「一線を超えた」ところとは

    クラウドを前提にした社会とオフライン

    【00:00:00】

    山路:今日はタイトルに書いてあったように年金の話、もうなんか若い奴は一体いつまで働けばいいんだ? みたいな話の年金の話とか、あとはイギリスの議会で議会が閉会するんじゃねえかとか、あとはもう1つ、日韓問題がまた燃えてますよね。

    小飼:もうあれだよね、もう……。

    山路:燃えてないところがない。

    小飼:燃えてないというのか、ニュースがもうトライアスロン会場みたいになってるよね、なんか。

    山路:ネタ切れに困ることがないですもんね、いいことなのか、悪いことなのか。

    小飼:いやまぁ皆さん、鼻が痛くなってきてませんか?

    山路:え? なんかキナ臭い感じで。

    小飼:いやもう……。

    山路:嫌なニオイで。

    小飼:ちょっとクソのニオイですね。

    「(週刊)ポスト」(コメント)

    小飼:はい、それやります、ちょっと。本当はあんなクソみたいなのはスルーしたいところなんだけど、これはちょっとスルーしちゃヤバいなというところが1つだけあるので。ポストの問題もトリエンナーレの問題も。

    山路:じゃ、とりあえずちょっと最新のニュースというわけじゃないんですが、先週かなり、特にIT業界人を騒がせたでかいニュース、AWSの話から行ってみましょうか。

    小飼:はい、でもあれは確かにいっぱい語ることはあるねというか、やっぱり物理が怖いねという。

    山路:ほう、そのAWS、Amazonが提供しているクラウドサービスが、東京リージョンの1つのサーバセンター。

    小飼:なんか冷却が。

    山路:サーバの冷却が上手く行かなくなってそれが止まって、その影響がめちゃくちゃ大きかったんですよね。

    小飼:はいはい。

    山路:たとえばメルマガのサービスみたいなものだったりとか、ソーシャルゲームだったりとか、あと私、ドコモのシェアバイク使ってるんですけど、その日は……。

    小飼:えーなんか凄い1番物理的なダメージを受けたのは、ドコモのシェアバイクの人たちだという。

    山路:その貸し出しも返却も出来なくなって。

    小飼:うん、なんも出来なくなってお手上げ状態になったという。

    山路:そうそう、更にドコモのシェアバイクって、最近そのUber Eatsの配達にも使われてるんで。

    小飼:確かに見かけるね。

    山路:そうそう、だからUber Eatsの配達にも二次災害的に影響があったみたいですよね。

    小飼:ああみたいということは、山路さんはあれなのか。

    山路:その日は幸い外に出てなかった。

    小飼:勿体ねえ、勿体ねえ。

    山路:アハハ。れ仕事とかで焦っている状態でシェアバイクとかに乗ってたら、これ死んでますよもう(笑)

    小飼:いや死んでますね、うん。

    山路:いや本当にヤバかった。

    小飼:でも、ああいう認証系がクラウド、要はそうそうロック、アンロックも出来なくなっちゃたんですよね、ドコモのシェアバイクというのは。

    山路:らしいですよね。まぁロック自体は出来ても、それが認識されないということですよね。鍵自体は物理的なものなので。

    小飼:うん、まぁアプリがショボいという言い方は出来ますよね。というのも、たとえば、だからユーザーの携帯を一時的なキーにした上で、実際のロックアンロック、施錠、解錠というのはBluetoothか何かでやるというふうにすればネットワーク依存は、サービスの開始終了というの必要ですけど、でもその場でアンロック出来ないというふうになったら、これは……。
     なんだけども、確かに今どきの我々というのは、ネットが当たり前に、クラウドが当たり前に動いているということを前提にしすぎるというのに、確かに軟弱になった。『ポケモンGO』とかも、本来であれば位置というのはクラウドとは関係なく携帯は取得できますよね。

    山路:ローカルだけで、ある程度ゲーム出来てもいいはずなのに。

    小飼:ローカルだけでもたとえば、ポケストップとか回そうと思えば出来るんですよ、原理的には。ところが『ポケモンGO』というのは、本当にどんな些細なことをしても、要はユーザーの状態が僅かでも変わったら、それをクラウドに反映させようとするわけですよね。

    山路:あれってでも、ちょっと前まで、最近廃止されましたけど、Apple Watchとかのヘルスアプリとかと連携してたじゃないですか、『ポケモンGO』、あれなんかっていうのは後でデータを同期するようになってたから、別にそういうなんか使い方……。

    小飼:え? そうだったっけ?

