ハックルベリーに会いに行く
劣化する人:その4(1,773字)
考える人と考えない人の違いはなんだろう?
ぼくは、これはほとんど「先天的」なのではないかと思う。教えられて身につくものではない。
例えば、幼い頃に逆境に遭遇した者でも、考える人と考えない人とにはっきりと分かれる。また、恵まれた環境で育ったからといって、考える人になるとは限らない。むしろ、恵まれた環境に安住し、考えなくなる人もたくさんいる。
また、過保護にされて、考えなくなる者がいる。「親の言うことさえ聞いておけばいい」となって、もともと考える力があったとしても、考えないクセがついてしまうからだ。
そのように、才能を伸ばすことはできないが、潰すことはできる。だから、最低限「途方に暮れる」という状況は子供にとって必要だろう。答えがない中でそれを手探りで見つける――そんな経験が必要となる。
そしてこのとき、道が二つに分かれるのだ。一つは、先達の真似をする人。もう一つは、自分なりのやり方を模索する
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