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対抗戦激勝で世界に実力を証明! ベラトール日本大会でベラトールのイララ・ジョアニをパウンドアウトした渡辺華奈インタビュー。2017年のMMAデビュー以来、いまだ無敗。柔いまやRIZIN女子フライ級を牽引する渡辺に今回の試合と、柔道からMMA転向した当時の決意を振り返ってもらった(聞き手/松下ミワ)
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・「神興行(C)RIZIN」を12000字で振り返るRIZIN広報・笹原圭一インタビュー
――年末のベラトールとの対抗戦に勝利されたことで、たくさん取材を受けられているみたいですね。
渡辺 そうですね、ありがたいことに。自分でもかなり大事な試合だと思っていたので、この反響はうれしいです!
――今回のイララ・ジョアニ戦は「渡辺華奈はどこまで世界に通用するんだ?」というテーマで見られていましたもんね。
渡辺 その見方は自分自身にもあって。「自分がどのぐらい世界と戦えるのか」を確認したいということが、今回の試合のモチベーションになりましたね。あとは、対抗戦という意味合いもあったので、それも含めて意識しました。女子選手は自分だけだったし、これで自分が負けてしまうと「RIZINの女子は大したことがない」と思われるだろうなって。そうなったら他の選手にも失礼ですもんね。
――あらためて今回の試合をどのように評価されてますか?
渡辺 自分はまだ格闘家として「立ってよし、寝てよし」のスキルを身につけているわけじゃないので、自分の持っている“札”での戦いという意味では、うまくできたのかなと思います。
――1ラウンドからイララ選手は打撃でガンガンきてましたけど、焦りませんでした?
渡辺 最初、私も打撃をやろうかなと思ったんですけど、向こうの打撃がけっこう強かったんで「よし、寝よう!」と(笑)。そこはすぐに切り替えました。とくに1ラウンドの最初のほうは、お互いに体力がマックスじゃないですか。向こうは勢いがあって強いなと思いましたし。
――効いた打撃もあったということですか?
渡辺 うーん、何発かいいのが当たったんですけど、意識が飛びそうなほどの打撃ではなかったですね。
――そこを一歩前に出て組みついたわけですね。フジメグさんのお話では「被弾しても前にで続けたのが勝因だ」と言われていたんですよ。
渡辺 それは、うれしいですね! その部分、ホントに意識していたので。イララ選手の映像を見る中で、自分の打撃に引いてさばく相手に対してはガンガン前に詰めて戦っていたんですよ。だから、絶対に後ろに下がらないというのは決めていて。前に出ながらしっかりガードして組んでいくというのを意識していました。
――渡辺選手のヤスティナ・ハバ戦では、なかなか相手を捉えきれないシーンもありましたが、今回はそこの意識が違ったんですね。
渡辺 自分も打撃を練習する中で、相手が下がってガードしていたらやりやすいですしね。相手に出てこられる方がイヤなんで、精神的な部分も含めて絶対に引かないということは決めてました。
――組んだらこっちのものだという勝算はあってですか?
