A事実関係

国内で唯一、稼働している九州電力川内原子力発電所1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)について、脱原発派の住民12人が運転差し止めを求めた仮処分の即時抗告審で、福岡高裁宮崎支部は6日、脱原発派の抗告を棄却。

 西川知一郎裁判長は、原子力規制委員会が原発の耐震性の強化を求めた新規制基準と安全審査を「不合理とはいえない」と判断し、運転停止の必要はないと結論。

西川裁判長はまず、どのような事態が起きても放射能漏れを起こさないほどの安全性を原発に求めるのは、今の科学技術では不可能とし、「社会がどの程度の水準なら容認するかを基準として判断する」と指摘。

そのうえで〈1〉新基準に基づき想定する最大規模の地震の揺れ(基準地震動)の妥当性〈2〉原発の安全性に影響を与えるほどの破局的噴火が起きる可能性〈3〉避難計画の妥当性――をそれぞれ判断。基準地震動に不合理な点はなく、破局的噴火が迫っ