ロバート・ベラーは一九二七年生まれ。米国の社会学者。

 ベラーは徳川時代を「集合体への献身」とみなし、「一人一人の集合体に対するろ結びつきは、集合体の長に対する忠誠心ちとして象徴される」としている。その際、「集合体の長」は「人物が誰であるかを問わず、集合体の長に対する忠誠」が求められるとしている。

 そのことは「個人が全く個人的関係のない人物(たとえば天皇や将軍)に対する心からの忠誠の可能性を意味し、単なる個人的影響の範囲をはるかに超えて、強力な政治的影響を及ぼし得る」性格を持つとしている。

 批判を招かないために、「多くの場合、執行上の役割を持たない傾向がある」「実際の行政機能は、一番番頭とか家老等に委ねられている」という現象が生まれるとしている。

 ただ、徳川幕府は限界を内蔵しているとして、「将軍そのものの正当性に関するものである。現実には、将軍家は、日本における実