RIZIN神戸大会で鹿志村仁之介と対戦する安井飛馬インタビューです！（聞き手／松下ミワ）
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――RIZIN神戸大会で鹿志村仁之介戦が発表されましたけど、記者会見のやりとりがかなり炎上気味ですね。
安井 ああ～、なんか切り抜き動画とかちょっと見ましたけど、たしかにけっこう盛り上がってますよね（笑）。
――安井選手は、9勝すべて一本勝ちの鹿志村選手に「寝技で極めたい」と宣言して。それに鹿志村選手がカチンときてましたが、安井選手としては煽ってるわけではなく、素でしゃべっているだけなんですかね。
安井 ですね。もう完全に素です（笑）。でも、鹿志村選手の試合映像とかちゃんと見返してみたら、やっぱりめっちゃ強いなって思いました。
――えっ、それまであんまり見てはいなかったんですか？
安井 いや、見てたんですけど（笑）。でも、それを含めてぜんぜん寝技でも対抗できるし、「いけるぞ！」と思ってます。というか、この試合ってやっぱりMMAなんで。一番は自分の戦い方をできればな、ということですね。
――鹿志村選手の試合映像を見ても「寝技でも全然負けない」と思ったんですよね？
安井 えーっと、なんだろう。ボク、凄い寝技に自信があるんですよ。
――めっちゃストレート！ たぶん鹿志村選手はまた怒ると思いますよ（笑）。
安井 フフフフフ、でもホントにあんまり負けるイメージがないですよね。てか、やっぱ自分が隙を見せなければ、引っかからないと思うんですよ。攻防の中で隙が生まれると取られるリスクもありますけど、そこは対処していきたいなという感じです。
――鹿志村選手の流れるような寝技も対処できますか。
安井 対処できるし、しかもやっぱこれって寝技だけじゃなくてMMAなんで。また展開も全然違うと思うし。そこはいろいろ変わってくるんだろうなと思うんで、めちゃめちゃ自信ありますね。まあ、あんまり言えないですけど、いま対策に取り組んでる最中なんで。
――それは楽しみですね。ちなみに会見で「ボクは柔術の世界王者にも練習であまり負けない」という発言がありましたが、あの世界王者というのはいったい誰なんでしょう？
安井 それ、周りの人にもめっちゃ聞かれました（笑）。（朝倉）未来さんや（竹浦）正起さんにも「あれって誰のこと？」と聞かれましたし。
――JTTでも話題に！（笑）。
安井 というか、世界王者って世の中に何人かくらいしかいないらしいですね。
――そりゃそうでしょう！（笑）。
安井 なんかアレなんですよ。ボクの地元に柔術の世界大会で優勝している人がいたんですよね。柔術って、たしか2つぐらい大きな団体があるんですよね？
――IBJJFとか、SJJIFとかですかね？
安井 そのどれかの大会で、たしかそれが世界大会だったような……。
――凄くぼんやりしてますけど（笑）。
安井 いや、絶対あの人はチャンピオンだったんで、だいぶ強かったんですけど、全然負けてなくて。ボクもサブミッションを取りにいこうかなという感じだったんですよ。名前までは覚えてないんですけど。
――決してウソではない、と。
安井 それはまったくウソじゃないです。その宮崎の地元の柔術道場はヒクソン・グレイシーの孫弟子のブラジル人の方が教えてるんですよ。ボク、地元にもよく帰るんですけど、この前も教えてもらって。そこは海外からいろんな選手が来るんですよね。イギリスから来たりとか。
――じゃあ、その中にひとりぐらいチャンピオンが混じっていたんじゃないかということですね。
安井 いや、その人は世界チャンピオン……だと思うんですけどねえ。
――だと思う（笑）。
安井 なんか表彰台に上がってた写真もちゃんとあったんで。
――証拠があった（笑）。鹿志村選手と安井選手はじつは同い年でもあるんですよね。2人ともプロフィールに「24歳」とありましたが。
安井 同い年なのかな？ たぶん向こうがひとつ下ですね。ボクは今年が25歳で、鹿志村選手は24歳。
――あ、そうだったんですか。ズバリ言って安井選手のほうが年下に見えました（笑）。
安井 ボクもビックリですよ。年上の選手だと思ったんで。
――鹿志村選手ってだいぶ大人の雰囲気ありますよね。
安井 逆にボクがガキんちょっぽいのかな？ ボクも今回バンタム級に落として、ここからいろんな選手を倒していきたいなと思ってるんで。やっぱりこの対戦は同世代ということもあるし、初戦は絶対に落とせないなと思ってます。
――バンタム級に落とすこともまた大きな決断ですよね。
安井 たぶん適正体重はバンタム級なんですよね。フェザーで試合をしているときも「まだ全然落とせるな」って。
――でも、当初はフェザーよりもっと上の階級でしたよね？
