e166ff311da36258e96e49e429cab2771beded91
現役時代は「ムエタイキラー」として名を馳せ、「キックぼんやり層」にその面白さを解説してくる鈴木秀明氏。今回のテーマは「ペトロシアンvsペットモラコット」問題を解説します! 



――ONEで行なわれている優勝賞金100万ドルのキックボクシング世界トーナメント1回戦で、優勝候補ペトロシアンがムエタイの超強豪ペットモラコットに1-2の判定で敗れましたが、1ラウンドに猛攻を見せたペトロシアンの勝ちという声が試合直後からあがっていました。そしてONEのチャトリ代表がSNS上でノーコンテストを発表。その理由は2ラウンド以降に試合を支配したペットモラコットの首相撲がイリーガルな攻撃だったとのことです。

鈴木 いろいろと騒ぎになってますね。ONEの立ち技って今回にかぎらず、見ていてわからないことがけっこう多いんですね。たとえば以前ONEで工藤(政英)選手とシントンノーイ・ポー・テラクンがキックボクシングルールでやったときも、RISEの判定基準だったら工藤選手の勝ちに見えたんですが、首相撲で試合を支配していたシントイノーイの判定勝ちで。どういう判定基準なのか見えなかったんです。

――ONEにはキック部門以外にムエタイ部門もありますよね。で、キックもムエタイもグローブではなくオープンフィンガーグローブで戦うときもあって。 今回のペトロシアンvsペットモラコットはグローブマッチで。

鈴木 オープンフィンガーとグローブのときの判定基準もよくわからないことがあるんですね。ボクの解釈の中ではオープンフィンガーはムエタイルール、グローブのときは K-1やRISEルール……と勝手に解釈してたんですけどね。でも、なんか違うみたいで(笑)。

――鈴木さんでさえも、イマイチ把握できてないところがあるんですね。

鈴木 それは海外団体なので、どうしても伝わりづらいところは出てきちゃってますよね。 ONEの日本大会のときもケビン・ベリンゴンとビビアーノ・フェルナンデスのMMAの試合がありましたよね。あのときはビビアーノが反則攻撃を食らったあとに、なんの説明もなく試合が終わったじゃないですか。

――公式発表では反則勝ちでビビアーノが新チャンピオンになりました。

鈴木 会場で英語のアナウンスはあったんですが、レフェリーはビビアーノの手を挙げることもなく、ベルトもどうなるかわからないまま次の試合に移って。英語のアナウンスでなんとなくわかっても現場で観戦してて納得できなかったんですよね。

――これがもしRIZINの堀口恭司vsコールドウェルがあんな風に処理されていたら、日本のファンは大激怒するでしょうね(笑)。

鈴木 たしかに(笑)。

――「海外のイベントで外国人同士の試合だから仕方ない」っていうに諦念気味なところもあると思うんですね。

鈴木 そういうことなんでしょうね。話をペトロシアンの件に戻すと、ONEのパンフレットには簡単なルールは記載されてるんですけど、キックルールもムエタイルールも「相手を掴む行為」は禁止になってます。パンフには書いてないですが、首相撲は3秒までならオッケーらしいですが。 

――ただ、今回のペットモラコットの首相撲は、攻撃を伴わない消極的なクリンチであり、レフェリーが警告を怠ったからノーコンテストだという解釈みたいですね。<会員ページへ続く>
この続きと、堀口恭司、武尊vs皇治の乱闘、追悼・青木篤志さん、天心vs亀田…などの記事がまとめて読める「12万字・記事22本の詰め合わせセット」はコチラ 


この記事の続きだけをお読みになりたい方は下をクリック! 
1記事80円から購入できます!