    山路:確かヘルスアプリでカウントしたものに関しては、その『ポケモンGO』のアプリを再起動した時に……。

    小飼:ああそれ違う、それぜんぜん違う。

    山路:そうじゃなくて、そのつまりデータがそのエッジというか、インターネットとやり取りしないところでも、けっこう遊ぶように作り込むことは出来るはずよねということを言いたかったんですけどね。リアルタイムにはアプリ自体が動いてなくても。

    小飼:まぁ要は『ポケモンGO』を動かしてない時に。
     歩いた距離とかっていうのを後でカウントするという。だけれども、それもまた実際にカウントする時にはネットにアクセスするわけですよね。
     要はだからマスターのデータベースというのは、クラウド上にあるというのが大大・大前提なんです。
     だからログイン出来れなければゲームも開始できない。
     そもそもそこまで普段は当てにできるようになったものなのだなというのがちょっと感慨深いところがありますよね。

    山路:このAWSの障害が起こって、新聞なんかでこういうクラウドとかに頼りすぎるのは、如何なものかみたいな論調のそういう記事とかも出たりしたんですけども。それに関してはどう思います? そんなんAmazonみたいな、AmazonのAWSみたいに広くもう使われるようになったものとかに、ぜんぜん頼らないで、オンプレミスでシステム全部組めるわけでもないじゃないですか。

    小飼:うん、ないけれども、なんらかの理由でアクセスできなくなるものなんだよっていうのは、やっぱり常に念頭に置いておかないと。
     『ポケモンGO』みたいな割り切りもいいんですよ。クラウドにアクセス出来なかったらゲームも起動できません。以上。

    山路:それが本当にさっきの物理の鍵とかが動く自転車だったり、家の鍵みたいなもんだからね。

    小飼:そうそう、だからアプリ次第なんですよ。『ポケモンGO』は待てばいい。たとえばしあわせタマゴとかは開けた途端に落ちてたら、そりゃブチ切れるかもしれないですけど。

    山路:そこはキレるんだ(笑)。こんなに冷静に今、言ってるのに。

    小飼:ゲームとかに関しては、そういうことが起こっても、詫び石というあれじゃない、キラーレメディがあるじゃないですか。

    山路:アハハ、キラーレメディなんだ。

    小飼:キラーレメディですよ。だけどシェアバイクとか死にますもんね。

    山路:けっこう場合によっては、人死にとかに繫がることも充分にありえるじゃないですか。弾さんのところはちなみにこの影響ってそんなになかったんですか? サービスとかいろいろやってたりするけど。

    小飼:本当に首の皮一枚というのか、本当にかすりはしたけども、落ちはしなかったけどもね。

    山路:ほう、このAWSの障害にしても、東京リージョンを同じ様に使ってても、システムの組み方によって、まぁ問題がなかったところもあったりとかするっていう。

    小飼:そうなんですよ。

    山路:それって何というのかな、たまたまその障害が避けられただけで、違う形でのトラブルだったらそういう別の組み方してても落ちたかも?

    小飼:まぁ1番何が良かったいったら、運。うん(笑)。すみませんはい。

    山路:なるほどね。これはもう本当に何というか、落ちてもいいような鍵だったらちゃんと物理的にある意味開けられるような仕組みを用意しておくとか、そういうような用心をアーキテクト段階で。

    小飼:というよりも、オフラインになった時にどうする、どういう振る舞いをするのかっていうのは、やっぱりきちっと考えておかなくてはいけなくて。確かにゲームであればもう単にゲームを始められない。ゲーム上で不整合があったら、アプリごと落としちゃう。ハリー・ポッターとかそうですよね。本当にNianticって、そういうところはクオリティ低いなと。

    山路:まぁ割り切りがいいと。

    小飼:割り切りがいいとも言えますけどね。対障害性を上げたところでユーザーが喜ぶかっていたら、あまりそうも思いませんもんね。でも、その一方でシェアバイクの鍵がクラウドにアクセス出来ないとというのは、まぁでもシェアバイクもけっこう深刻だよね、モビールだから、これが車とかだとけっこう。

    山路:本当に道路のとこで。

    小飼:もっとえらいことになるよね。

    山路:立ち往生みたいなこともあるかもしれないわけだし。

    小飼:そうそう。

    山路:いやいやけっこう未来の肝の冷える事件だったのかなという気がしますけどね。将来的にでかいことになったかもしれない。

    小飼:でも滅多に起きないというのであれば、『ポケモンGO』みたいな割り切り方も出来るんだなという。割り切り方しても、少なくともユーザーが離れるということはあんまりないですよね。
     甘えられるというのはいいことですよ。はい、だからゲームというのは、そういう意味ではエンターテイメントであるっていうこと自体が甘えかもしれないですね。

    山路:まぁTwitterとかのタイムライン見ると、ソーシャルゲーム止まってブチ切れている人はいっぱいいましたけどね(笑)

    小飼:うん、まぁだからいいじゃん。最悪詫び石でいいんだから。皮肉にも『ポケモンGO』が使っているのはAWSじゃなくて、GCPなので今回全く無関係だった。

    リムーバブルメディア用ファイルシステムの標準について

    【00:11:03】

    山路:じゃあ次。MicrosoftのexFATというファイルシステムがLinuxのカーネルに入る。

    小飼:驚きゼロなんですけども。

    山路:そうなんですか?