安井 もともと柔道では73キロ級だったし、最初ブレイキングダウンに出たときは77キロとかでやってました。そのまま試合もライト級でやってたんですけど、フェザーに落としたらそれでも充分戦えて。今回はバンタム級に落としてみようという感じですね。
――実験的な意味も含めて。
安井 いや、もうほぼ確定でバンタムだと思います。いまのところ何も支障もないですし。
――すでに体重は落ちてきてるんですか？
安井 けっこう落ちてて、あと9～10キロぐらいですかね。1ヵ月で10キロなんで……まあわりとギリギリです（苦笑）。
――鹿志村選手をイラつかせた「寝技でも負けない」という自信は、やはり柔道のキャリアから来てるんですかね。
安井 そうですね。柔道はボク中学3年ぐらい始めて。それまでは何もやってなかったんですけど。
――中3ですか？ 意外と遅いスタートですね。
安井 ボク、親があんまり習い事をさせないタイプというか。自由に遊びに行く時間をつくりたい家だったんです。でも、ボク自身は凄く習い事をしたいなと思ってて。その中でも、何か戦う競技がいいなと思って「柔道ってカッコいいな」と。
――そこは戦う競技がよかったんですね。
安井 ボクが通ってた学校がけっこう頭のいい学校というか。県立宮崎大学教育文化学部附属中学校というところなんですけど。めっちゃ賢い学校で。ボクはマジで賢くないんですけど。
――そうなんですか（笑）。
安井 ちょっとそことは逆の雰囲気に憧れたというか。それで「戦ってみてー」というのがあっての柔道です。最初はMMAとかも頭に思い浮かんだんですけど、ちょっと危ないなと思って。危険なのはちょっとイヤだなと思って柔道に行きましたね。
――MMAも視界には入ってたんですね。
安井 当時RIZINとか観てたんですけど「自分が出たら絶対に勝てるだろうなー」ってめっちゃ自信だけ持ってて。
――え、それってまだ柔道も何も始めてないときですよね？
安井 何もやってないです（笑）。でも、自分が出たら絶対に負けないだろうなという思いが凄くあって。でも、危ないから柔道をやっておこうみたいな感じでしたね。
――当時のRIZINは誰の試合を観ていたんですか？
安井 堀口恭司選手とか、あとは橋本……？ 女性の柔道家の……。
――女性の柔道家の橋本……？ ええっと、渡辺華奈選手のことですかね？
安井 あ、そうそう！ 渡辺華奈選手！
――まったく「橋本」じゃない！
安井 そういう感じで、小さい頃にRIZINは年末にテレビで観てたりして。ボクのお父さんがけっこう格闘技が好きだったから、家でも見てたんですよね。
――他にもご兄弟はいらっしゃるんですか？
安井 姉、姉、ボクで、上に姉が2人いますね。なので、ボクはしっかり末っ子肌です（笑）。
――なるほど。安井選手ってMMAも普通に根付いてた年代ってことなんですね。
安井 MMAも全然人気ありました。しかも、なぜか「総合格闘技だったら勝てる」と思ってたんで。生意気ですけど（笑）。でも、勝っていくと強い敵をバンバン当てられるじゃないですか。そうなるともっと危険になってくるなと思って、あえて選ばないようにしてました。
――勝てるんだけど危険だからやめておくと（笑）。
安井 そのぐらいへんな自信がありましたね（笑）。1対1だったら得意だろうなって。
――じゃあ、柔道をやり始めたらその自信はますます強くなっていったんでしょうね。
安井 それが、最初は凄く自信を持ってやったんですけど、やっぱり周りが強くて。それで鼻をへし折られて。
――やっぱり中3スタートとなるとだいぶ後発ですよね。
安井 だからけっこう練習して。それで高校最後の年に県で優勝しました。
――それは凄い！
安井 ギリギリ下の階級に落として優勝したんですけど、周りは小学校から始めてる子が多くて。ボクは本当に何も知らなかったので、部活とクラブ活動の2部連を毎日やって、人よりも練習量を増やしてやってましたね。
――練習は嫌いじゃなかったんですね。
安井 というか、柔道が凄く好きでした。
――しかし、その結果は周りも驚きますよね。
安井 めっちゃビックリされます。「中3からだよね？」みたいな。
――そこから柔道の道を極わめようという感じでもなかったんですか？
安井 いや、極めようかなと思ってて。大学卒業するときも実業団に入ろうかなと思ったんですけど、大学3年生でみんなが就職活動してるときに、ボクはブレイキングダウンに応募して。
――それはまた凄い振り幅ですよね。就職活動か、ブレイキングダウンか（笑）。
・大学時代はコブラ会に
・卒業記念にブレイキングダウン
・朝倉未来「東京、来ない？」
・賛否あったほうがいい
・バンタムだったらベルト獲れる
・西谷大成から受けた影響……微笑のビックマウスな11000字インタビューはこのあとへ
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