ニューヨーク・タイムズ紙記事「何故中国は香港を必要としないか(Why China No Longer Needs Hong Kong)」

 筆者:Eswar S. Prasad、コーネル大学教授

1997年香港返還以来、中国は香港の制度を尊重してきた。もはやそれは終わった。北京の香港に対する高圧的態度でそれは明確になった。

・何が変わったか。1997年には、中国は香港を必要とした。中国はまだ世界貿易機関(WTO)に参加することが許されていなかった。従って、香港は貿易のチャンネルとして機能した。中国の商品は香港に入り、香港から世界に輸出された。こうして中国は自国に課せられた規制を回避した。

・中国が2001年WTOに加盟するや、香港経由の貿易の意義は失われた。1997年中国の貿易の半分は香港経由といわれるが、今日では12%である。

・1997年香港経済は中国の五分の一であったが、2018年