渡辺 そこも試合前は「どうなのかな?」と思っていたんですけど、試合で実際に組んだら自分に分があるなと思ったので。組んだら寝かすことは絶対にできると思っていて、そのあとの寝技の攻防で自分が上になったときに、下から極められる気も逃げられる気もまったくしなかったので「これは自分が上だな」と。
――最初のグラウンドの攻防で実力を確認できたんですね。
渡辺 でも、打撃では向こうが同じことを思っていると思うので、そこは心理戦というか。もちろん、練習だったら自分より打撃が強い相手とでも最後まで頑張ってやるんですけど、試合だとそれじゃ勝率が下がってしまうので。
――その切り替えが見事にハマったということですね。
渡辺 もともと相性は悪くないなと思っていたんですよ。いままでは「とにかく渡辺とは寝技をしない! 絶対に組まない!」という戦法を取られることが多かったんですけど、イララ選手はたぶん組みにも自信があるんですよね。だから、テイクダウンに対しても、そこまでディフェンスしてこないんじゃないかと思ってました。
――なるほど。自信があるからこそ、イララ選手は寝技を警戒しなかった。
渡辺 そうしたら、やっぱり相性は悪くなかったです。強いけど。
――2ラウンド、けっこう下の状態で押さえ込まれるシーンが続きましたけど、そこも慌てることはく。
渡辺 自分が投げたあとに上を取られてしまったのは「あ……」と思ったんですけど、壁につけてからの展開が向こうはなかったので。
――ずっと押し込んできていましたもんね。
渡辺 しかも、「……こ、これは!」と思ったんですよ。「堀口選手と一緒だ!」って(笑)。
――ベラトールで、ダリオン・コールドウェル戦を戦った堀口恭司が乗り移った!(笑)。
渡辺 あの試合を見るかぎり、下でもコツコツとダメージ当ててるほうが優勢という判定だったので、背中をつけずにパウンドとかサブミッションアタックとかをされなければ、相手が優勢というわけでもないなって。なので、セコンドの声を聞きながらコツコツ当ててました。
――それはもう、堀口サマサマですね!
渡辺 フフフフ。自分は堀口選手みたいにスキルの高いことはできないけど、これしかない! と思いました。
――そして、最後まで一本・KOを取りにいくという姿勢を崩さなかった姿も、見ていて気持ちがよかったです。
渡辺 自分もずっと極めにはいきたかったんですよ。グラウンドコントロールの極めまでの流れというのを、本当にいろんなパターンをずっと練習していたので。その中の一つとして、練習どおりに身体を動かしてTKOに持っていけたのはよかったですね。
――セコンドからも「あと1分しかないぞ!」と声がかかっていて、セコンドと一緒に完全決着を取りにいっている感じでしたよね。
渡辺 でも、あの声を聞いて「えっ! もしかして負けてるのかな……」とも思いました。
――ああ、「極めにいけ」というより「負けているから動け」と。そこは今回ユニファイドルールだし、判定がどっちに転ぶかわからないという意識もあったということですか?
渡辺 たぶん判定でも自分じゃないかなあとは思っていたんですけど、1ラウンド目は打撃を当てられているし、2ラウンド目も壁に押し込まれていたというのがどう評価されているのかわからないし。「判定はどうかなあ」というのはたしかにあって。だからTKO勝てたというのはよかったですね。
――今回、北米で活躍している選手に勝てたことはやっぱり自信になりました?
渡辺 ホッとした……というとおかしいですけど、自分のやってきたことが通用してよかったなと思います。でも、試合が終わったあとに、変な間があったから、「え? もう1ラウンドあるんだっけ?」と思ったりもしましたけど(笑)。
――ああ、進行がベラトール仕様だから、勝ち名乗りのタイミングがいつもと違いましたよね(笑)。
渡辺 待っているあいだ、「これ、なんの時間だ?」と思って相手を見てみたら、相手はTシャツ着たり帽子を被ったりしていたので、「しまった、その時間かー! 柔道着しか持ってきてないわー!」って。しかも、試合後のインタビューも「マイク、自分で持つの? 持たないの?」みたいな。
――それはある意味、ベラトールでの試合を満喫したってことですね(笑)。でも、渡辺選手って海外選手とも何戦か戦っていますが、これまで試合でフィジカル負けしたなという体験ってありました?
渡辺 女子相手では、いまのところないですね。普段、男性としか練習していなくて、さすがに男性には全然負けますけど。
――それはやっぱり、柔道時代に鍛えられたその鋼の肉体のおかげで?
渡辺 まあ、筋トレをするようになったのは柔道時代、63キロから57キロに階級を下げることがきっかけでしたけど、たしかにそのおかげかもしれないです。
――今日は、その柔道のお話も含めておうかがいたいなと思うんですが、そもそも渡辺選手が柔道を始めたのって7歳からですよね?
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