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スポーツ紙の中ではダントツにプロレスに強い「東京スポーツ」の記者としてプロレス団体の運営にも関与してた寿浦恵一氏インタビュー。至近距離から見た三沢光晴、冬木弘道、大仁田厚の姿とは? 平成プロレス史の裏側を覗き込む16000字インタビュー(聞き手/ジャン斉藤)


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――
『東京スポーツ』のプロレス担当記者だった寿浦さんは、90年代は大仁田厚率いるFMWのブレーンだったそうですね。

寿浦 まあ、ボクは大仁田がどんどん駆け上がっていくのを助けた、という感じですかね。なぜそういう役目になったかというと、大仁田が「どうすればFMWが『東京スポーツ』で一面を飾れるか」ということを相談してくるわけです。

――『東スポ』の記者に聞くのが一番手っ取り早いですね。

寿浦 だから、こっちも「こうしよう、ああしよう」と提案して。ミスター・ポーゴと一緒に仏壇屋で「大仁田の戒名を作りましょう」とかね。

――そういう小ネタも含めて大仁田さんと話をしながら作っていってたと(笑)。

寿浦
 たとえば「この試合は負けてくれます?」とかね。

――
あ、試合の中身まで。

寿浦
 それでストーリーがどんどんと転がるようになるじゃないですか。そうすると「次どうする?」から「もう任せる」という感じになっていって。「任されても困るんだよなあ」という感じでしたけど。

――
FMWのかなり深いところまでタッチしていたんですね。

寿浦 馬場さんや猪木さんに電流爆破デスマッチのオファーしたときもあるんですよ。

――
それはメチャクチャ興味深いです!

寿浦
 馬場さんのときは同席してないんですけど。大仁田は馬場さんと元子さんとゴルフショップで話をしたらしくて。馬場さんいわく「大仁田が“バリバリ”に入れって俺に言ってるんだけど、どうしようかね」って。

――
“バリバリ”(笑)。

寿浦
 最終的には馬場さんは断るんだけど、大仁田に「その前に、オマエよ、ゴルフショップに来たんだからなんか買ってけ」ということで、大仁田が1本6万円だか8万円だかで買ったというドライバーがなぜかウチにあるんですよ(笑)。

――
証拠品なわけですね(笑)。

寿浦
 それがそのときのドライバーだという証明は何もないんですけど。で、猪木さんのときはボクが立ち会っているからホントの話。ただ、新日本側は永島(勝司)さんだけで猪木さんは来なかったですね。

――
当時猪木さんの参謀だった永島のオヤジ。

寿浦
 浦安のホテルで会って「電流爆破できます?」という話をしたら、ああいうかたちで爆破のリングを作るのはノーだと言ってました。でも、リングにたどり着くまでにトラップがあるというのだったらOKと。

――
リング到着までにトラップがあるって意味がわからないですよ!(笑)。

寿浦
 でも、それじゃ意味がないからノーサンキューということで、交渉は決裂したんですけど。あのアイデアはたぶん永島さんの単独だと思う。

――いやあ、今日は凄く興味深い話が聞けそうです! そもそも寿浦さんはいつ頃からプロレス界に関わるようになったんですか?

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