    小飼:逆になぜ、ずいぶん動きが遅いなMicrosoftっていうのが、正直な感想で。

    山路:これってMicrosoftがexFATっていうのは、これはもうSDカードなんかでも使われているファイルシステムという。

    小飼:ええとですね、けっこうですね、リムーバブルメディアのファイルシステムをどうしようかっていうのは、ちょっとした危機の中にあったんですよ。どういうことかといいますと、リムーバブルメディアのファイルフォーマットというのは、もうかつてはたった1つしか考えなくてよかったんですよね。

    山路:FAT?

    小飼:exなしのFATですね。

    山路:昔ってけっこう動画ファイルのサイズとかも何GBまでとか、凄い制限がありましたよね。あれってやっぱりFATの制約によるものなんですか?

    小飼:はい、VFATになった時、少しはマシになったんですけども、それでもFATというのは、たとえばファイル1個が4GBのものというのは扱えないんですよね。扱いようがないんですよね。ところが今それくらい、昔だったらそんなバカでかいファイルなんてありえなねえと思ってたら、普通のDVDのイメージというのはもうそれを超えちゃうんですよ、4.7GBですから。
     だから今やOSのインストーラーのイメージ1個、FATには置いておけないんですよ。ファイル名の問題とかそういうのを云々にして。これがネットワーク経由であれば、あんまり問題はないんですけども、でもすべての、なんでもかんでもネットワークというわけにはいかないですよね。
     リムーバブルメディアというのは、だから今もあちこちでいっぱい使われているわけです。じゃあそれをどうやってフォーマットしましょうということで、もうFATは破綻してたんですよね。ムービーファイルを落とせない。ディスクイメージを落とせないということで。

    山路:それをなんとかするためにexFATっていうのを開発した。

    小飼:出来たんですけど、世界がWindowsで閉じてたら、その状態で良かったんですけども。

    山路:これちなみにWindowsって、ファイルシステムとしてはNTFSってあるじゃないですか。なんでこういうSDカードのほうでNTFSは使わなかったんですか?

    小飼:NTFSというのはですね、これ、なかなかヘビーウェイトなファイルシステムなんですよね。

    山路:それはシステム側に負担を要求するということですか? 演算処理とか。

    小飼:ということもありますし。

    山路:じゃSDカードなんかそういう小さい小型機器に、単独の小型機器なんかにそういう演算処理とか持たせるのは、ちょっと重いみたいな。

    小飼:はい、でもじゃあ、ちょっとした機器にあったっていって、なんで大騒ぎにならなかったかといったら、Macも対応してたんですよね。exFATに。ですけれども、NTFSもexFATもproprietaryですよね。

    山路:オープンソースではないと。

    小飼:はい。

    山路:そういう状況だと、つまりきちんとそのexFATの正式に動作するよって保証された形でOSが使えない。

    小飼:できないわけです。

    山路:Linuxだったりとか。で、Microsoftが、特許とかを主張しないでもLinuxカーネルにexFATを入れてもいいですよというふうにやってきたという。

    小飼:だから、本当に単純なリムーバブルメディア用のファイルシステムというのの、スタンダードが失われてた状態なんですね。だからこれでexFATになるのかなあ?今ちょっと大きなUSBメモリとかSDカードとかっていうのは、NTFSが多いですよね。32GB超えちゃうと、もうFATもどうしようもやりようがなくなっちゃうので。

    山路:Appleなんかも最近、APFSでファイルシステムを刷新しましたけど、あれはやっぱりAppleで閉じてる。

    小飼:あれはちょっと用途が、もう完全にAppleで閉じてるし、もう完全にデバイスのインターナルのOSを起動するメディアという位置づけなので、そもそも外付けメディア、あんまり当てにしてないというか。

    山路:なるほどね。しかしなんかMSとか本当にずいぶん、このLinuxも含めて、オープンソース文化に親和性が高くなってきましたよね。

    小飼:うん、だけどそれを言ったらNTFSをキチッとオープンソースにしてほしいね。

    山路:ああ、今のLinuxでNTFSを扱えるっていうのは、Microsoftではない人たちが勝手に実装しちゃってる。

    小飼:だから、リバースエンジニアした結果なんですよ。

     
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