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【連載物語】『不思議堂【黒い猫】~阿吽~』 第一話第四章「危険な解決法」
2021-11-27 18:00200pt著:古樹佳夜
絵:花篠
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◆◆◆◆◆牛舎◆◆◆◆◆
仁平「……」
吽野たちの真後ろに仁平が立っている。
背中に汗を伝わせながら、吽野はゆっくりと振り返り、仁平に語りかけた。
吽野「どうかしましたか?」
仁平は、ただニタァと笑っている。
何か言う素振りもない。沈黙が続く。
阿文と吽野は顔を見合わせた。
吽野「あの〜……」
吽野が言いかけた時だった。
仁平「この男は死ぬよ」
仁平は、自分の胸を指差して言った。
阿文「なっ……!」
阿文が驚いて声を上げた。
仁平「ぐぶぶ」
仁平は口から泡を吹いて倒れた。
地面にべったりとへばりついて、
縫いつけられでもしたようだ。
首は真横を向いた形で、白目を剥いている。
阿文「お、おい……!」
阿文は慌てたが、吽野が制した。
阿文「先生! あいつ息をしてないぞ」
吽野「わかってる。もう手遅れだよ」
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【連載物語】『不思議堂【黒い猫】~阿吽~』 第一話第三章「怪異の正体」
2021-11-20 14:15200pt
著:古樹佳夜
絵:花篠
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◆◆◆◆◆村への道◆◆◆◆◆
翌日、吽野と阿文は茨木に導かれて、
麓の村へと向かった。
道中、吽野は茨木の背に背負われ、
阿文は自分の足で山を降っていた。
吽野「うー……揺れる……二日酔いで吐きそう」
茨木「すみません! もうすぐ麓の村に着きますから」
阿文「昨日4人で相当飲んだからなぁ」
茨木「申し訳ねぇ。アニキときたら、人間と久しぶりに飲めるってはしゃいでて」
吽野「うう……」
吽野は今にも吐きそうだとばかりに唸った。
阿文「ところで、酒呑童子の方は放っておいて大丈夫ですか?」
茨木「ハハ。昼まで起きませんよアニキは」
阿文「監視していないと、また起き抜けに迎え酒しそうですが」
茨木「いや、昨日で全部飲み干してます。……また酒を調達すんのに一苦労です」
茨木は手のかかる兄貴分のことを思い出し、ため息をつく。
吽野「それにしても、阿文クンたら相変わらず酒に強いな。君もしこたま飲まされてるのに」
阿文「そうだな? 僕はなんともない」
阿文は飄々とした口調で、顔色の悪い吽野を振り返った。
茨木「あ! 村が見えてきました」
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【連載物語】『不思議堂【黒い猫】~阿吽~』 第一話第二章「大酒飲みの鬼ふたり」
2021-11-13 22:00200pt -
【連載物語】『不思議堂【黒い猫】~阿吽~』 第一話第一章「大江山よりの便り」
2021-11-05 20:40著:古樹佳夜絵:花篠-------------------------------------------下町の風情漂う商店街。最奥に不思議堂がある。
ボーンボーンと
真向かいの時計店の振り子時計が夕暮れ時を告げた。
裏手の飲み屋から、ガヤガヤと酒呑たちの笑い声が聞こえてくる頃だが、そんなことなどお構いなしで、吽野は一心不乱に売れない冒険小説を執筆していた。
吽野「裏の飲み屋、楽しそうだな……それに引き換え、俺は机に齧り付いて、何してんだろうねぇ……」
吽野の集中は完全に切れてしまった。
吽野「あ〜ダメだ……。阿文クン……」
阿文「時計屋から聞こえただろう。今は五時」
吽野「そうじゃなくてぇ、お茶ちょうだい。あと、お腹も減ってきたよ。オニギリでも握ってくれないかな〜」
阿文「今忙しい」
玄関横の椅子に腰掛けた阿文は
先ほど届いたばかりの夕刊を読んでいた。
吽野 「そんなこと言わないで手伝 -
『不思議堂【黒い猫】~阿吽~』 連載開始と詳細のお知らせ
2021-11-05 17:30【お知らせ】浅沼晋太郎・土田玲央『不思議堂【黒い猫】』オリジナルストーリー『不思議堂【黒い猫】~阿吽~』を本チャンネル内ブロマガにて連載中です。------------------------------------------------------------------■不思議堂【黒い猫】~阿吽~著:古樹佳夜絵:花篠【あらすじ】
少々古めかしく猥雑な商店街の一角にある骨董品店『不思議堂【黒い猫】』
店主・吽野(うるの)は、自堕落な劇作家の青年。
普段の顔は、店の主人だが、客から不思議な出来事を耳にすると
何でも屋として問題解決を引き受け、
「報酬として、その出来事を劇の題材にさせてほしい」と客に持ちかける
嘯く吽野を叱責しつつも、悪ノリする作家助手の阿文(あもん)は
吽野の劇の劇団員でもある
今日も小さな店内で、不思議な劇の幕が開く【キャラクター紹介①】
●吽野(うるの)・・・CV.
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