イランはソレイマニ司令官の殺害に対する最大級の報復を行った。
報復の目標や時期はいつでも選べる。従って私は、ゆっくりと報復するのでないか、仮にイラクの米軍基地を攻撃するにしても、イラク国内からロケット砲を撃つ(行動はイラン人かイラク人かわからない)等があるのでないかと思っていたが、イランの対応はより直接的である。
まず、①タイミングを葬儀直後、②イラン国内からミサイル発射、③標的は米軍基地、真正面からの挑戦である。イラン国内の高まりを見れば、これ以外の手段はなかったのであろう。
今後どう展開するかは、トランプにかかっている。トランプ大統領も、イランのハメネイ最高指導者も弱腰とみられる対応はとれない。
こうした報復合戦の中、米国はイラク国内に二つの軍事基地とバグダッド市内の「グリーン」という攻撃に極めて脆弱な拠点を抱えている。私もイラン・イラク戦争時、バグダッドでイラン・ミサイルの飛来と
この記事は過去記事の為、今入会しても読めません。ニコニコポイントでご購入下さい。
イランは、制裁を受けており原油の輸出で外貨を稼げない。自ずからイラン国民の生活は物不足・物価高で悩まされている。
公式の数字に出てこないが、原油の最大輸入国である中国との取引があり、企業段階の制裁処置が出ている。イランから原油を積み込んできた船から税関を通じて中国内に持ち込めないが、停泊中に積み替えをして中国国内に持ち込めば、イランに原油収入が入る。このような事例が明るみに出てきて、イランからの輸入が極めて難しくなっている。
トランプ大統領は、制裁の強化を言っており、どのような内容になるか、注目点である。米国がイラン核保有に対して厳しい態度をとれば、イラン国民の生活の困窮度が増していくのでしょう。関係国も同じである。
①中国はイランに原油輸入を中東に依存しており、制裁内容によっては大きな問題に発展する。中国も例外でなくというより影響が大きく対処に苦慮するでしょう。中国が制裁を受ければ、デカップリングが現実的問題となる。
②米国は中東に原油を依存していないので、EUなど必要とする国がイランとの関係を深めていくようにトランプ大統領は言っており、米国が離脱した「核合意」に対してEUの八方美人的外交を排除した明確な態度が要求されているとみるべきでしょう。
トランプはイスラエルのネタニアフの命令に従ってこのようなスカーミッシュをコミットしているというファクターを過小に観てはならないと私は思っています。米国上下議会人の圧倒的多数を一議場に集めて「イランを潰す」と5年程前に宣言しているのです。その宣言を圧倒的多数の議員たちが承認しているのです。その承認をトランプは律儀に実行に移しているということです。米国流の民主主義の手続きは完了しているのです。
トランプの対外政策は次に要約されよう。
中国にきつく当たる事、
台湾を擁護して米国に引き寄せる事、
メキシコ人にきつく当たる事、
イランを潰す事、
上記は彼の公約でもありますから、やりとげようと躍起になりましょう。しかし、勿論のこと、悉く失敗に終わりまでょう。今後、米国はブラジルを目指して、変容を余儀なくされましょう。ということは、ウオール街にアジトを持ち、ミルトン・フリードマンが唱道するデイザスター・キャピタリズム(安倍ファンは新自由主義とか言って崇めてる)に帰依する戦争屋たちが追放されるということです。何故なら、中国はトランプが考えるほど弱くない。メキシコはクレオール主義というしたたかさがあるし、そのイデアロギーは48州に今後横溢する運命だからです。イランのミサイル技術はこの数年でロシアの教えの甲斐あって格段に近代化されイスラエルに照準を置くことが完了している筈なのです。下手な手出しはトランプたりとも出来ないのです。
米国の経済制裁で米国に降参した国は確か日本だけでしょう。くず鉄と石油の禁輸は日本にとって致命的だった。その時から、日本は米国の属国となる運命が決まったのです。
米国の経済制裁にあっても、ロシア、朝鮮、イラン、けなげに生き延びてますね。連中の生活について、日本の安倍ファンは「よせばいいのに、つまり、米国に白旗振れば、良い生活が待っているのに」と思うようだが、それは無知から出る発想。
無知を治すため、ナオミ クラインの「ショックドクトリン」くらいは読んでもらいたい。スラムの米国人の貧乏は半端じゃない。慈悲で出される肉とか牛肉と小麦があり、市場値も超安いから凌げてるだけだ。それに比べれば、経済制裁喰らってるロシア人、イラン人、朝鮮人は清潔を保ち一応食べてるのじゃないかな。
「米国万歳」は世界の中では安倍ファンにしか通用しない。
サウジのペトロドラーからの離脱も現地では噂されおり、ロシア、中国の仲立ちで一挙にサウジとイランの手打ち式が行われるかもしれない観測もあり、それを阻止するために米国とイスラエルが何をしでかすか分からない状況とも言えるらしい。
イランが一方的に追い詰められているという西側の視座は客観性に欠けるという点も我々は考慮に入れておかねばならない。