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北米MMAを知り尽くした男・水垣偉弥が語るピョートル・ヤンvsアルジャメイン・スターリング不完全決着(この記事はニコ生配信されたインタビューを構成したものです)
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――UFCバンタム級タイトルマッチのピョートル・ヤンvsアルジャメイン・スターリングは4R目にヤンがグラウンド状態のスターリングに反則のヒザ蹴りを放ってしまい、スターリングは戦闘不能に。反則負けで王座交代という決着でした。
水垣 ホントにビックリしましたね。
――反則決着シーンはあとで語ることにして……反則で王座を失ったとはいえヤンの強さが浮き彫りになった試合でしたね。
水垣 スターリングは試合全体を通してキツかったですよねぇ。個人的に勝負どころだと捉えていたのは、レスリングの強いスターリングがヤンの足を触ったところなんですよ。スターリングは相手の足にさわれば強い選手で、ヤンの場合はさわられても体勢を切り替えてテイクダウンさせないのが特徴としてあって。
――さわると強いスターリングと、さわらせても強いヤン。
水垣 どっちに傾くのかな……となったときにスターリングが序盤から足をさわったのに、あっさり諦めるというか、ヤンの身体から離れてしまうシーンがあって。これはヤンに流れが傾くかなと思って見てました。
―― それはヤンのテイクダウンディフェンスが優れていたから、っていうことなんですか。
水垣 そうですね。そこはすごい細かいところなので見ててもわかりづらいんですけど。組んだときの腰の角度や体重のかけ方なんかで、テイクダウンを狙った選手が「これはダメだな……」と思わせるような身体の使い方ができるんでしょうね。ただ意外だったのはスターリングが打撃でガンガン攻めていたじゃないですか。
――1Rと2Rの打撃の手数でいえば、スターリングでしたね。
水垣 ヤンってどの試合でも1Rは様子を見るんですよ。 3Rマッチでも1Rは様子を見ちゃったりするし、今回はタイトルマッチで5Rだから必ず1Rは様子を見てくると考えたスターリングが確実に1Rを取りに行く戦略を組み立てたのかなと。
――スターリングのパンチに対してヤンをガードを固めて対応してましたね。
水垣 ヤンは自分の目に頼らないで、手でしっかりガードを固める印象がありますね。
――ジャッジの印象はどうなんですかね?
水垣 いや、かなり悪いと思いますよ。ヤンは1R後半にパンチを当ててバックを奪いましたけど、あのシーンがなかったらスターリングのラウンドだと見てました。
―― 2R以降がヤンがゲームを支配していくような印象を受けました。
水垣 徐々にペースを掴んでいきましたね。ただ、2Rもスターリングのラウンドだったと思うんですけど。手数を出していたし、ケージに押し込んでる時間もすごく長くて。 印象だけでいえばスターリングのラウンドだったと思うんですけど、このあとの展開を考えたらスターリングは苦しくなるなって見えちゃう内容でしたね。
――このままだとヤンの牙城が崩せないんじゃないかという。
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